はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

テザー社、トルネードキャッシュ関連アドレスの凍結を行わない方針 トルネードキャッシュの制裁動向まとめも掲載

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「明確な指示があるまで凍結は行わない」

ステーブルコインUSDTなどを発行するテザー社は24日、米政府が制裁対象に指定したミキシングサービスTornado Cash(トルネードキャッシュ)について、関連アドレスの凍結を当面行わない方針を表明した。

テザー社は米外国資産管理局(OFAC)などの規制当局と頻繁に連絡を取っているが、これまでのところ、ステーブルコイン発行者に対して、制裁リストに挙げられた人物や団体に関連するアドレスを凍結するよう求める指示は受けていないと説明した。

テザー社は「流通市場のアドレスを法執行機関の指示なしに凍結することは、非常に破壊的で無謀な行動となる可能性がある」と指摘。同社は次のように説明した。

指示なしに凍結を行うと、当局が進めている調査を妨害する可能性もある。実際、法執行機関とのやり取りで、犯罪に関連している可能性のあるアドレスを知らされることがあるが、明確な指示なしにそのアドレスを凍結しないよう指導される。

なぜなら、凍結することで当局の調査がなされていると容疑者に警告することになり、不正資金の清算や放棄をさせ、さらなる追跡調査を難しくすることがあるからだ。

以上のことを踏まえて、テザー社は「米国当局の指示なしに行われたのであれば、USDコイン(USDC)がトルネードキャッシュのスマートコントラクトをブラックリスト化したのは時期尚早であった」とも続けている。

また、その他のステーブルコインPaxosや、DAIも、トルネードキャッシュ関連アドレスの凍結を行っていないことには「注目すべき」として言及した。

トルネードキャッシュとは

イーサリアム(ETH)のブロックチェーン上で動作し、取引を匿名化するミキシングサービス。ミキシングサービスとは、仮想通貨の取引データを複数混ぜ合わせることによって、仮想通貨の出所や保有者のアイデンティティを隠すサービスを指す。

▶️仮想通貨用語集

制裁指定により広がる波紋

米財務省外国資産管理局(OFAC)は8日、犯罪資金の洗浄に使われているとしてトルネードキャッシュを制裁対象に指定。

これを受けて、USDCの発行元である米サークル社は、制裁リストにあるアドレスをブラックリスト化した。アドレスの中にはトルネードキャッシュのUSDCプールも含まれており、トルネードキャッシュにUSDCを預けている者が資金を引き出せない可能性がある。

その他にも、分散型取引所dYdXでユーザーが自動的にブロックされる事例も発生。トルネードキャッシュを経由した仮想通貨を保有するウォレットが対象となり、同サービスで洗浄された資金を、それと知らず間接的に取得していたユーザーもブロックされるなど影響が広がった。

また、Balancer、UniswapなどのDeFiプラットフォームでもユーザーのブロックが確認されている。

関連Tornado Cash制裁措置の影響、dYdXでブロックユーザーが急増

DeFiレンディングプラットフォームAaveでも、トルネードキャッシュを利用したとみなされたユーザーが自動的にブロックされる事態が発生。Aaveは、「米国の制裁決定後にトルネードキャッシュと通信したウォレットを検出するという設定を行っていたが、この設定にミスがあった」と説明し、設定を調整した。

関連DeFi大手Aave、分散型の運営継続を強調 米国のTornado Cash制裁受け

さらに、オランダではトルネードキャッシュに関わったエンジニアが逮捕された。このエンジニアは資金洗浄などに直接関与せず、ただコードを書いただけの可能性もあり、アムステルダムでは抗議のデモが行われた。

AaveのStani Kulechov創設者も「プライバシー技術のコードを書いただけで逮捕されるのは行き過ぎている」とコメントしている。

関連オランダの捜査機関、Tornado Cash関与の開発者を逮捕 業界の反応は

米財務省によるトルネードキャッシュの制裁指定は、規制のあり方について新たに議論を巻き起こしている状況だ。仮想通貨支持派のTom Emmer米議員は、今回の動きについて疑問を投げかける書簡を米財務長官に提出した。

米シンクタンク「Coin Center(コインセンター)」も、制裁措置が違憲である可能性を指摘し、資産がロックされた無実の米国民が出金できるよう取り組んでいくとも方針を示している。

関連米政府のTornado Cash制裁、仮想通貨シンクタンクは違憲の可能性を指摘

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/04 金曜日
13:50
米上場アンバー・インターナショナル、約37億円調達で仮想通貨準備金戦略を加速
米上場のアンバー・インターナショナルが機関投資家から2550万ドルを調達し、1億ドルの仮想通貨リザーブ戦略を強化。パンテラ・キャピタルなど著名投資家が参加。
13:00
米ストラテジー社に集団訴訟 ビットコイン保有リスクを軽視と主張
米国でストラテジー社に対する集団訴訟が提起された。ビットコイン投資戦略を過大評価しリスクを軽視したと主張している。新会計規則適用後の損失計上が争点の一つになっている。
12:55
メタプラネット支援コンソーシアム、タイ上場企業買収でビットコイン戦略を東南アジアに拡大
メタプラネット支援者らが筆記るコンソーシアムがタイ上場企業DV8の買収計画を発表した。日本で成功したメタプラネットのビットコイントレジャリー戦略をタイで再現し、さらに東南アジアに展開する第一歩として注目される。
12:36
オルタナ信託、BOOSTRY・ALTERNAと連携しデジタル証券の管理体制を強化
デジタル証券特化の「オルタナ信託」設立。BOOSTRYとALTERNAが協業を深化し、STの取得から販売まで一貫した新たな枠組みを構築する。
11:35
米雇用統計好調でビットコイン一時11万ドル超、アーサー・ヘイズが下落リスクを警告する理由は?
米国6月雇用統計が予想を上回る14万7000人となり、ビットコインは一時11万500ドルまで上昇した。しかしBitMEX創業者アーサー・ヘイズ氏は、米財務省がステーブルコインを国債購入の受け皿として活用することで市場から流動性が奪われ、8月開催のジャクソンホール会議前に9万ドル水準へ下落すると予測した。
11:00
アルトコイン取引の増加傾向続く 仮想通貨OTCレポートが公開
Finery Marketsは、仮想通貨のOTC取引に関する2025年上半期のレポートを公開。ビットコインやイーサリアム、ステーブルコインの他にアルトコインの取引が増加傾向を継続していると指摘した。
10:35
「1兆ドル予測は楽観的すぎた」、 JPモルガン ステーブルコイン時価総額の2028年予測を下方修正=報道
JPモルガンはステーブルコイン市場の2028年予測を5000億ドルとし、他社の1-4兆ドル予測を否定。決済利用は6%に留まり、主用途は仮想通貨取引と指摘。
10:00
ビットコイン、クジラによる売却と機関投資家の需要が拮抗=報道
仮想通貨ビットコインの大口保有者が過去1年で50万BTCを売却する一方、機関投資家の需要増加により価格が膠着している。今後のビットコイン価格については様々な見解がみられる。
09:30
ロビンフッドCEO OpenAI株式トークン化を「革命の種」と表現も、提携否定で波紋広がる
ロビンフッドがOpenAI株式トークン化サービスを欧州で開始したが、OpenAIは提携を否定。テネフCEOは「トークン化革命」と強調するも、未上場株式の権利問題が浮き彫りに。
09:16
仮想通貨SEI、国内取引所OKJに新規上場へ
国内暗号資産取引所OKJが2025年7月8日からセイ(SEI)の取扱いを開始。ゴールドマンサックス・Robinhood出身者が開発した高速ブロックチェーンで、米国でETF申請も話題。入出庫は7月8日、売買は7月11日17時開始予定。
09:00
ビットコイン今年4度目11万ドル超え、株価相関強まり最高値更新も視野に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは3日に今年4度目となる一時11万ドル突破を記録した。7月3日から4日にかけて、トランプ政権の大きく美しい法案が可決されたことに加え、米雇用統計が底堅い推移を示したこと、さらにシンシア上院議員が暗号資産の減税法案を提出したことが追い風となった。
08:05
ETF購入減速でビットコイン価格上昇に陰りか、ETHは蓄積量が過去最高に=Cryptoquant分析
仮想通貨ビットコインETFとMSTR(ストラテジー)の購入は大幅減速、全体需要の縮小で価格上昇が鈍化。一方、イーサリアムは6月に蓄積アドレスが史上最高を記録、機関投資家による大量保有が続く。
07:45
米下院、7月14日の週を「仮想通貨週間」と指定 3つの主要法案を審議
米下院指導部が7月14日の週を「仮想通貨週間」に指定し、GENIUS法、CLARITY法、反CBDC監視国家法を審議すると発表。
07:25
IMF、パキスタンの仮想通貨採掘などへの補助金提供提案を却下
IMFは、パキスタン政府による仮想通貨マイニングなどのための電気代補助提案を却下。同国は、ビットコインのマイニングとAIのデータセンター向けに2,000MWの電力を割り当てる計画を発表している。
07:20
ビットコイン今後の価格、9.5万ドルまで下落の可能性も=アーサー・ヘイズ分析
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏は、8月のジャクソンホール会議まで市場が横ばいか軟調な展開を予想。TGA補充の影響でビットコインが9万~9.5万ドルまで下落する可能性があるという。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧