CoinPostで今最も読まれています

7月米FOMC、ステーブルコインに関する金融の脆弱性など指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコインのリスクに言及

7月27日から28日にかけて開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で、暗号資産(仮想通貨)やステーブルコインがもたらすリスクについても発言が行われたことが分かった。

連邦公開市場委員会(FOMC)

「Federal Open Market Committee」の略で、米国の「連邦公開市場委員会」のこと。米国の金融政策の1つである公開市場操作の方針を決める最高意思決定機関。政策金利や国債買いなどの方針を決める委員会で、方針の内容が市場の予想と異なった場合などに株価や為替レートが大きく変動することがあるため、投資家はFOMCの発表に注目している。FOMCの定期的な会合は、年8回開催される。

▶️仮想通貨用語集

規制枠組みの構築を求める声

FOMCでは「経済見通しに関する不確実性とリスク」についても議論が行われた。議事録には「参加者の中には、仮想通貨の使用拡大に伴うリスク」を挙げた人もいたとして、次のように記録されている。

参加者の一部は、ステーブルコインに関連する金融の脆弱性と一般的な透明性の欠如を強調。それらを注意深く監視することの重要性と、それらが金融の安定性にもたらすリスクに対処するため、適切な規制枠組みを構築する必要があると指摘した。

また、「金融システムの安定性」について話し合う際にも、ステーブルコインが言及された。

議事録には「ステーブルコインのような新しい金融商品は成熟度が高まっているが、流動性に関する脆弱性を持つ。一方で、透明性が低く、規制の枠組みが未整備である。」と記録されている。

FRBのジェローム・パウエル議長も、7月に米議会の公聴会でステーブルコインに対する懸念を表明した。

議長は「米国には、国民のお金を安全性の高い資産として維持するという伝統がある」としつつ「ステーブルコインにはそれがない」と述べた。続けて「もし、ステーブルコインが決済の世界で重要な役割を果たすのであれば、適切な規制枠組みが必要だが、率直に言って私たちは現在それを持っていない」と発言している。

金融政策に対する影響を懸念か

FRBがステーブルコインを警戒している理由の一つとしては、通貨をコントロールする力が弱まることへの懸念もあると指摘されている。

ラトガース大学の経済学者Michael Bordo教授はFacebook主導のステーブルコイン「ディエム」について次のように話した。

一般市民が中央銀行の法定通貨よりも、民間のステーブルコインを使用するようになれば、FRBが通貨供給量をコントロールすること、つまりは金融政策を実施することが難しくなるだろう。

FRB理事の中には、ステーブルコインに肯定的な見方を示す者もいる。Christopher Waller(クリストファー・ウォラー)理事は、米ドルに固定されたコインの場合には、むしろ米ドルに対する金融政策の効果を増幅させると意見した。

関連米FRB理事、デジタルドル発行の必要性に異論唱える

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。
12:00
世界最大の証券清算機関DTCC、チェーンリンク活用した「Smart NAV」を実験
世界最大の証券清算・保管機関DTCCは、チェーンリンクを活用した「Smart NAV」の実証実験を行った。JPモルガンなど金融大手10社が参加している。
11:10
Slash Fintech、暗号資産決済でVプリカ販売サービス開始 NFT特典も実施中
Slash FintechがVプリカ販売サービスを開始。暗号資産(仮想通貨)決済でVプリカ購入可能。特典としてSlash Genesis NFTをプレゼント。利用方法から使い方まで解説。
10:00
ブラックロックのビットコインETF、アナリストが高評価
ブラックロックの仮想通貨ビットコインETFの購入者数は記録的な数字であると、ブルームバーグのシニアアナリストが高評価。レポートが提出され、ビットコインETFのパフォーマンスを分析した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア