CoinPostで今最も読まれています

売られ過ぎ水準のビットコイン、前週ほどの下げ余地はないか|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週8/19(土)〜8/25(金)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週8/19(土)〜8/25(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円は、ジャクソンホール経済シンポジウムでのパウエル米連邦準備理事会(FRB)の発言を控え、380万円周辺での揉み合いに終始している。

17日の相場急落から一変して今週の相場は380万円での揉み合いで始まると、22日にバーキン米リッチモンド連銀総裁が追加利上げの可能性について言及したことで、BTCは米株の下落に連れ安となり、一時は下げ足を速めた。

一方、その後はドル建て相場で2月高値周辺となる2.55万円絡みで押し目買いが入り下げ幅をほぼ奪回。翌日にはドル円相場の下落を受けて上値を重くする場面もあったが、S&Pグローバルの8月米総合購買担当者景気指数(PMI)の下振れを受けた米債利回りの急低下を眺めて389万円付近まで反発した。

24日にはやや戻り売りが入るも、東京時間にドル円相場が急反発したことで円建てBTCはジリ高に転じたが、シカゴ連銀全米活動指数と新規失業保険申請件数の改善により米株が急反落を演じ、BTCも連れ安で上げ幅を解消。幸い、ドル建てで2.6万ドル周辺の水準となる380万円で下げ止まったが、1週間を通して方向感の定まらない展開となっている。

第1図:BTC対円チャート(1時間足)出所:bitbank.ccより作成

直近のインフレ指標や米経済指標が強目に出ていることに鑑みるに、ジャクソンホール会議でのパウエル議長は「必要であれば追加利上げを辞さない」というややタカ派的なスタンスを維持し、来年の利下げのタイミングについても名言を避けることが予想される。

ただ、24日時点でFF金利先物市場は11月の利上げをすでに40%以上織り込んでいる他、次回9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では経済見通しの発表も控えており、議長の発言は注目されるものの、目新しい材料もそれほど期待できないかと指摘される。

その場合、9月FOMCまでBTC相場の方向感は引き続き定まりにくい状況が続くと指摘されるが、イベント通過直後は材料出尽くし感から買い戻しが入る可能性もあるだろう。

一方、こうした予想に反してタカ派的なサプライズが出た場合、今週の相場の支えとなった2月高値(25,500ドル≒372.4万円)周辺のサポートを下抜けするシナリオも想定しておきたい。

ただ上述の通り、この先のFRBの金融政策はあくまで「データ次第」という状態が続くと言え、下落した場合でもその先の方向感は定まりにくいだろう。また、テクニカル的にはBTC対ドルは相対力指数(RSI)が「売られ過ぎ」水準となる30%を既に下回っており、前週ほどの下げ余地はないか。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:ビットコイン急落で2ヶ月ぶり安値、売りに過熱感も上値重い展開が続くか

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/20 月曜日
17:07
コインチェック、ブリリアンクリプトトークン(BRIL)のIEO予定を発表
コインチェックは20日、「Coincheck IEO」において、暗号資産(仮想通貨)ブリリアンクリプトトークン(BRIL)のIEO予定を発表した。本IEOは国内における6例目で、上場企業100%子会社による初のIEO。
16:39
仮想通貨企業の資金調達、2024年第1四半期に急増=レポート
大手投資データプロバイダー「PitchBook」は、2024年第1四半期の仮想通貨市場レポートを発表。ビットコインETFの承認を背景にスタートアップ企業が518件の取引で総額3,741億円の資金調達に成功したことが明らかになった。
14:03
米国の経済制裁対象国ベネズエラ、仮想通貨マイニングファームへの電力供給停止へ
ベネズエラ政府は、電力需要への影響を避けるため国内すべての仮想通貨マイニングファームを電力システムから切り離すと発表した。
11:46
ビットコインの週末相場は高止まり、オンチェーンデータは「利確フェーズ」の終焉を示唆
FRBの利下げ期待を背景にNYダウが史上初の4万ドルに達するなど米国株指数が好調に推移する中、オンチェーンアナリストはSOPR指標を分析。2ヶ月間の利確フェーズが終わりつつあることを指摘した。
11:19
仮想通貨ウォレットのファントム、米国のApple Storeユーティリティランキング3位に浮上
ソラナ基盤の代表的な仮想通貨ウォレットとして普及した「Phantom Wallet (ファントムウォレット)」(現在はマルチチェーン対応)が、米Apple Storeのユーティリティ・アプリで3位にランクインした。
05/19 日曜日
12:00
ビットトレードのビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーン シバイヌなどが当たるチャンス
暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレードの特別企画。ビットコイン・ピザ・デーを記念して、シバイヌ(SHIB)やドージコイン(DOGE)も含む豪華景品が当たるラッキールーレットキャンペーンが開催される。2024年5月20日から24日までの期間限定。
11:30
オプション市場では6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中、翌週の展望は?|bitbankアナリスト寄稿
CPI発表後のテクニカル分析や6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中するオプション市場を踏まえ、bitbankのアナリスト長谷川氏がビットコインチャートを図解。今週の暗号資産(仮想通貨)相場考察と翌週の展望を探る。
11:00
週刊ニュース|金持ち父さん著者キヨサキ氏のBTC投資推奨に高い関心
今週は、金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏による仮想通貨ビットコイン・金・銀投資の推奨、ジャック・ドーシー氏のビットコインについての発言、GameStop株やミームコインの暴騰に関するニュースが最も関心を集めた。
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア