CoinPostで今最も読まれています

金融庁が2021年度の金融行政方針を公開、仮想通貨交換業やNFT・IEO事業にも言及

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨に関する方針は?

金融庁は8月31日、「2021事務年度 金融行政方針 コロナを乗り越え、活力ある経済社会を実現する金融システムの構築へ」と題するレポートを公開した。

2021年度における金融行政の方針が記載されており、暗号資産(仮想通貨)やNFT(非代替性トークン)、IEOに関する言及も見られた。

関連:非代替性トークンNFTとは|主な特徴と将来性を解説

NFTとは

「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。

▶️仮想通貨用語集

仮想通貨交換業に関する計画

仮想通貨交換業における2020年度の実績としては、サイバーセキュリティ水準を向上させるため、サイバーセキュリティ演習に参加したことを挙げ、業界全体で「インシデント発生時における顧客資産の保護に対する全社的な意識付けや、対応手順等の整備が進んでいること」を確認したという。また、同事業者に対しては、仮想通貨デリバティブ取引も含め、想定されるリスクを把握した上で、登録審査・モニタリングを実施したと説明。

仮想通貨交換業に関する2021年度の作業計画については以下の4点を挙げた。

  1. ガバナンス・内部管理態勢などのモニタリングの継続的な実施、やサイバー演習などを通じたサイバーセキュリティ水準の向上
  2. 新規仮想通貨交換業の登録申請者に対する、迅速な登録審査および無登録事業者に対する厳正な対応
  3. 仮想通貨交換業者における新たなビジネスの展開を踏まえた、あるべきモニタリングの枠組みについての検討
  4. NFT関連事業やIEOなど、新たな業務の開始・検討を踏まえた、モニタリングしていくべき範囲や深度、着眼点を検討

2.に関しては、金融庁は5月、海外デリバティブ大手の仮想通貨取引所Bybitに対し無登録で仮想通貨交換業を行っているとして警告。6月には世界最大規模の仮想通貨取引所バイナンスに対し、無登録で日本国内の利用者を対象に仮想通貨の交換業を行っているとして、警告した。同取引所への警告は2018年3月以来、2度目となる。

関連:仮想通貨取引所バイナンス 各国政府の警告・金融機関のサービス停止事例まとめ

現状、無登録業者に対して警告以外の措置は取っていないが、「厳正な対応」と記載されていることから、今後法的措置などがとられることも想定される。

4.についてはコインチェックやLINE、GMOコインなどの取引所・および運営企業がNFTマーケットプレイスをローンチしており、その他、ビットポイントやメルコイン、楽天なども参入を検討・表明していること、コインチェックが今夏、IEO(Initial Exchange Offering)のサービスを提供開始したことなどが背景にあると思われる。

金融庁は7月に「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」を設置することを発表しており、公表された資料ではNFTを意識したものとも受け取れる記載があり、マネロンに利用される懸念があるとし、規制される可能性が示唆されていた。

関連:金融庁、仮想通貨や分散型金融に関する研究会を発足 NFTも規制対象か

また、国際的な議論・連携という項目では、2020年度の実績として、金融庁が共同議長を務めるFATF(金融活動作業部会)コンタクト・グループにおいて、仮想通貨に関するFATF基準のグローバルな実施状況とその課題に関する報告書「暗号資産及び暗号資産交換業者に対するリスクベースアプローチに関するガイダンス」改訂市中協議案のとりまとめを主導したと説明。

2021年度の作業計画については、前述の報告書の改訂案の最終化など、金融庁が共同議長を務めるコンタクト・グループ関係の作業を中心に、リーダーシップを発揮するとした。

その他(DeFi・CBDCなど)の計画

その他、DeFi(分散型金融)やJPYC株式会社が発行している、「1JPYC=1円」で取引される日本円デジタルコイン「JPYC」などをはじめとした前払式支払手段発行業などについても言及されている。

それぞれ「健全な発展に向けて、BGINの活動への積極的な貢献やブロックチェーン国際共同研究プロジェクト等の取組みを継続する」、「利用者の資金移動業と前払式支払手段発行業の誤認のリスクなど、一体的なサービス特有のリスクにも応じたモニタリングを行う」とした。

CBDCについては、日銀は4月から実証実験を開始しており、これを第一段階として位置付けているが、今後の作業計画について金融庁は以下のように説明した。

実証実験から得られる知見や、連絡協議会での民間事業者等との議論も踏まえながら、財務省・日本銀行と連携しつつ、制度設計の大枠の整理の検討等に貢献していく。また、G7において2021年後半の公表を目指し作業が行われている共通の原則策定に貢献する。

第一段階では、日銀は民間企業との連携を図っていくとしていたが、金融庁や財務省も連携して制度設計の大枠の整理に関わっていくことがわかった。

関連:日銀、デジタル通貨に関するレポートを公開:CBDCの国際間決済に言及

なお、第一段階は約1年かけて行われ、その結果を踏まえたうえで、次の実現可能性を検証する第二段階に移行する予定となっている。第二段階を終えた上でさらに必要な場合には、民間事業者や消費者が参加するパイロット実験を行う可能性もあると日銀は説明している。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/14 火曜日
06:40
エルサルバドル、ビットコイン保有の追跡サイトを公開
同国は現在5,749.76 BTCの仮想通貨ビットコインを保有しており、565億円に相当する金額だ。
06:20
GameStop株やミームコインが暴騰
仮想通貨市場では「GMCIミーム指数」は、301.1で7.67%上昇。GMEミームトークンは前日比で1,200%以上高騰した。
05/13 月曜日
15:05
リップルCEO「米国政府は、ステーブルコインUSDT発行企業のテザー社を標的にしている」
リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOはインタビューで、米国政府がステーブルコインUSDTの発行企業テザーに監視の目を強めていることを注視していると語った。
14:32
ユニスワップ創設者ら、SECの仮想通貨規制はバイデンの大統領選に悪影響と指摘
ユニスワップの創設者らは仮想通貨業界に対する米SECの姿勢を批判し、大統領選で現職バイデン氏の再選に不利になる可能性を示唆した。
12:18
JPモルガン、ビットコイン現物ETFの保有が明らかに
米JPモルガンはSECへ提出した書類の中で複数社のビットコイン現物ETFへの投資を報告した。ダイモンCEOはBTCに対して懐疑的な姿勢を保っている。
12:17
冴えない動きの続くビットコイン、15日にCPI控え様子見基調
暗号資産(仮想通貨)相場では、15日にCPI(米消費者物価指数)を控える中、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)相場の様子見基調が強まっている。売り優勢の局面を打開できずにいる。
05/12 日曜日
11:24
来週のビットコイン相場はPPIとCPIに注目、ネガティブならチャネル下限試すシナリオも|bitbankアナリスト寄稿
GW明けのビットコイン(BTC)相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|トランプ前大統領の異例発言に高い関心
今週は、米フランクリン・テンプルトンによる仮想通貨ソラナのレポート発表、ビットコインの累積トランザクション数の10億件到達、ドナルド・トランプ氏による異例の発言に関する記事が最も関心を集めた。
05/11 土曜日
15:00
ビットコイン上のステーブルコイン発行計画 Taproot Assetsのテストが進行
Lightning LabsのCEOエリザベス・スターク氏が、暗号資産(仮想通貨)ビットコインのブロックチェーンにステーブルコインを導入する新技術「Taproot Assetsプロトコル」について解説。ライトニングネットワークを使った即時、低手数料の国際取引が可能に。
14:00
「Friend.TechなどでBaseがイーサリアムL2を主導」フランクリン・テンプルトン分析
フランクリン・テンプルトンは、仮想通貨ブロックチェーン「Base」がFriend.Techなどソーシャルファイに牽引され、今後も代表的なイーサリアムL2であり続けると予想した。
12:45
日本代表団、スイスのDFINITY本部を訪れる
平将明氏および加納裕三氏を含む日本の代表団がDFINITY本部を訪問。DFINITYが推進するInternet Computerは、高速で広範なブロックチェーンベースのプラットフォームで、スマートコントラクトとデータシャーディングにより、効率的なWeb3アプリの開発を可能にする。
11:20
米SEC、コインベースの仮抗告を却下するよう申し立て
米SECは仮想通貨取引所コインベースとの裁判で新たな書類を提出。コインベースが証券性をめぐり求める仮抗告を退けるべきだと申し立てている。
10:00
著名投資家マーク・キューバン氏、SECゲンスラー委員長を批判
著名投資家マーク・キューバン氏は米大統領選挙で仮想通貨も争点の一つになると意見した。また米SECのゲンスラー委員長に批判を向けた。
09:00
米大手銀ウェルズ・ファーゴ、複数のビットコイン現物ETF銘柄を保有
ウェルズ・ファーゴを含むいくつかの金融大手はビットコインETFが1月にデビューしたのち、それらの取り扱いを開始した経緯がある。
08:00
米ARK、イーサリアム現物ETFの申請からステーキング要素取り除く
現在、5月中に仮想通貨イーサリアムの現物ETFが承認される期待はすでに大幅に後退。専門家らはその可能性を2ヶ月前の約70%から25%に引き下げた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア