早期解決に向け前進
暗号資産(仮想通貨)XRPの有価証券問題をめぐる裁判で、リップル社と米証券取引委員会(SEC)は13日、ニューヨークの連邦地方裁判所に略式判決の申し立てを行った。略式判決のプロセス開始は、2020年12月に始まったこの訴訟を早期解決に導くための、重要な局面だと捉えられている。
#XRPCommunity #SECGov v. #Ripple #XRP 1/2 The Ripple Defendants have filed, UNDER SEAL, their Motion for Summary Judgment, the Memorandum of Law in Support of the Motion for Summary Judgment, the Rule 56.1 Statement, a Declaration of Michael K. Kellogg, and 106 Exhibits. pic.twitter.com/1WVLRpzYZe
— James K. Filan 🇺🇸🇮🇪 (@FilanLaw) September 13, 2022
略式裁判とは、検察官の請求によって裁判を行わずに、書面のみで審理を行う非公開の裁判手続きのこと。
米国の一般弁護士James Filan氏によると、リップル社とSECは、略式判決を支持する覚書とともに、封印された申立書と証拠書類を提出。申し立てに関する書類の要約版が19日に、両当事者が要求する仮の修正を経て、一般に公開される予定だ。
略式判決の申し立てに先立ち、裁判所は、両当事者から提出された、関連書類の機密情報削除に関する共同提案を承認している。SECとリップル社は、証人の身元情報を公開するかどうかで意見が対立していたが、最終的に妥協点を見出したようだ。
共同提案では、暫定的に封印された書類を双方が提出後に、未公開とする情報について両当事者が協議する期間が設けられている。協議後、SECとリップル社は、修正した公開版(要約)を作成することが求められている。また、9月から12月までの書類提出に関するスケジュールも設定された。
関連:リップル裁判 ヒンマン氏のイーサリアム発言関連資料を非公開とするSECの申し立てを却下
リップル社とは
リップル社は、仮想通貨XRPを発行している企業。銀行向けのブロックチェーンベースのシステムを開発しており、XRPは通貨と通貨の橋渡しとなるブリッジ通貨を目指している。Garlinghouse CEOおよび共同創設者のChris Larsen氏は、XRPを未登録証券として販売したとして、2020年12月に米証券取引委員会(SEC)に提訴された。
▶️仮想通貨用語集
今後のスケジュール
裁判所が承認した略式判決のスケジュールは、以下の通り。
- 9月13日:略式判決のための全ての資料を封印して提出
- 9月15日:準備書面にて双方が求める削除事項を確認する会合・協議
- 9月19日:協議で要求された仮修正を行った公開版の書類を提出(一般公開)
- 10月18日:異議申し立てに関する全ての資料を封印して提出
- 10月20日:異議申し立て資料に対する修正要求を確認する会合
- 10月24日:協議で要求された仮修正を行った公開版の書類を提出(一般公開)
- 11月15日:略式裁判の答弁書を封印して提出
- 11月17日:答弁書に対する修正要求を確認する会合
- 12月9日:申し立てを総括する全ての資料を提出。修正案も同時に提出。
- 12月22日:総括された申し立てに対する反対意見の提出。
このスケジュールで、まず注目されるのが9月19日だ。リップル裁判に関する多くの資料が、修正されている部分があるとはいえ、一般に公開されるためだ。仮想通貨業界が注目するリップル裁判の略式判決の申し立てを、実際に閲覧できることを歓迎する声が上がっている。
Jeremy Hogan弁護士は9月19日が、リップル社とSECがどのような「手札」を持っているのか一般に公開される「最終決戦」と形容した。