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米FRBに有識者が緊急利下げを要求 仮想通貨運用企業Bitwise幹部らは否定的な見方

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緊急利下げを要求

現在の金融市場の急落を受け、有識者の間で、米連邦準備理事会(FRB)に緊急利下げを求める声が増えてきた。

暗号資産(仮想通貨)価格や株式市場の急落は、中東情勢への懸念や日銀の利上げ政策など複数の要因が重なっているが、米国の景気後退への懸念も大きく影響している。有識者は、緊急利下げを行い、この状況を打開するようFRBに求めている。

米国で政策金利などを決める「FOMC(連邦公開市場委員会)」の会合は、直近では7月30日と31日に開催された。この時は9月に利下げをする可能性があることが明言されたが、政策金利は5.25%〜5.50%に据え置かれている。FOMCの会合が次に開催されるのは9月で、8月はジャクソンホール会議(8月22日~24日)があるため行われない。

FOMCとは

「Federal Open Market Committee」の略。米国の金融政策を担う最重要機関のこと。

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一方、会合直後の今月2日、米国では雇用統計が発表された。この結果が市場の予想よりも景気後退を示しており、金融市場に大きな打撃を与えている。有識者が緊急利下げを求めているのは、FOMCが9月までないことも大きく影響している。

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ビットコイン現物ETFを提供するWisdomTreeのシニアエコノミストで、ペンシルベニア大学ウォートン・スクールの名誉教授Jeremey Siegel氏は5日に「CNBC」で、0.75ポイントの利下げを即座に行い、9月のFOMCの会合でさらに最低0.75ポイント下げることを要求した。

Siegel氏は、現時点における適正な政策金利は3.5%から4%の範囲内だとの見方を示している。現在の政策金利は、上述した通り5.25%〜5.5%だ。

他にも金利先物市場で、8月に少なくとも0.25ポイントの利下げを織り込んでいることが観測されている。

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利下げに否定的な見方も

一方で、現在の市場の反応は過剰だとの声も上がっているため、FRBが緊急利下げに動くとは限らない。また、米国の景気はそこまで後退しておらず、利下げが逆効果であるとの指摘もある。そのため、今後の動向は注意深く見ていく必要がありそうだ。

仮想通貨運用企業Bitwiseの最高投資責任者Matt Hougan氏は「The Block」に対し、緊急利下げが行われる可能性は低いと述べ、より慎重なアプローチがとられると主張。大統領選挙前のタイミングで緊急対応は行わないだろうとの見方を示した。

そして、9月に0.5ポイント、年末までに1ポイント超の利下げを行うと予想している。

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他の予測

米雇用統計発表後は、分散型予測市場「ポリマーケット」における利下げ予想が活発化してきた。24年9月の利下げ予測には、本記事執筆時点で合計150万ドル(約2.1億円)超が賭けられている。

その中で、24年9月かそれ以前にFRBが0.5ポイント以上利下げをする可能性は59%。以下がその可能性の推移で、2日以降に高まっているのがわかる。なお、9月の0.5ポイント利下げの可能性には、73万ドル(約1億円)超が賭けられている。

また、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のFedWatchツールによれば、9月に0.5ポイント利下げをする可能性は83%。この可能性は7月29日時点は11.4%だったが、2日に74%まで高まっていた。

出典:FedWatch

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