はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

グレースケールCEO、「GBTCからの資金流出は均衡に達した可能性」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

資金流出は一段落か

暗号資産(仮想通貨)投資企業グレースケール社のマイケル・ソネンシャイン最高経営責任者(CEO)は10日、同社が提供するビットコイン現物ETF「GBTC」からの資金流出は均衡に達し始めた可能性があると語った。

ロイターの「Inside ETFs」のインタビューでソネンシャイン氏は、数ヶ月にわたる投資家によるGBTCの売却を経て、現在ファンドからの資金流出が一段落しているとの考えを明らかにした。

倒産による売却や投資家による乗り換え取引など、予想された資金流出がほぼ一段落し、このファンドは落ち着きを取り戻しつつあると考えている。

ソネンシャイン氏は、米国でビットコイン現物ETFが承認された際に、同ファンドからのある程度の資金流出が起こることは予想していたという。GBTCが、破綻したFTXやジェネシスなどの仮想通貨企業に担保として保有されていたことから、「強制的な」精算が行われたものもあったと述べた。

しかし、仮想通貨業界全体で資金の流れを見ると、「上潮が全てを引き上げる」と考えているため、将来については楽観的だと付け加えた。

巨額の資金が流出

BitMEXリサーチによると、ビットコイン現物ETFの承認後の3ヶ月で、GBTCからの流出した資金の総額は150億ドル(2兆2,900億円)相当に上る。3月には1日あたりの流出額が6億ドル(916億円)に達したこともあった。

Fireside Investorsのデータによると、直近の4月8日から10日にかけての3日間の流出額は、それぞれ3億ドル(458億円)、1億5,400万ドル(235億円)、1,750万ドル(26億7,400万円)だった。減少傾向が見られた。

グレースケールのウェブサイトによると、GBTCのファンドは現在318,451 BTC強を保有しているが、ビットコインETFに転換される直前の年初時点では618,000 BTC強を保有していた。

ブロックチェーン・インテリジェンス企業Arkhamは先月下旬、GBTCからの資金流出が現状のペースで進んだ場合、96日で同ファンドの保有するビットコインが枯渇する可能性があると予測している。

関連:グレイスケール「GBTC」のビットコイン売り圧力、現行ペースなら約3ヶ月後には消滅=Arkham

グレースケールの対応策

GBTCからの資金流出の要因の一つには、競合他社の手数料との差が大きいことが挙げられる。現在、GBTCの管理手数料は、業界平均の0.25%に対し1.5% に設定されており、いくつかの減免措置はあるものの、かなり高い印象が否めない。

ブラックロックが提供するビットコイン現物ETF「IBIT」の手数料は、0.12%と非常に低く設定されており、発売以来、巨額の資金流入を記録した。3月末時点で、その運用資産は250,000 BTC(2.6兆円)を超えている。

ソネンシャイン氏は「市場が成熟につれて、GBTCの手数料は下がると予想している」と述べ、グレースケールがブラックロックやフィデリティなどの競合他社への対抗措置を講ずる可能性を示唆した。

また、グレースケールは主力商品であるGBTCからの資金流出を食い止めるため、GBTCのスピンオフとして、新たなビットコイン現物ETF商品「グレイスケール・ビットコイン・ミニ・トラスト」の承認を米証券取引委員会(SEC)に申請中だ。

この商品はGBTCよりも手数料が大幅に低く設定され、承認された場合、GBTCの保有者は、「ミニ・トラスト」の株式の配分を受けることが可能になる見込みだという。

グレースケールの功績

グレースケールは、ビットコイン現物ETFの前身となるビットコイン投資信託を、2013年に機関投資家や適格投資家向けの私募としてリリース。「クローズド・エンド型商品」として10年に渡り運営してきた実績がある。

同社はこの商品をビットコイン現物ETFに転換すべく、SECに申請するも、SECが却下したことを受け、2022年にSECを提訴。昨年控訴裁判所がグレースケール側の主張を認め、SECに決定の再検討を命じたことから、ビットコイン現物ETF承認への道が開かれた。

グレースケールは、イーサリアムをはじめ、ソラナやビットコインキャッシュなど、他の仮想通貨投資信託も提供している。

グレースケールは現在、 イーサリアム投資信託の現物ETFへの転換の申請を進めている。この件について3月上旬にコインベースとともに SECとの会議が行われた。また、同社はイーサリアム先物ETFの上場申請を行っているが、SECは3月に、その判断を再度延期している。

SECはProShares、VanEck、Bitwiseのイーサリアム先物ETF上場申請を昨年12月に承認済みであり、グレースケールへの対応が待たれるところだ。

関連:米SEC、グレースケールのイーサリアム先物ETF申請を再度延期

関連イーサリアムの買い方|初心者が知るべき投資メリット、リスク、おすすめ取引所選び

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/07 月曜日
12:21
イーロン・マスク、新政党でビットコイン支持示唆 法定通貨への懸念表明
イーロン・マスク氏が新政党「アメリカ党」でビットコイン支持を表明。「法定通貨は絶望的」と発言し、暗号資産への姿勢を鮮明に。トランプ氏との対立から第3政党設立へ。2026年中間選挙で限定的な議席獲得を目指す戦略も明らかに。
12:15
UAE当局、トンコインによるゴールデンビザ取得プログラムを否定=報道
アラブ首長国連邦当局がトンコインのステーキングでゴールデンビザを取得できるプログラムを否定した。当ビザの要件で仮想通貨投資家は対象外と表明している。
12:07
ビットコイン高値圏で推移、取引所の流入・流出比率は3年ぶり低水準に
ビットコインは109,060ドルで小幅上昇。取引所流入・流出比率が0.9まで低下し、2023年弱気相場以来の最低水準を記録。昨年11月の米大統領選以降、約20万BTCが取引所から流出し、残高は280万BTCと7年ぶりの低水準となった。これは投資家の長期保有志向の強まりを示しており、短期投機から長期価値投資へのシフトが鮮明になっている。
09:22
米シークレットサービス、過去10年間で犯罪関連の仮想通貨580億円相当を押収
米シークレットサービスが過去10年間で4億ドル相当の仮想通貨を押収した。米国では豚解体詐欺による銀行破綻も発生しており捜査当局は仮想通貨が関連する犯罪への対処を進める。
07/06 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ETH価格特化の新組織誕生や米国初のソラナ現物ステーキングETF上場など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン週次レポート:1600万円台を窺う展開、トランプ減税法案通過で相場底堅く推移|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコイン(BTC)対円相場は1600万円を窺う底堅い展開。トランプ減税法案上院通過で1520万円台で下げ渋り、ADP雇用レポート下振れによる早期利下げ観測で1570万円台に回復した。bitbankアナリスト長谷川氏は下降チャネル突破も11万ドル乗せに苦戦と分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BitwiseのBTC20万ドル到達予測維持に高い関心
今週は金融アドバイザーの推奨ポートフォリオ、Bitwiseのビットコイン20万ドル到達予測維持、アリゾナ州知事による押収仮想通貨の準備基金法案への拒否権行使に関するニュースが最も関心を集めた。
07/05 土曜日
13:40
トランプ一族の「World Liberty Financial」、WLFIトークンの取引開始を提案
World Liberty Financialが仮想通貨WLFIトークンの譲渡可能化を提案。早期支援者のトークンがアンロックされる見込み。
13:00
リップル社、シンガポールでXRPLの起業家育成プログラム開催へ 最大20万ドル資金提供
リップル社がシンガポールでXRP台帳基盤の起業家育成プログラムを開始する。RWAトークン化・DeFi・AI分野などに焦点を置き、最大20万ドルの資金提供を予定している。
10:20
1兆円相当ビットコインが移動も、構造的売り圧力は限定的か=Bitcoin Vector分析
14年以上動かなかった8万ビットコイン(約1.2兆円)が8個のアドレスから移動。仮想通貨取引所への売却ではなくOTC取引との見方も。
09:45
ロシア国営ロステック、トロンでステーブルコインRUBx発行へ 制裁回避狙いも
ロシア国営企業ロステックがルーブル建てステーブルコインRUBxを年内に発行する予定だ。決済プラットフォームRT-Payも立ち上げる。経済制裁回避の意図もあるとみられる。
08:20
Mercado Bitcoin、XRPレジャーで約300億円の資産トークン化計画
ブラジルの仮想通貨取引所Mercado BitcoinがXRPLで実世界資産トークン化を拡大。南米機関による最大規模の取り組み。
07:10
英上場ゴールド探査会社Hamak Gold、ビットコイン財務戦略導入で247万ポンド調達
ロンドン上場のHamak Goldが仮想通貨戦略転換を発表。カタール王族系投資ファンドも参加し株価6%上昇。
06:55
14年以上動かなかったビットコイン、合計1兆円相当が移動 警戒感高まる
14年以上動かなかった合計1兆円相当の仮想通貨ビットコインが、8個のアドレスから移動したことがわかった。当時からどのくらい価値が増えているのかも明らかになっている。
06:30
Ondo Finance、米SEC登録のOasis Pro社買収でトークン化証券市場に本格参入
RWAトークン化プラットフォームOndoが規制準拠のOasis Proを買収。米国投資家向けトークン化証券サービス拡大へ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧