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米コインベース、ステーブルコインUSDCへの乗り換えキャンペーン実施 USDTからUSDCへの交換手数料を無料に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

USDTからUSDCへの交換手数料無料

米国の大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは8日、ステーブルコイン「テザー(USDT)」から同「USDCoin(USDC)」への交換手数料をゼロにしたことを発表した。

対象は、世界各国(日本版コインベースを除く)の一般ユーザー向けモバイルアプリ上のコンバート機能(Coinbase Simple Trade)に限られ、販売価格に内包される手数料(スプレッド)も無料となる。なお、取引所や機関投資家向けプライムサービスなどは対象外だ。

USDCは時価総額2位(5.8兆円)のステーブルコイン。コインベースと米サークル社によって2018年に設立されたコンソーシアム「CENTRE」によって発行されている。10月にコインベースは法定通貨によるUSDCの購入手数料を無料に変更していた。

USDCの準備金は米国で認可された金融機関に保有される現金と3ヶ月の米国短期国債のみで構成されている。グラントソントン監査法人が毎月証明書を発行するなど、「透明性と信頼」の高さがUSDCのアピールポイントだ。

一方のUSDTの時価総額は8.9兆円でトップシェアを占めるものの、裏付け資産に対する懸念は長期に渡って継続している。米テザー社は四半期ごとに裏付け資産に関する情報を自主的に公開しているが、大手会計事務所による監査については準備段階であると、パオロ・アルドイノ最高技術責任者(CTO)はEuromoneyで語っていた(22年6月)。

コインベースは、「過去数週間のイベントにより、いくつかのステーブルコインが試練にさらされ、安全資産への逃避が見られた」と述べ、自社として信頼と評判の高いステーブルコインであると信じるUSDCへの切り替えを、スムーズに行えるようにしたと述べた。

法定通貨に裏付けられたステーブルコインは、ボラティリティの高い時期に顧客に安定性と信頼性を提供する。

関連:テザー社、USDT準備金に関する証拠提出命令について見解示す

コインベースへの批判も

22年に仮想通貨市場の弱気相場が長期化する中、アルゴリズム型ステーブルコイン「テラ(LUNA)」の崩壊、破綻したFTXへの預金に基づいて発行するソラナ(SOL)基盤の代替トークン(solBTC、solETH))のディペッグ(原資産からの乖離)を含め、市場全体で信用不安への警戒感が高まっている。なお、USDTは1ドルで取引されており、過去7日間に大幅なディペッグは見られない(CoinMarketCap調べ)。

USDTに限定した米コインベースのキャンペーンは、少なくない規模の仮想通貨市場関係者を刺激したようだ。ツイッターの告知には批判的な返答(リプライ)が見受けられる。

大手資産管理企業VanEckの戦略アドバイザーを務めるGabor Gurbacs氏は「USDTは世界初のステーブルコインとして、設立以来世界中の数百万人の人々に信頼されている。米国の多くの人々は、USDCよりもテザーを選ぶだろう」と述べている。

規制に遵守した米企業が発行するUSDCには、準備金とは別にDeFi(分散型金融)などで運用上のリスクがある。8月には米国財務省が仮想通貨ミキシングサービス「トルネードキャッシュ」を制裁対象者リストに指定したことを受けて、サークル社が同サービスに関連するアドレス上のUSDCを凍結。USDCの時価総額は7月のピーク値7.5兆円から縮小し続けた。

一方、USDTを発行するTether社は、トルネードキャッシュの関連アドレスを凍結しない方針を示している。

また、大手仮想通貨取引所バイナンスは9月初旬、ユーザーの流動性と資本効率向上を理由に、USDCを含む複数のステーブルコイン(USDTは対象外)を上場廃止にした。この際、顧客残高を自社ブランド「バイナンスUSD(BUSD)」に転換させる施策が功を奏し、BUSDの流通量は拡大し続けている。

関連:テザー社、トルネードキャッシュ関連アドレスの凍結を行わない方針

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