CoinPostで今最も読まれています

露裁判所、仮想通貨取引を行っていた顧客の銀行口座凍結を不適切と判断

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ロシア貯蓄銀行がユーザーの口座凍結

ロシアの裁判所が、大手銀Sberbank(ロシア貯蓄銀行)に、暗号資産(仮想通貨)取引を行っていた市民の口座に課されていた制限を不適切と判断、解除するように命じたことが分かった。

本件は、スベルドロフスク州に住むPavel Rと名乗る原告がロシア貯蓄銀行を被告として起こした裁判に関わるものである。

訴訟の経緯

経緯として、原告はロシア貯蓄銀行が発行した口座とカードを保有しており、リモートバンキングサービスも利用していた。2020年5月から8月にかけて、Pavel R氏は、他の個人から定期的にその口座に送金を受け取り、そのお金を引き出していた。

ロシア貯蓄銀行は8月、これらの取引を不審なものとみなし、マネーロンダリングに関与することを防ぐために、Pavel R氏の口座とカードを凍結した。また、同氏に対して、資金の出所や実行されている取引の意味を説明する書類の提出を求めた。

ロシア貯蓄銀行(Sberbank)

ロシアの最大手銀行。1841年にロシア皇帝のニコライ1世によって設立された貯蓄銀行を起源とし、ロシア国民の間で広く利用されている。

▶️仮想通貨用語集

これを受けてPavel R氏は必要な書類をすべて提出し、問題視された入金は同氏が仮想通貨取引所でビットコイン(BTC)を売却したことに関わるものであったことを説明。しかしその後も、ロシア貯蓄銀行は、Pavel R氏のカードやリモートバンキングサービスを凍結し続けていた。

このため、Pavel R氏は、同銀行の行為が法律に基づいておらず、消費者としての権利を侵害していると考え、サービスの再開や、精神的に負った損害の補償を求めて、裁判を起こした格好だ。

第一審では、この請求は裁判所の判決により棄却されたが、Pavel R氏は地方裁判所に控訴。その結果、第二審では訴えの大部分が認められた。

スベルドロフスク地方裁判所は、銀行がサービスを停止したこと自体は法的根拠があったとしたが、原告が事情を説明した後も、停止を続けたことについては不適切だったとしている。該当する取引が行われた時点で、仮想通貨売買は法的な規制の対象とされていなかったが、禁止もされていなかったことも背景だった。

裁判所はロシア貯蓄銀行に、Pavel氏のオンラインサービスへのアクセスを回復し、カードと口座の凍結を解除するよう命じた。同銀行は、原告の訴訟費用についても支払う義務がある。精神的損害の請求については却下された。

デジタル資産関連法は1月より施行

ロシアでは2021年1月よりデジタル資産関連法(On Digital Financial Assets:DFA)が施行され、仮想通貨は財産の一種とみなされ、売買も正式に許可された。ただ、サービスや商品の決済手段としてデジタル通貨を使用することは禁止されている。また公務員による仮想通貨所有も、腐敗防止のために禁じられた。

関連露プーチン大統領、仮想通貨含むデジタル資産の不正利用に注意を喚起

消極姿勢を維持するロシア中銀

一方、ロシア中央銀行は、依然として仮想通貨に対して消極的な姿勢を示している。7月には、国内の証券取引所に対して、仮想通貨関連の企業を上場しないよう勧告した。

仮想通貨のボラティリティ(価格変動)の大きさや、価格の不透明さ、技術や規制面でのリスクを挙げており、「多くの投資家がこうした商品を購入することを予防するもの」だと説明。なお、ロシアの法律に基づいて発行されたデジタル資産には、制限は適用されないとしている。

こうしたロシア政府が承認する仮想通貨の一例としては、ロシア貯蓄銀行が計画している、独自のステーブルコインSbercoinが考えられる。ロシア貯蓄銀行はこのデジタル通貨のプラットフォームを構築することについてロシア中銀に申請しているところだ。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。
12:00
世界最大の証券清算機関DTCC、チェーンリンク活用した「Smart NAV」を実験
世界最大の証券清算・保管機関DTCCは、チェーンリンクを活用した「Smart NAV」の実証実験を行った。JPモルガンなど金融大手10社が参加している。
11:10
Slash Fintech、暗号資産決済でVプリカ販売サービス開始 NFT特典も実施中
Slash FintechがVプリカ販売サービスを開始。暗号資産(仮想通貨)決済でVプリカ購入可能。特典としてSlash Genesis NFTをプレゼント。利用方法から使い方まで解説。
10:00
ブラックロックのビットコインETF、アナリストが高評価
ブラックロックの仮想通貨ビットコインETFの購入者数は記録的な数字であると、ブルームバーグのシニアアナリストが高評価。レポートが提出され、ビットコインETFのパフォーマンスを分析した。
09:30
SECの仮想通貨保管ガイドライン覆す決議案、米両院で可決
米連邦議会上院は、下院に続き、SECが発行した仮想通貨の保管に関する会計公報を覆す決議案を可決した。議員やSECがコメントを発表している。
08:35
TON基盤の「Notcoin」、800億トークンをエアドロップ
仮想通貨NOTトークンはエアドロップの実施に際しBybitやOKX、バイナンスに新規上場した。現在0.0075ドルで取引されている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア