CoinPostで今最も読まれています

「デジタル円」の今後、日銀決済機構局長の見解は=ブルームバーグ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル円の取り組みをどう進めていくか

デジタル円をめぐる取り組みについて、日本銀行の神山一成決済機構局長がブルームバーグのインタビューに答えて今後の方針を語った。

段階を踏んだ実証実験

日本銀行は4月より2022年3月までの1年間で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)実証実験の第一段階を実施することを発表している。この段階では、発行、還収、流通などの基本機能を試す。

基本機能をテストした上で、そこに追加機能を付与するのが実験の第二段階となる。

具体的には、資金洗浄対策や、デジタル通貨の流通が金融システムへ与える影響の面から「保有上限・利用上限の設定」を検証すること、民間システムや日銀ネットなど「外部システムとの接続」を検証することを優先したいという。日本銀行金融ネットワークシステム(日銀ネット)とは、日銀と取引先金融機関との間で資金や国債の決済をオンライン処理するネットワークのことだ。

なお、オフライン機能については、電力の途切れた災害時には現金が使えるという意見もあるため、最初から導入するかは分からないと述べる。

第二段階を終えた上でさらに必要な場合には、民間事業者や消費者が参加するパイロット実験を行う可能性もあるとした。

民間事業者と協働

国民の支持を得ることについて神山氏は、デジタル通貨プロジェクトを進めるにあたっては「様々な人々との協働が必要」で、「日銀だけで発行は決められない」と説明。安全で効率的な決済サービスがすでに存在している先進国では、デジタル通貨導入のメリットやコストを示す必要があるとする。

現在すでに存在しているものを変えていくには国民からの理解が必要だと指摘する格好だ。

また、決済の基盤を提供するのは日銀である一方、ユーザーが必要なサービスを提供するのは民間事業者であるとして、民間の知見や技術を活用して、よりよいサービスを展開することに期待をみせた。

日本は遅れを取っているか?

さらに、「日銀はデジタル通貨について遅れを取っている」との意見もある状況については、そうした認識はないとしている。これまでに行っている取り組みとして、欧州中銀と日銀が分散型台帳を用いた金融システムの実験を行ったこと、また先進国の中央銀行によるCBDCの共同検討作業にも参加している経緯を挙げた。

2020年10月に、日銀も含む主要な中央銀行によるグループは、「中央銀行デジタル通貨:基本的な原則と特性」という報告書を発表している。

これには日銀の他、カナダ銀行、イングランド銀行、欧州中央銀行、米連邦準備制度、スウェーデン・リクスバンク、スイス国民銀行という7つの中央銀行と、国際決済銀行が参加していた。

報告書は、将来に発行されるすべてのCBDCが備えるべき基本的特性を以下のように提案している。

  • 運用が完全であるための、強靭性と安全性
  • 利便性、ユーザーが非常に低いコストまたは無料で利用できること
  • 適切なルールや明確な法的枠組みの存在
  • 民間セクターが役割を果たし、競争やイノベーションが促進されること

また、中国のデジタル人民元が、開発において先行していることについて神山氏は「ドルが基軸通貨である状況は簡単には変わらない」と指摘。価値の保存手段としては「資本移動が制限されていない通貨でないと安心して利用できない」と自身の見解を述べた。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア