CoinPostで今最も読まれています

S&Pダウ・ジョーンズが分析、ビットコインとゴールドの共通点と違い

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「ゴールドとビットコインの共通点は拡大中」

世界最大の金融指数プロバイダーS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(以下S&P DJI)が金(ゴールド)と暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を比較する記事を公式ブログに投稿した。

ビットコインの最近の値動きは、既存の価値保存手段と比べて放物線状になっていると指摘しつつ、S&P DJIのコモディティ・実物資産アソシエイトディレクターJim Wiederhold氏はまずBTCとゴールドの類似点に触れる。

最近、2つの資産間の共通点が拡大している。ビットコインと金はどちらも希少であると見なされ、従来の金融市場の外で保持される可能性があり、大量の貨幣増刷と法定通貨の価値下落によって左右されない価値を持つ。

大手資産運用会社を含め、市場参加者は両方を魅力的なインフレヘッジ(物価の上昇により相対的に通貨の価値が減少するリスクを回避すること)と見ているようだ。

さらに、ゴールドとビットコインは他の一般的な資産クラスと相関性が低いため、ポートフォリオの分散効果があると続けた。

ビットコインとゴールドの違いは?

一方で、ゴールドとビットコインの違いは、まず明白なものとして、ビットコインの高いボラティリティ(価格変動性)が挙げられるという。BTCのボラティリティは、コロナ禍で乱高下した原油先物を除けば、他の資産クラスよりも数倍高い。例えば過去五年間でビットコインのボラティリティは85.4%であり、ゴールドの13.2%およびS&P500の15.3%を大幅に上回った。

出典元:S&P Dow Jones Indices

またその他の面を見れば、ゴールドは物理的な資産だが、ビットコインはデジタル資産であり、ゴールドは宝飾品や産業用金属にも使える点、トレードについてゴールドは2,700年以上の歴史があるが、ビットコインはまだ11年間と非常に新しい点などを挙げている。

さらにどちらも希少性があるものの、ビットコインには2,100万の採掘上限が定められている。

S&P DJIによれば現在のところゴールドは「既に採掘されたものと、確定埋蔵量を合わせて25万5千トン以上」存在しており、「現在価格で17兆ドル(約1760兆円)に相当」するという。

一方ビットコインは、「将来に渡って2,100万BTCが上限、現在価格で0.6兆ドル(約62兆円)」となる。Chainalysisによると、現在の供給量の20%は、初期の投資家のパスワード紛失などにより回復不能と見積もられており、実際の供給量はさらに少なくなりそうだ。

Wiederhold氏は、ビットコインはまだ揺籃期であるためセキュリティでの問題を抱えていることにも言及。ビットコインの盗難リスクは数年前に広く懸念されていた。ビットコインが主流になるにつれて投資家の間でこうした心配は薄れつつあるものの、まだテクノロジーリスクや取引所に関するカウンターパーティリスク(取引相手の信用リスク)は残っているという。

まもなくグローバル仮想通貨インデックスを提供

S&P DJIは2020年12月、仮想通貨の指数を提供することを発表した。

市場がここ数年で発展していることによって、仮想通貨の指標や指数をベースにしたソリューションに投資家が関心を持っていると背景を説明している。

機関投資家向けのプライシングで知られる仮想通貨ソフトウェア・データ企業Lukkaが提供するデータに基づく、グローバルな仮想通貨インデックスで、S&P DJIによると、「信頼性が高くユーザーフレンドリーな仮想通貨ベンチマーク」がまもなく利用可能になる。

関連:S&Pダウ・ジョーンズ、仮想通貨の指標を提供へ

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。
12:00
世界最大の証券清算機関DTCC、チェーンリンク活用した「Smart NAV」を実験
世界最大の証券清算・保管機関DTCCは、チェーンリンクを活用した「Smart NAV」の実証実験を行った。JPモルガンなど金融大手10社が参加している。
11:10
Slash Fintech、暗号資産決済でVプリカ販売サービス開始 NFT特典も実施中
Slash FintechがVプリカ販売サービスを開始。暗号資産(仮想通貨)決済でVプリカ購入可能。特典としてSlash Genesis NFTをプレゼント。利用方法から使い方まで解説。
10:00
ブラックロックのビットコインETF、アナリストが高評価
ブラックロックの仮想通貨ビットコインETFの購入者数は記録的な数字であると、ブルームバーグのシニアアナリストが高評価。レポートが提出され、ビットコインETFのパフォーマンスを分析した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア