CoinPostで今最も読まれています

金融庁、日本暗号資産取引業協会に警告か=報道

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マネロン防止対応の遅れを懸念か

金融庁は昨年12月に日本暗号資産取引業協会(JVCEA)に警告を行ったことが明らかになった。フィナンシャルタイムズが報道した。

関係筋によると、金融庁は特にマネーロンダリング防止についての対応が遅れていることを懸念しており、マネロンについて、JVCEAの審議方法、意思決定のプロセス、現状の背景、役員の責任などが明確ではないと指摘した格好だ。

また、理事、事務局、会員事業者の間でコミュニケーションが不足しており、結果として組織運営がうまくいっていない点についても批判していたという。

JVCEA(一般社団法人日本暗号資産取引業協会)とは

暗号資産交換業、暗号資産関連デリバティブ取引業の自主規制団体。暗号資産交換業、暗号資産関連デリバティブ取引業の適切な運営・発展を促し、投資家を保護することを目的とする。資金決済法に基づく「認定資金決済事業者協会」と金融商品取引法に基づく「認定金融商品取引業協会」を兼ねている。

▶️仮想通貨用語集

ある関係筋は、事務局のスタッフは会員企業からの出向者ではなく「ほとんどが銀行や証券会社、政府省庁を退職した人たちで構成されている」と話した。「ブロックチェーンや仮想通貨を本当に理解している人がいないのはそのためだ」という。

JVCEA理事で明治大学教授の弥永真⽣氏は、「金融庁はマネーロンダリング対策規制の制定を推進してきたものの、業界の対応には時間がかかっている。そこで、金融庁は、マネロン対策を進めるよう非常に強く要請している」という趣旨で話した。

弥永氏は、JVCEAには迅速に対応するためのリソースが不足しており、さらに仮想通貨取引所は小規模な事業者でもあるため、「高度な対策を要求されても、対応するのは本当に難しい」とも続けている。

JVCEAは、金融庁の懸念に応えて改善を進めているとコメントした。

トラベルルールの導入

国際的なマネロン対策標準としては、金融活動作業部会(FATF)が定めたトラベルルールが存在している。JVCEAも、4月より自主規制規則によりこれを導入した。

トラベルルールとは

金融活動作業部会(FATF)が定めたマネーロンダリングの防止等を目的としたルール。暗号資産サービスプロバイダー(VASP)には取引の際、送金者と受取人の情報を収集・交換し、その情報の正確性を保証することが求められる。対象となるVASP間の仮想通貨送金で、国際的な本人確認(KYC)ルールが適用されることになる。

▶️仮想通貨用語集

JVCEA会員企業の利用者が仮想通貨送金を行う際、利用者はその受取人の氏名や受け取り側の仮想通貨企業名などを申告し、会員企業はそれを保存することなどが規定されている。この際、JVCEAは導入についての通知で次のように述べていた。

トラベルルールは世界的に見ても全く新しい規制であり、その実施に向けて技術的にも課題が多いので、協会は、金融庁からの要請を踏まえ、法改正に先立ち協会の自主規制規則においてトラベルルールを導入し、その課題を解決していくこととしました。

なお、トラベルルールのより本格的な施行は2022年10月1日が予定されている。

関連4月1日より導入の「トラベルルール」 国内仮想通貨取引所の対応まとめ

トラベルルール導入については、以前欧州の仮想通貨業界からも、「実施するための標準化された技術的ソリューション」が欠如しており、資金力のない中小の事業体が市場から排除されてしまうことを懸念する声が上がっていた。

なお、JVCEAは今年の3月に暗号資産の新規取扱(上場)審査プロセスの改善とグリーンリスト制度を導入し審査を効率化する取り組みを発表した。

関連JVCEA、国内の仮想通貨上場審査を大幅効率化へ 「グリーンリスト制度」など導入

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/19 日曜日
12:00
ビットトレードのビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーン シバイヌなどが当たるチャンス
暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレードの特別企画。ビットコイン・ピザ・デーを記念して、シバイヌ(SHIB)やドージコイン(DOGE)も含む豪華景品が当たるラッキールーレットキャンペーンが開催される。2024年5月20日から24日までの期間限定。
11:30
オプション市場では6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中、翌週の展望は?|bitbankアナリスト寄稿
CPI発表後のテクニカル分析や6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中するオプション市場を踏まえ、bitbankのアナリスト長谷川氏がビットコインチャートを図解。今週の暗号資産(仮想通貨)相場考察と翌週の展望を探る。
11:00
週刊ニュース|金持ち父さん著者キヨサキ氏のBTC投資推奨に高い関心
今週は、金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏による仮想通貨ビットコイン・金・銀投資の推奨、ジャック・ドーシー氏のビットコインについての発言、GameStop株やミームコインの暴騰に関するニュースが最も関心を集めた。
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア