CoinPostで今最も読まれています

米、超党派の包括的仮想通貨法案を公開 業界も歓迎

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米政府の大きな前進

作業中の草案がネット上に拡散され、完成版の発表が待たれていた米国の包括的な暗号資産(仮想通貨)法案が7日に公開され、業界内外から大きな注目を集めている。

本日、私はギリブランド上院議員とともに、「責任ある金融革新法案」を提出する。米国は世界の金融リーダーであり、クリプトという新たな最先端領域で主導的な役割を果たすことは非常に重要だ。

関連:米国の「包括的な仮想通貨(デジタル資産)法案」、発表は6月7日になる見込み

この法案は、仮想通貨推進派として知られるシンシア・ルミス米上院議員(共和党、ワイオミング州)と民主党のカースティン・ギリブランド議員(ニューヨーク州)が、数ヶ月にわたり、超党派で作成に取り組んできたもの。

69ページに及ぶ「責任ある金融革新法案」は、仮想通貨規制の枠組みの土台となるもので、仮想通貨の定義と分類から始まり、課税のアプローチ、証券、商品、決済分野及び金融機関の刷新、消費者保護、省庁間の連携などについて網羅している。

仮想通貨業界からは、両議員の努力に対する賞賛の声が寄せられている。米ブロックチェーン協会は、同法案は「ワシントン(米政府)における仮想通貨業界の大きな前進だ」とコメント。デジタル商工会議所やデジタル資産市場協会なども支持を表明している。

また、コインベースやFTX、クラーケンなどの米大手仮想通貨取引所、分散型取引所Uniswap、P2P取引所のPaxfulからも法案を歓迎する声明が出された。

CFTCに監督権限を付与

法案作成者の一人であるルミス議員は、同法案が果たす中心的な役割として、(1)仮想通貨市場の監督担当機関と規制の明確化、(2)ステーブルコインに独自の枠組みを提供、(3)仮想通貨の既存の税法及び銀行法への統合をあげた。

仮想通貨とその規制に精通するジェイク・チェルビンスキー弁護士は、同法案の内容を「気に入った点がいくつもある」と大きく評価する中、最大のハイライトは、仮想通貨現物市場の規制権限を米商品先物取引委員会(CFTC)に付与すると定めた点だと述べた。

仮想通貨に対する厳格な規制を求めるゲーリー・ゲンスラー委員長が率いる証券取引委員会(SEC)に対し、CFTCは在任中に柔軟な仮想通貨規制を訴え「仮想通貨の父」(Crypto Dad)として業界から親しまれたChris Giancarlo氏を輩出した経緯がある。

法案では、ほとんどのデジタル資産は「証券よりも商品に近い」ため、CFTCが監督することが相応しいとしている。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などは「商品の定義を満たすデジタル資産」であるとし、この定義に当てはまる仮想通貨はCFTCが規制することになると明記した。

実行可能な課税

チェルビンスキー氏はまた、同法案で、昨年可決されたインフラ法案の「役に立たず、非常に悪質な」仮想通貨条項が修正される点を評価した。法案には「実行可能なデジタル資産課税の構造を構築する」と表記。インフラ法案における「ブローカー」の定義から、マイナーやバリデータが除外され、その報酬が現金化されるまでは所得と見做されないとした。

さらに、仮想通貨で支払う際の免税措置(200ドル以下は課税対象外)も設けられている。

しかし、この法案に関して最も重要な面は、政治的には両極端に位置するルミス議員とギリブランド議員が、「賢明な仮想通貨政策」に関しては協働しているという事実だと同氏は指摘。超党派で支持されることは、「仮想通貨の将来にとって、非常に明るい兆しだ」と述べた。

その他のポイント

「責任ある金融革新法案」の内容は多岐にわたるが、そのほかの注目点を下記にまとめた。

  • 仮想通貨の銘柄ごとに、商品か有価証券かの判断する仕組みの構築(SECとCFTCの管轄を明確化)
  • ステーブルコイン規制の確立:100%の準備金と内容の情報開示要件、銀行および信用組合による決済用ステーブルコイン発行や特別目的預託機関の設置も可能
  • 自主規制団体の設立についての調査・提案(CFTCとSECに義務づけ)
  • 政策立案者へのタイムリーな助言を行う諮問委員会の設置を義務づけ
  • 州当局と連邦政府機関が連携できる法的サンドボックス制度の導入
  • 仮想通貨企業のサイバーセキュリティに関するガイダンス・基準の策定(CFTCとSEC、財務省、国立標準技術研究所が連携)
  • 年金口座における仮想通貨運用に関する利点とリスクの調査
  • 中国のデジタル人民元に関する情報セキュリティ調査

関連日本政府、Web3の環境整備を本格化 骨太方針を閣議決定 

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/19 日曜日
12:00
ビットトレードのビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーン シバイヌなどが当たるチャンス
暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレードの特別企画。ビットコイン・ピザ・デーを記念して、シバイヌ(SHIB)やドージコイン(DOGE)も含む豪華景品が当たるラッキールーレットキャンペーンが開催される。2024年5月20日から24日までの期間限定。
11:30
オプション市場では6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中、翌週の展望は?|bitbankアナリスト寄稿
CPI発表後のテクニカル分析や6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中するオプション市場を踏まえ、bitbankのアナリスト長谷川氏がビットコインチャートを図解。今週の暗号資産(仮想通貨)相場考察と翌週の展望を探る。
11:00
週刊ニュース|金持ち父さん著者キヨサキ氏のBTC投資推奨に高い関心
今週は、金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏による仮想通貨ビットコイン・金・銀投資の推奨、ジャック・ドーシー氏のビットコインについての発言、GameStop株やミームコインの暴騰に関するニュースが最も関心を集めた。
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア