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豪政府、仮想通貨規制の明確化に本腰

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

財務省が諮問文書を公開

オーストラリア財務省は21日、暗号資産(仮想通貨)サービス事業者に対するライセンス制度およびカストディ要件に関する諮問文書を発表。5月27日まで、業界や一般からのフィードバックを募集している。また、豪政府は今年末までに仮想通貨の分類を完了する予定だが、その参考とするため、トークンの種類に関する意見も同時に求めている。

この諮問文書の公開と意見募集は、豪政府による仮想通貨の規制明確化のための第一段階に位置づけられている。ジョシュ・フライデンバーグ財務大臣は昨年12月、包括的な決済システム改革の一環として、仮想通貨ライセンス制度の導入を示唆。業界との協議を開始する意向を明らかにしていた。

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同文書の公開にあたり、ジェーン・ヒューム デジタル経済担当大臣は、消費者が仮想通貨取引で取引所を信頼できる体制の構築に取り組んでいると、次のように述べた。

政府は、絵画や企業の株式を保証することができないように、仮想通貨を保証することもできない。また、そうすべきでもない。しかし、取引所やカストディ会社、ブローカーなど、オーストラリアで仮想通貨エコシステムに従事する事業者が、より優れ、より安全でより堅牢な規制の枠組みの中で、運営することを確実にすることは可能だ。

仮想通貨二次サービスプロバイダーを規制

財務省は「最も適切な規制対象」は、投資家や消費者にサービスを提供している、取引所やディーラー、ブローカーなどの「仮想通貨二次サービスプロバイダー」(CASSPrs)であると主張。今回、提案されたライセンス制度は、秘密鍵の保管や仮想通貨サービス事業を運営する責任者の適性などを含む、最低限の行動基準の枠組みを提供するものだとしている。

その結果、「規制が明確化され、消費者と企業の双方に信頼がもたらされる」ため、国内の仮想通貨エコシステムへの投資とイノベーションが促進されると文書はまとめている。

仮想通貨規制の原則

文書では、仮想通貨規制の基盤となる二つの原則を提示している。

  1. 製品やサービスは、もたらされるリスクの可能性に応じて規制されるべきである
  2. 規制は技術に対し中立であるべき。技術を見通すことで、そのリスクに基づいた一貫した規制の適用を目指すべきである。

この原則を踏まえると、ある技術の使用または資産のトークン化は、自動的にその規制上の取り扱いを決定するものではないと、財務省は主張。そして、基礎となる商品、サービス、資産に既に提供されている制度が、「現実的な範囲で」対象となる仮想通貨にも適用されるべきだと述べた。

財務省は、「リスクに基づく一方で技術にとらわれないアプローチ」で、今年度末までに仮想通貨を分類した「トークン・マップ」を完了する予定。より現実に即した仮想通貨規制の基盤になると期待されている。

FTXが現地法人設立

豪政府はオーストラリアと世界経済における仮想通貨エコシステムの重要性が増しており、「イノベーションと競争を促進するためには規制の確実性が必要である」との認識を示している。

同政府による仮想通貨と親和性の高い規制の取り組みが明らかになる中、大手仮想通貨取引所FTXは21日、オーストラリアに現地法人を設立すると発表した。拠点は同国最大の人口を誇るシドニーに置かれる。

FTXは現地の金融サービス・ライセンスを取得。オプション、先物、差金決済取引(CFD)などのデリバティブ商品を提供する予定だという。

財務省によると、オーストラリアではこの3年間で80万人以上が仮想通貨取引を行い、昨年は前年比で63%の増加となった。

FTX

FTXとは、「SBF」の通称で知られるサム・バンクマン・フリード氏が最高経営責任者を務める仮想通貨取引所。主にデリバティブを提供する取引所で、出来高はバイナンスに次ぐ規模だ。最近は、米プロeスポーツ組織「TSM」の命名権を獲得するなど、積極的にプロモーションを行なっている。

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