トークン化のもたらすメリットとリスク
国際通貨基金(IMF)は28日、Xアカウント資産トークン化についての解説ビデオを公開。トークン化のもたらすメリットと共に、リスクについても説明している。
まず、従来型のデジタル取引では、取引の承認と決済を行う銀行やクレジットカード会社などの仲介役が必要となるが、これには時間がかかる。
トークン化は、買い手の資金と売り手の資産をロックし、同時に交換することを保証するコードなどプログラマビリティによって仲介業者を省くことが可能だ。即時取引により、時間と費用を節約することができる。
たとえば金融大手JPモルガンは、資産管理コストを約5分の1に削減できると試算しているところだ。一方でIMFは次のようにリスクも指摘した。
新しい技術による効率化は、しばしば新たなリスクを伴う。自動取引はこれまでも、瞬時に実行される取引によって「フラッシュクラッシュ」と呼ばれる突然の市場暴落を引き起こしてきた。トークン化された市場では、こうした変動がより大きくなる可能性がある。
フラッシュクラッシュとは
金融市場で極めて短時間のうちに価格が急落し、その後すぐに急回復する現象のこと。アルゴリズム取引(自動売買)の連鎖により瞬間的に暴落する場合、板に注文が薄いタイミングで大口売りが入る場合、ケタ間違いなど誤発注が自動売買のトリガーになる場合など、様々な要因がある。
また、トークン化により複数のプログラムの連鎖を積み重ねて記述することができるようになるが、何か危機が発生した際には、これらがドミノ倒しのように悪影響を及ぼし合う可能性があるとも警告している。
さらに、IMFは断片化の問題も指摘した。各トークンに相互運用性がない場合、市場は断片化し、より迅速かつ安価な取引を実現できなくなる可能性があるとしている。
以上のようにリスクを挙げて、IMFは、トークン化がリスクを抑制しながらその可能性を発揮するためには、具体的な政策が必要になると唱えた。政府は、トークン化の将来において、より積極的な役割を果たすことができるとしている。
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SECやESMAの動き
当局の間では、トークン化規制の議論が始まっているところだ。例えば10月には、米証券取引委員会(SEC)が株式トークン化規制で協議していると伝えられた。
企業の株式をデジタルトークンとして扱い、ブロックチェーン上で株式を暗号資産(仮想通貨)のように取引できるようにする計画について、すでに市場参加者と規制変更について協議を行っているとされる。
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また欧州でも、欧州証券市場監督局(ESMA)のナターシャ・カゼナーヴ事務局長が9月、トークン化は市場を変革する可能性があるものの、投資家保護、決済ルール、法的枠組みがそれに合わせて進化することが前提になると述べた。
既存のモデルから分散型台帳へ移行するには、所有権、保管、決済構造といった根本的な変化が伴い、それらに適応していく必要があると訴える格好だ。
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