CoinPostで今最も読まれています

米Circle社、ステーブルコインUSDCのアービトラムサポートを発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

USDCがアービトラムをサポート

ステーブルコイン「USD Coin(USDC)」を発行する米Circle社は1日、アービトラムのサポートを開始することを発表した。イーサリアムのL2スケーリングソリューションであるアービトラム上で、USDCの正式版が6月8日から利用可能になる。

背景として、これまではイーサリアム上で発行されたUSDCが、アービトラムにブリッジされてDeFi(分散型金融)アプリケーションなどで利用されてきた。

今後はアービトラムネットワーク上でUSDCが直接発行される。これにより、裏付け資産の確保が約束され、いつでも1対1で米ドルと交換可能になる。また、Circle社のクロスチェーン転送プロトコル(CCTP)が適用され、スピーディなクロスチェーン送金も可能になる。

この変更により、既存のブリッジ版USDCは「USDC.e」に名称を変更し、新しく誕生するネイティブトークンが「USDC」という名称を引き継ぐことになる。アービトラムネットワーク上の流動性が「USDC.e」から新しい「USDC」へとシフトすることが期待されている。

関連:ビットコイン投資信託GBTCの「マイナス乖離」、反発の背景は

アービトラムとは

Optimistic Rollupという技術を活用したL2ソリューションを開発するプロジェクト。イーサリアムのブロックチェーンのセキュリティを活用しながら、トランザクションの一部をオフチェーンで処理することにより、ネットワークの混雑解消を図る。

▶️仮想通貨用語集

ステーブルコイン市場動向

CCTPとは、Circle社が開発した異なるブロックチェーン間でシームレスに資産を移動させるためのプロトコルで、「バーンアンドミント」方式を採用している。これは、転送元のブロックチェーンでUSDCを消滅(バーン)させ、転送先のブロックチェーンで新たにUSDCを生成(ミント)する手法だ。

現在、Circle社はイーサリアム(ETH)、アルゴランド(ALGO)、ソラナ(SOL)、ステラ(XLM)、トロン(TRX)、ヘデラハッシュグラフ(HBAR)、アバランチ(AVAX)、フロウ(FLOW)、ポリゴン(MATIC)の各ブロックチェーンにおいて、USDCの直接発行をサポートしている。

データサイトCoinGeckoによれば、USDCの時価総額は4,000億円で、ピーク時の7,600億円から大幅に減少している。USDCのステーブルコインとしての市場シェアも34.88%から23.05%に縮小した。主な要因は、米国で発生した銀行危機と米国の規制の不確実性の高まりによるものだ。

銀行危機とは、Circle社がUSDCの準備資産を預けていたSilicon Valley Bankを含む3つの暗号資産(仮想通貨)対応銀行が破綻や規制当局によって閉鎖された一連の出来事を指す。この事態により、一時的にUSDCの米ドルとの連動性(ペッグ)が失われ、これがUSDCへの信頼性を損ない、ユーザーの間でUSDCから他の安全と見なされる資産への退避行動が加速された。

また、CircleのCEO、Jeremy Allaire氏は、ブルームバーグTVのインタビューで、米国における仮想通貨に対する規制の不確実性の増大は世界的に大きな懸念となっていると指摘。2023年2月には、米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)から、米ドルステーブルコインである「バイナンス USD(BUSD)」の発行停止命令が出されたこともその一例だ。BUSDの市場シェアは過去1年間で11.68%から4.18%に急落した。

それとは対照的に、ステーブルコインテザー(USDT)は過去1年で47.04%から65.89%に市場シェアを急増させた。執筆時点にUSDTの時価総額は1兆1,500億円に達している。

関連:ビットコイン投資信託GBTCの「マイナス乖離」、反発の背景は

ステーブルコインとは

仮想通貨の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルに裏付けられその価値($1)を保つことが目的。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)が流通量のトップシェアを占める。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/20 月曜日
17:07
コインチェック、ブリリアンクリプトトークン(BRIL)のIEO予定を発表
コインチェックは20日、「Coincheck IEO」において、暗号資産(仮想通貨)ブリリアンクリプトトークン(BRIL)のIEO予定を発表した。本IEOは国内における6例目で、上場企業100%子会社による初のIEO。
16:39
仮想通貨企業の資金調達、2024年第1四半期に急増=レポート
大手投資データプロバイダー「PitchBook」は、2024年第1四半期の仮想通貨市場レポートを発表。ビットコインETFの承認を背景にスタートアップ企業が518件の取引で総額3,741億円の資金調達に成功したことが明らかになった。
14:03
米国の経済制裁対象国ベネズエラ、仮想通貨マイニングファームへの電力供給停止へ
ベネズエラ政府は、電力需要への影響を避けるため国内すべての仮想通貨マイニングファームを電力システムから切り離すと発表した。
11:46
ビットコインの週末相場は高止まり、オンチェーンデータは「利確フェーズ」の終焉を示唆
FRBの利下げ期待を背景にNYダウが史上初の4万ドルに達するなど米国株指数が好調に推移する中、オンチェーンアナリストはSOPR指標を分析。2ヶ月間の利確フェーズが終わりつつあることを指摘した。
11:19
仮想通貨ウォレットのファントム、米国のApple Storeユーティリティランキング3位に浮上
ソラナ基盤の代表的な仮想通貨ウォレットとして普及した「Phantom Wallet (ファントムウォレット)」(現在はマルチチェーン対応)が、米Apple Storeのユーティリティ・アプリで3位にランクインした。
05/19 日曜日
12:00
ビットトレードのビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーン シバイヌなどが当たるチャンス
暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレードの特別企画。ビットコイン・ピザ・デーを記念して、シバイヌ(SHIB)やドージコイン(DOGE)も含む豪華景品が当たるラッキールーレットキャンペーンが開催される。2024年5月20日から24日までの期間限定。
11:30
オプション市場では6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中、翌週の展望は?|bitbankアナリスト寄稿
CPI発表後のテクニカル分析や6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中するオプション市場を踏まえ、bitbankのアナリスト長谷川氏がビットコインチャートを図解。今週の暗号資産(仮想通貨)相場考察と翌週の展望を探る。
11:00
週刊ニュース|金持ち父さん著者キヨサキ氏のBTC投資推奨に高い関心
今週は、金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏による仮想通貨ビットコイン・金・銀投資の推奨、ジャック・ドーシー氏のビットコインについての発言、GameStop株やミームコインの暴騰に関するニュースが最も関心を集めた。
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア