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日銀、デジタル通貨に関するレポートを公開:CBDCの国際間決済に言及

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

CBDCに言及

日本銀行は25日、「デジタル通貨に関連する情報技術の標準化」と題するレポートを公開。デジタル通貨の国際標準化について解説する中で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)について言及している。

国際間決済の条件とは

本レポートではまず、CBDCについて「民間銀行が中央銀行に保有する当座預金とは異なる、新たな形態の電子的な中央銀行マネー」と定義し、次のように記述されている。

日本銀行としては、現時点でCBDCを発行する計画はないが、決済システム全体の安定性と効率性を確保する観点から、今後の様々な環境変化に的確に対応できるよう、しっかり準備しておくことが重要と考えている。

日銀は4月からCBDCの実証実験を開始しているが、発行する計画はないとの姿勢を繰り返し表明しており、今回も改めてその立場を強調した格好だ。

関連:日銀、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験を開始

「デジタル通貨における標準化の意義」という節では、ブロックチェーンや分散型台帳技術を用いたステーブルコインなど、民間主体が発行する新たなデジタル通貨やCBDCを検討する上で、以下の3点が重要である説明している。

  1. 相互運用性の確保──複数のデジタル通貨のプラットフォーム間をつなぐ「共通の言語体系」を構築することが効果的
  2. 信頼性の確保──強固な情報セキュリティ技術(暗号化方式、デジタル署名方式等)を採用することが不可欠
  3. 専門的知見の集約・活用手段──高度な機能性・利便性を備えるためには各方面の専門的な知見を結集する必要がある

世界規模のステーブルコイン構想が出てきたことなどの影響で、より便利な決済手段を望む声が強まっていることを受け、G20などでは、複数の国のCBDCを相互に交換できるようにするような構想が出ていることに言及。CBDCを国際間決済に用いることを想定した場合には上記の「相互運用性の確保」「信頼性の確保」は極めて重要であると強調した。

各国の中央銀行と連携も

2020年10月に、日銀も含む主要な中央銀行によるグループは、「中央銀行デジタル通貨:基本的な原則と特性」という報告書を発表。これには日銀の他、カナダ銀行、イングランド銀行、欧州中央銀行、米連邦準備制度、スウェーデン・リクスバンク、スイス国民銀行という7つの中央銀行と、BISI(国際決済銀行)が参加していた。

当時の報告書では、将来に発行されるすべてのCBDCが備えるべき基本的特性をまとめるなどしているが、現在も他の中央銀行との連携をはかりながら課題に対する検討を精力的に進めていると明かした。さらに、中央銀行間で連携しながら相互運用性の確保に取り組むことにより、将来日銀がCBDCを発行することになった際に「ネットワーク効果を通じた付加価値を新たに得ることができる」と展望している。

デジタル円の今後

日銀は4月に始まった実証実験を第一段階として位置付けており、民間企業との連携を図っていくという。

内容としては、取引履歴を記録するための台帳をシステム上に構築するなどし、デジタル通貨の発行・流通における基本機能を確認していくというもの。第一段階は一年ほどの時間をかけて行われ、その結果を踏まえたうえで、次の実現可能性を検証する第二段階に移行する構えだ。

具体的には、資金洗浄対策や、デジタル通貨の流通が金融システムへ与える影響の面から「保有上限・利用上限の設定」を検証すること、民間システムや日銀ネットなど「外部システムとの接続」を検証することを優先したいという。日本銀行金融ネットワークシステム(日銀ネット)とは、日銀と取引先金融機関との間で資金や国債の決済をオンライン処理するネットワークのことだ。

第二段階を終えた上でさらに必要な場合には、民間事業者や消費者が参加するパイロット実験を行う可能性もあるという。

関連:「デジタル円」の今後、日銀決済機構局長の見解は=ブルームバーグ

一方で、日銀元決済機構局長の山岡浩巳氏は、CBDC導入には様々な課題があるため準備に数年かかるとの見解を示しており、日銀決済機構局長の神山一成氏も発行の難しさを指摘している。

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