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GENIUS法案の影響など、ステーブルコインの「現在地」を示すデータを解説|a16z crypto

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GENIUS法案の影響は、ステーブルコインの「現在地」を示すデータを解説|a16z crypto
※本記事は、a16z cryptoの許諾を得てCoinPostに転載しています。

ステーブルコインはかつて、暗号資産(仮想通貨)取引所間でドルを移動するためのツールでした。やがて、使うより持ち続けるための貯蓄手段として認識されるようになりました。

しかし今、データは新たな局面を示しています。ステーブルコインが、決済の中核インフラになりつつあるのです。

本稿では、この傾向を裏付けるデータについて解説します。

1. 規制整備が市場成長を加速

ステーブルコインの歴史の大半において、規制上の不確実性が機関投資家の参入を制限してきました。しかし米国ではGENIUS法案の成立を経て、ステーブルコイン発行に関する規制面が大幅に整備され、状況が変わりました。

規制が市場のトレンドをゼロから作ったわけではありませんが、加速させたことは確かです。調整後の取引量はすでに大幅増加しており、2026年第1四半期には約4.5兆ドルに達しています。

欧州でも同様の動きが見られます。投資家保護や金融安定化を目的とした「MiCAフレームワーク」が2024年末に完全施行され、主要取引所がテザー(USDT)を上場廃止したことで非USDステーブルコインの取引量が一時的に急増。現在は月次150〜250億ドルという、MiCA導入前を上回る水準に安定しており、規制が新たな非USD市場を生み出した形となっています。

2. ステーブルコイン商取引が拡大

構造的に最も重要な変化は、ステーブルコインの「使われ方」です。2025年のC2C(個人間)取引件数は7億8,950万件と他のカテゴリを大きく凌駕しています。一方で成長速度という観点では、C2B(消費者向け商取引)が前年比128%増の2億8,460万件と最も急速に拡大しています。

Rain社が提供するステーブルコインカードプログラム(Etherfi Cash・Kastなど)の月次担保預入額は、2024年11月のほぼゼロから2026年初頭には月3億ドル超へと急拡大しました。ステーブルコインが日常の商取引に着実に浸透しつつある証左と言えます。

3. ステーブルコインの流通速度が加速

1ドル分のステーブルコインが、より高い頻度で動くようになっています。2024年初頭以降、流通速度(月次調整済み送金量÷流通供給量)は約2.6倍から6倍へと上昇しました。これは取引需要が新規発行を上回り、既存の供給がより活発に使われていることを意味します。単に残高が積み上がっているのではなく、実際に動いている。それが実需に支えられた決済ネットワークの証です。

4. 取引量に占める「本物の決済」が増加

取引・財務フロー・取引所内の機械的な動きを除いた純粋な決済額は、2025年だけで推計3,500〜5,500億ドルに達します。金額ベースではB2B取引が依然として最大ですが、C2C(個人間)や加盟店向け取引も急速に拡大しており、用途の多様化が進んでいます。

5. ステーブルコイン決済は特定地域に集中

地理的な偏りも鮮明です。ステーブルコイン決済の約3分の2はアジア(主にシンガポール・香港・日本)から発生しており、北米が約4分の1、欧州が約13%と続きます。ラテンアメリカとアフリカはいまだごくわずかにとどまっており、地域間の格差は大きい状況です。

6. クロスボーダーを超え、ローカル決済へ

非USDステーブルコインの台頭は、欧州だけの現象ではありません。ブラジルでは、レアル建てステーブルコイン「BRLA」の月次送金量が2023年初頭のゼロから2026年初頭には月4億ドル規模へと急成長しました。国内即時決済網PIXとの統合が普及を後押ししています。

さらに注目すべきは、用途の変化です。「ステーブルコイン=クロスボーダー決済ツール」という通説に反し、国内取引の比率は2024年初頭の約50%から2026年初頭には約75%へと上昇しています。グローバルなインフラの上で動きながら、実態はローカルな決済手段として根付いている。この逆説こそが、足元の普及を象徴しています。

まとめ:形が見え始めたインフラの輪郭

これらのデータを重ね合わせると、当初の予想とは異なる像が浮かびます。

「ステーブルコイン=クロスボーダー取引」という仮説は崩れ、ローカル決済での存在感が増しています。米ドルが圧倒的多数を占めながら、ユーロやレアル建てのステーブルコインも着実に台頭しています。件数ではP2P送金が最多でも、日常商取引への利用が急速に広がっています。

A16Z CRYPTO

a16z cryptoは、暗号資産・Web3領域に特化した米大手ベンチャーキャピタル Andreessen Horowitzのクリプト部門です。

プロトコル・インフラ・アプリケーション層への投資に加え、政策提言・リサーチ・教育コンテンツを通じて業界の発展に取り組んでいます。

【注意事項】
本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘・法的・税務上のアドバイスを構成するものではありません。暗号資産への投資はご自身の判断と責任において行ってください。本記事で言及される数値・データは各種公開情報に基づきますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。

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