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石破総理、仮想通貨の分離課税適用やETF承認に慎重な姿勢示す 国民民主党の質問に回答

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

暗号資産の税制改正

自民党の石破茂内閣総理大臣は2日、衆議院本会議における代表質問で、暗号資産(仮想通貨)に一律20%の申告分離課税のルールを適用することに慎重な姿勢を示した。

「投資家保護規制が整備されている株式や投資信託のように暗号資産への投資を国が推奨することが妥当なのか?申告分離課税を適用することに国民の理解が得られるのか?などの課題があり、丁寧な検討が必要である」と答弁している。

今回の発言は、国民民主党の浅野哲議員からの質疑に答える中で行われた。浅野議員は、石破総理への質疑の中の1つとして暗号資産について質問している。

質問では、「暗号資産の世界的な市場規模が急速に成長する中、日本における最大55%の税金が課せられる現行ルールが足かせになり、Web3企業や個人資産が国外へ流出している」と課題を指摘。その上で、ビジネス振興や資産の国内回帰を促すために、申告分離課税や損失繰越控除を適用するなどの税制改正が必要であると主張した。

また、米最大手資産運用会社ブラックロックなどが参入するビットコインETFで機関投資家の需要が膨らんでいることを念頭に、「暗号資産ETFの取引環境の整備が急務である」とも主張。「こういった改革を行って、日本市場の育成や競争力強化を図ることなどの対応が必要である」と語った。

石破総理はこの質問に対し、上記の内容に加えてETFについても回答。「暗号資産をETFの対象にするかどうかは、暗号資産が、国民にとって投資を容易にすることが必要な資産かを踏まえて検討する必要がある」と話した。

ETFとは

「Exchange Traded Fund」の略。金融商品取引所に上場している投資信託を指し、仮想通貨に限らず幅広い金融商品が取引されている。

▶️仮想通貨用語集

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今回の石破総理の答弁について国民民主党の玉木雄一郎代表は、20%の申告分離課税や損失繰越控除の適用について「ゼロ回答」だったとコメント。そして、暗号資産ETFにまで消極的なことにも失望感を示している。

その上で、このままではトランプ次期政権が公約通りにビットコイン大国を目指した場合、他の先進国に日本が遅れを取ることを危惧。「Web3先進国にする」との国家戦略を掲げたわりには検討ばかりだ(一向に進展する様子がない)として、国民民主党が頑張るしかないとの意思を表明した。

国民民主党の動向

国民民主党は、「年収103万円の壁」の引き上げ要望のほか、申告分離課税ルールの適用など暗号資産の税制改正についても強く要望している。先月には党の玉木代表が、与党側に国民民主党の税制改正要望を伝えたと発表。その中に暗号資産に申告分離課税を適用することなどを盛り込んだ。

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また、玉木代表は9月、自民党総裁選で金融資産課税が注目を集める中、暗号資産に関する税制や規制の見直しも議論して欲しいと要望。申告分離課税を適用することなど具体的な政策例を4つ提案し、これらの政策を速やかに導入すれば、日本市場で取引が増え、数十兆円規模の資産を増やすことにつながり、税収も増えるだろうと主張した。

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税制改正の中でも申告分離課税の導入は、個人投資家からも長期に渡って強く要望されている。

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