WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン、「流動性を待つ」レンジ相場=Glassnode分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 実現利益が2025年7月ピーク比96%超減少
  • ETF資金フローがプラス転換、機関需要の慎重な回復を示唆

より高い安値と重い天井

オンチェーンデータ分析大手Glassnodeは25日、最新の週次レポートを公開した。ビットコイン(BTC)は6万7,000ドル付近への急落から持ち直し、底堅い価格構造を形成しているものの、現物取引量の低迷や上値の供給圧力から、強い需要回復にはまだ時間がかかると分析。現在は「流動性を待つ局面」にあるとの見方を示した。

3月初旬以降、ビットコインは地政学リスクによる不透明感の中でも、高値・安値をともに切り上げ、6万ドル~7万ドルのレンジ内で「建設的な構造」を維持している。コストベース(取得価格)の分布を見ると、直近1週間〜1ヶ月の短期保有層が約7万200ドルで下値を支える一方、1ヶ月〜3ヶ月の中期保有層が位置する8万2,200ドル付近には厚い売り圧力が控えており、上値抵抗線をより強固なものにしている。

出典:Glassnode

この二つの水準が、当面の価格レンジを規定する主要な境界線となっているが、足元の蓄積はまだ小規模であり、7万ドル付近のサポートは依然として脆弱だとGlassnodeは指摘。より強固な需要基盤が確立されるまでは、下抜けリスクも排除できない状況だと分析した。

市場心理の面では、含み損の増加を示す指標が時価総額の15%を超える水準で安定しており、2022年の弱気相場の中盤に似た状況となっている。しかし、投資家は恐怖は感じつつも、FTX破綻時のような極端なパニック売りには至っていない。

この水準の含み損は、通常「時間経過」または「さらなる価格下落」によって解消されるケースが多いが、急激なV字回復には大規模な新規資金流入が必要となる。

さらに注目すべきは、実現利益の大幅な減少だ。2025年7月のピーク時には1日あたり約30億ドルあった実現利益は、現在0.1億ドル以下まで96%以上も減少した。

これは利確できる保有者が減少し、売り圧力が弱まる一方で、新規資金も十分に市場に流入していないため、市場全体の流動性がサイクル最低水準にまで落ち込んでいることを示している。

現物取引量の低迷とデリバティブ市場

現物市場の出来高は、6万7,000ドル付近への急落後も顕著な回復を見せておらず、足元の反発局面においても依然として低水準にとどまっている。一時的な出来高の増加は見られるものの、いずれも短期的な反応にとどまり、過去の力強い上昇局面で見られたような継続的かつ活発な取引は確認されていない。

このことから、今回の価格回復は広範な資金流入による上昇ではなく、押し目買いや短期的なポジション調整に支えられた側面が強いとGlassnodeは指摘した。

米国の現物ビットコインETFでは、これまで続いていた資金流出が一服し、直近の7日間移動平均ではわずかにプラスへと転換した。レポートはこの変化について、ビットコイン価格の安定と回復に伴い、機関投資家の需要が再び回復し始めている兆候だと指摘した。

関連:ビットコイン底打ちの兆候——K33が売り圧力後退と構造変化を分析

過去の蓄積局面に比べれば流入規模は限定的だが、その方向性にGlassnodeは注目している。以前の流出は価格下落と弱いセンチメントと連動していたが、今回の流入反転は、伝統的な市場参加者による慎重な再参入を示していると指摘。このサイクルではETF需要が現物市場を支えるの重要な要因となっているため、流入が持続的にプラス圏に戻れば、市場の信頼回復を後押しする可能性がある。

一方、デリバティブ市場では、永久先物の資金調達率が依然としてマイナス圏にあり、ショートポジション優勢の状態が続いている。これはトレーダーが下落リスクを警戒し、ロングポジションの構築に躊躇する状態を示している。

過去の回復局面では資金調達率が中立〜プラスへと転じる傾向があったが、今回はそうした動きが見られず、回復に対する確信の弱さが浮き彫りとなっている。

マイナスの資金調達率が続くと、価格がさらに上昇した場合「ショートスクイーズ」を誘発し、価格上昇の追い風になる可能性がある。

オプション市場では、スキュー(プットとコールの価格差)が安定し、インプライド・ボラティリティ(IV)はレンジ内で推移しており、下落リスクに対するヘッジ需要の低下を示唆している。

総括

ビットコインは急落後の調整を経て、足元では価格の安定化やETF資金フローの改善、デリバティブ市場の偏り縮小など、市場環境の持ち直しを示す兆候が見られている。最近の強い売り圧力が徐々に和らぎ、1週間前と比べると市場構造はバランスを取り戻しつつある。

しかし、Glassnodeは強いトレンド転換を示唆する局面には至っていないと慎重な姿勢を見せている。現物取引量は依然として低調で、先物の建玉も伸び悩んでいるほか、上値には依然として厚い供給圧力が控えているためだ。

状況は改善しつつあるが、持続的な上昇トレンドへと発展するには、より強力な市場参加が必要となる。総じて、現在のビットコインは「強気」というよりも、市場の基盤が徐々に整いつつある段階にあり、トレンド転換には、さらなる出来高の拡大と新規資金の流入が不可欠だとレポートは締めくくっている。

関連:「ビットコインの次のターゲットは74000ドル超」ウィンターミュートが短期相場を分析

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/10 月曜日
15:50
英当局、金トークン化で大手銀行と協議=FT報道
英FCAとイングランド銀行が5月公表の文書で、トークン化した金を担保に使う検討に言及していた。FT報道によると、FCAは大手銀行と個別協議を進め、数カ月以内に金に特化した規制方針を示す見通しだという。
15:17
CMEヘッジファンド、ビットコイン先物で稀な買い越しに=アナリスト
CryptoQuant CEOのKi Young Ju氏が10日、CME上のヘッジファンドがビットコイン先物でネットロングに転換したと指摘。ベーシス取引による構造的ショートが崩れた稀な動きで、強気転換のシグナルとして注目される。
13:51
米上場Empery Digital、1635BTCのビットコイン売却
米ナスダック上場のエンペリーデジタル(Empery Digital)が7月1日から8月6日にBTCを1,635BTC売却したと10-Qで開示。担保954BTCを除く非拘束BTCは325BTCまで減少し、6月末比76%減となった。AI事業への追加出資リスクも残る。
13:27
「クラリティー法不成立でも仮想通貨業界は前進可能」グレースケール分析
グレースケールは、クラリティー法が不成立でも仮想通貨市場の発展は続くと分析している。一方で法制度が整わなければ投資や起業が海外に流出するリスクを指摘した。9月の上院採決が最初の関門となる。
12:59
ビットコインの新規ウォレット数が過去一年で最高水準
ビットコイン自己管理型ウォレット「コールドカード」からの資金盗難を受けて、ビットコインの新規ウォレット作成数やアクティブウォレット数が急増している。
11:24
米納税者の仮想通貨申告、32%から56%にとどまる=研究
仮想通貨を保有する米国内納税者の申告率は32%から56%にとどまるとの推定も。米IRSは仲介業者による申告様式「1099-DA」提出を2025年分から義務化し、業者報告との不整合が税務調査の焦点になるとみられる。米CNBCが報じた。
10:31
サムスン電子、今年中にウォレットへステーブルコイン導入=報道
サムスン電子は今年中、一部国でウォレットへステーブルコインの口座開設・海外送金・決済機能を導入すると表明。米サンドマークの取材に書面で回答し、7月のGalaxy Unpacked構想に初めて導入時期を示した。既存機能との違いも解説する。
09:37
ビットコインBIP-110分岐、セイラー氏「フォークに意味なし」
仮想通貨ビットコインは8日、「BIP-110」を支持するチェーンが少数派で分岐した。「BIP-110」への賛成はわずか2.5%にとどまり、大半の採掘者は既存ルールを支持している。
08:34
RWA取引高、無期限先物DEXで7月過去最高=CryptoRank
クリプトランクの調査によると、無期限先物DEXでの7月のRWA取引高が月間約1,410億ドルの過去最高を記録。前月比約19.5%増で、株式の比率が51.1%に上昇したという。年初来の伸びと注目材料を整理する。
07:50
キャシー・ウッドCEO、米雇用統計後も強気 ビットコインへ期待表明
アークインベストのキャシー・ウッドCEOが8月9日、雇用統計を受けても景気認識は強気と表明。デフレ懸念やドル指数、原油安を指摘し、ビットコインとステーブルコインをエージェント商取引の受益者に挙げた。
08/09 日曜日
11:30
ビットコイン1020万円台で上げ渋り、CPIと利上げ観測が焦点|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン(BTC)は対円で1020万円台に持ち直すも上げ渋りが続く。米CPIと利上げ観測、中東情勢を巡る原油動向が目先の相場の方向感を左右する。
09:25
週刊仮想通貨ニュース(8/7)|スペースX決算・相場分析・金融庁の規制対応のまとめ
今週は、スペースXの上場後初の四半期決算、アーサー・ヘイズ氏やクリプトクアントなどによる仮想通貨ビットコインなどの相場分析、金融庁の規制対応に関する記事が関心を集めた。
08/08 土曜日
14:00
ブラジル中銀、仮想通貨送金に最大24時間の遅延義務付け
ブラジル中銀は8月7日、詐欺対策として一部の仮想通貨送金を最大24時間遅延させる新規則を発表した。来年施行され、1万ドル超の海外仮想通貨企業や自己管理ウォレットへの送金が対象となる。
13:00
ロシア当局、ウクライナ発詐欺に関与した違法仮想通貨交換所を摘発 20人超拘束
ロシア当局がモスクワ・シティで違法な仮想通貨交換所9カ所を摘発し20人超を拘束した。ウクライナ拠点の詐欺で盗まれた資金の送金に利用されていた。
11:20
サークル、USDCとCCTPをXレイヤーに導入
ステーブルコイン発行企業サークルが、USDCと相互運用プロトコルCCTPをOKXのXレイヤーに導入したと発表した。仮想通貨取引所OKXの利用者はドル建て資産のクロスチェーン移動や分散型金融での活用が可能になる。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧