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バイナンスCZ氏、「資産証明」強化策など今年の展望語る

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昨年の達成と今年の展望

最大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOとプロダクト責任者マユール・カマット氏は15日、同社のプロダクト(製品)開発について2022年を振り返り、2023年の展望を示すライブストリーム配信を行った。

2022年の振り返り

まず2人は2022年について、主に顧客身元確認(KYC)プロセスの改善を取り上げた。それまでは、ほぼすべての国で同一のプロセスを採用していたが、2022年には現地のベンダーと協力して、それぞれの国や地域に特化したものへと変化させ、各国の規制および法的遵守を強化した形だ。

その他に、ユーザーがバイナンス公式やインフルエンサーが発信するニュースを閲覧できるBinance Feedを追加したことや、GoogleとAppleのアカウントによるログイン、生体認証の改善などを挙げている。

2023年の優先事項

2023年の展望については、ユーザー保護における信頼性と透明性やコンプライアンス(法的遵守)を優先事項とした。

マユール氏は、昨年開始した「資産証明(Proof of Reserves)」に続き、支払い能力の証明(Proof of Solvency)も実施するために、チームが連携して新しいソリューションを開発しているところだと話した。

Solvency(ソルベンシー)とは財務上の支払い能力のことで、一般的には総準備金残高が、その企業が有する負債の合計をカバーするのに十分であることで示されるものだ。

背景として、昨年破綻した大手仮想通貨取引所FTX破綻により、バイナンス含む中央集権型取引所全体への信頼が大きく揺らぎ、資産流出が相次いだことにある。バイナンスは、まずビットコイン(BTC)から資産証明を開始した。

ただ、開示方法が不完全だという指摘もある。例えば、クラーケンのジェシー・パウエルCEOは、「マイナス残高を有する顧客アカウントも評価に含める必要がある」として、バイナンスやCoinMarketCapなどの資産証明は、こうした負債を含めていないことが欠点だと述べた。

マユール氏が今後取り組んでいくとした「支払い能力の証明」は、こうした批判も念頭に置いて、資産証明をより強固なものにする試みと考えられる。

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法的遵守について、マユール氏は、製品チームが全面的に規制当局と協力し続けると述べており、CZ氏もこれを支持した。

メタバース参入は?

ライブストリームでマユール氏とCZ氏は、視聴者からの質問にも回答している。

例えば、「バイナンスが次に発表する主要製品は何か」という質問に対しては、資産証明と支払い証明に関するものや顧客身元確認(KYC)に関するものがあると答えた。他に、DeFi(分散型金融)についても、ユーザーがよりアクセスしやすくなるよう投資を続けるとしている。

さらに「バイナンスは独自のメタバースを構築する計画があるか。あるとすれば、BNBチェーンを使うか」という質問に対して、CZ氏は「もし仮に構築することがあればBNBチェーンを使う」としつつも、独自メタバースの構築可能性は今のところ低いことを示唆する発言を行った。

「バイナンスは現在のところゲーム開発を行っておらず、ゲーム構築チームも持っていないため、第三者のVR(仮想現実)やメタバースプロジェクトに投資することの方が現実的」だと述べる形だ。

これに関してマユール氏は、2023年には「バイナンスが支援するメタバース」が広がる可能性はあると話している。

メタバースとは

インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使い、様々な楽しみ方ができる。例えば、『The Sandbox』というゲーム内のメタバースでは、ボクセルアート制作ツールやゲーム制作ツールが提供されており、ユーザーはそのなかで自作のゲームや施設を作ることができる。

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