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米SEC、バイナンスUSのVoyager買収に異議申し立て

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

十分な情報開示を求めるSEC

米国証券取引委員会(SEC)は4日、暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスの米国部門バイナンスUSが、仮想通貨投資プラットフォームVoyager Digitalの資産買収に対する部分的な異議を提出した。

バイナンスUSは必要な情報開示を行っていないとする形だ。

バイナンスUSは昨年12月、チャプターイレブンで破産申請したVoyagerの資産を約1,400億円(10.2億ドル)で落札した。SECは、バイナンスが、この規模の取引を完了する能力を有しているかについて明らかにする必要があるとしている。

その他に、現在の書類では顧客資産を保護する方法や、仮想通貨ポートフォリオをどう再配分するかについての十分な詳細も説明されていないと指摘した。

SECは、すでにバイナンスUS側の弁護士にこうした懸念を伝えており、バイナンスUS側からは、次回の公聴会の前に、修正した開示書類を提出するとの返答を得ているとも述べた。

Voyagerは、5日の公聴会で、破産裁判所から資産売却の承認を求める予定である。

なお、バイナンスUSのBrian Shroder最高経営責任者(CEO)はVoyagerの落札について、「バイナンスUSは資産が負債を超えており、資金は十分にある」と述べていた。

売却の手続きが完了すれば、VoyagerのユーザーはバイナンスUSのプラットフォームから資金返済を受けられるとも説明している。

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米連邦破産法11条(チャプターイレブン)とは

日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。

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アラメダリサーチも買収に異議

4日には、FTXグループ企業のアラメダリサーチも、SECとは別の理由から、バイナンスによるVoyager資産買収に異議を唱える書類を破産裁判所に提出した。

FTXグループ側を代理する法律事務所Sullivan&Cromwellがこの書類を提出し、アラメダリサーチは、Voyagerの「実質的な株主」であると主張している。

アラメダリサーチは、Voyagerが破産申請する2週間弱前の2022年6月に、Voyagerに対して救済融資を行っていると指摘し、このことから同社の大株主であるといった事業関係を維持していると申し立てる形だ。

アラメダリサーチはVoyagerに約270億円(2億ドル)相当のステーブルコイン(USDC)と、1万5,000枚のビットコイン(BTC)を提供したが、Voyagerの破産時点で、まだ約100億円(7,500万ドル)相当のステーブルコインがアラメダリサーチに返済されていなかったとしている。

関連仮想通貨投資アプリVoyager、アラメダからつなぎ融資を確保

訴状は、Voyagerがバイナンスとの契約にあたって、特にアラメダリサーチがVoyagerに対して持っている請求権の扱いなどに関して、破産法の基本要件を無視していると述べている。

各州当局や管財人事務所も反対

バイナンスUSによるVoyager買収については、SECやアラメダリサーチの他、テキサス、ニュージャージー、バーモント、ニューヨークの各州証券・銀行規制当局も反対しているところだ。州当局は、VoyagerとバイナンスUSが州の法律を遵守していないことなどを理由として挙げた。

また、米司法省の米国管財人事務所も異議を唱え、「裁判所は、十分なデューデリジェンス(リスクの精査)の証拠も、利害関係者による公正な審議の機会もない状態で」、買収契約を承認してはならないとしている。

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