はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン急落で2ヶ月ぶり安値、売りに過熱感も上値重い展開が続くか|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週8/12(土)〜8/18(金)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

8/12(土)〜8/18(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円は週央から下げ足を速め、17日には急落を演じ2カ月ぶり安値まで押している。

週明けからのBTC相場は、先週に引き続き420万円台での揉み合いに終始。14日には一時430万円に乗せる場面もあったが、米国債利回りの上昇が重石となり、失地回復に失敗した。

15日、米国の7月小売売上高が市場予想比で上回ると、金利高の長期化懸念が台頭した他、フィッチのアナリストが複数米銀行の格下げを警告したことによる米株の軟化が相場の重石となり、BTCは420万円台中盤に下落。

その後も揉み合う展開が続いたが、17日未明に公開された7月米公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、会合参加者の殆どが追加利上げの可能性を認識していると明らかになると、相場は420万円を割り込んだ。

17日の米時間には、フィラデルフィア連銀製造業業況指数の上振れを受けた米株の下げがBTC相場の重石となり410万円も割り込むと、SpaceXが保有BTCを売却していたとの報道や、中国不動産開発の中国恒大集団(エバーグランデ)が米NY州で連邦破産法15条の適用申請を行なったと伝わり、リスクオフムードが加速する中でBTCはロングの投げを伴って400万円をも割り込んだ。

第1図:BTC対円チャート(1時間足)出所:bitbank.ccより作成

米連邦準備制度理事会(FRB)の政策を巡っては、「年内の金利据え置き」が市場のコンセンサスとなっていたが、インフレ鈍化に歯止めが掛かる中で消費や製造業の関連指数が強めに出たことに加え、FOMC議事要旨がタカ派的だったことで、FF金利先物市場では今週、11月の利上げを織り込む動きが進んだ。

翻って中国では、輸出入額の大幅下振れに続き、今週は鉱工業清算指数や小売売上高など一連の指標の悪化が続いた他、若者の失業率公表を停止するとの発表があるなど景気後退への懸念が強まる中、極め付けには中国恒大集団の破産申請と、中国不動産バブルの崩壊が危ぶまれる状態となっている。

こうしてリスクオフムードが強まり、BTCは対ドルで今年の上半期に形成した上昇トレンドライン(第2図内橙線)や、長期トレンドの指標として注目される200日移動平均線の防衛に失敗し、テクニカル的には上昇トレンドに幕を下ろした格好だ(第2図)。

第2図:BTC対ドルチャート(日足)出所:Glassnodeより作成

一方、同時にBTC対ドルの相対力指数(RSI)は「売られ過ぎ」水準となる30%を割り込んでおり、過熱感も確認される。また、BTCの先物市場では17日、2億ドル超のロングポジションが清算され、資金調達率も3月ぶりに-0.01%を下回っている(第3図)。

第3図:BTC対ドル、先物資金調達率とポジション清算額 出所:Glassnodeより作成

こうしたデリバティブ市場の動きは相場の反転シグナルとなることも多いが、ジャクソンホール会議を来週に控え、積極的な買い戻しも期待し難い。ロングポジションが大量に清算された分、急落の燃料も減退したと言えるが、上記マクロ環境に鑑みれば来週も上値の重い展開が続くと見ている。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:ビットコイン相場は底堅くも上値の重い展開、来週は下値リスクか

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/15 月曜日
19:10
CoinDesk JAPAN運営のN.Avenue、独自ブランド「NADA NEWS」へのリブランディングを発表
N.Avenue運営のWeb3メディア「CoinDesk JAPAN」が2026年より独自ブランド「NADA NEWS」へリブランディング。メディア・コミュニティ・暗号資産インデックスを統合し、日本のデジタル資産市場向け情報基盤を構築する。12月下旬グランドオープン予定。
17:41
分散型AIトークンのFET、 Binance Japanで取扱い開始【国内初】
Binance Japanが国内初となるFET(Artificial Superintelligence Alliance)の取扱いを開始。本記事ではASIアライアンスの概要、FETの用途、将来性、想定されるリスクを解説する。
16:45
なぜSBI新生銀行は投資家に選ばれる? 圧倒的優位性を持つ「SBI証券」との連携メリットを解説
SBI新生銀行が投資家に選ばれる理由は、SBI証券との圧倒的な連携メリットにあります。預り金自動スィープサービスで入金操作不要、年4.2%の高金利預金で待機資金を運用。IPO投資、NISA口座、資産一元管理まで、他の銀行では実現できない理想的な投資環境を徹底解説。
14:36
リップル決済、欧州初の銀行採用 スイスのAMINA銀行と提携
リップルがスイスのAMINA銀行と提携し、欧州初のリップル決済導入を実現。ブロックチェーンと従来の銀行システムを統合し、ほぼ即時の国際送金サービスを提供。両社の協力関係はステーブルコイン保管から決済へと拡大。
13:44
イーサリアム「フサカ」実装直後にPrysm障害、1.8億円の報酬損失が判明
イーサリアムの大型アップグレード「フサカ」実装直後、Prysmクライアントでバグが発生し382ETH(約1.8億円)の報酬機会が失われたことが判明し、ネットワークの堅牢性においてクライアント多様性の重要性が再確認された。
13:22
英国、2027年に仮想通貨規制を本格導入へ 政治献金も禁止方針
英国財務省が2027年施行予定の仮想通貨規制案を策定中。英国金融行動監視機構の監督下で取引所やウォレット企業に透明性基準を義務付け、消費者保護を強化。仮想通貨による政治献金も禁止へ。
10:50
ストラテジー、ナスダック100指数への残留決定 ビットコイン買い増しの意欲示す
世界最大のビットコイン保有企業ストラテジーのナスダック100指数への残留が決定した。セイラー会長はビットコイン追加購入への意欲を示唆している。
10:41
日銀30年ぶりの0.75%利上げ見込み 仮想通貨市場への影響は?
日本銀行が12月19日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%に引き上げる方針。30年ぶりの高水準となる利上げが、円キャリートレード巻き戻しを通じてビットコインなど仮想通貨市場に与える影響を分析。米FRBのQT終了による影響緩和の可能性も解説。
10:10
2025年末までに済ませておきたい仮想通貨に関する税金と確定申告への準備|Gtax寄稿
仮想通貨の税金の仕組みと、年末までにできる節税対策を解説。損益圧縮やふるさと納税・iDeCoの活用法、確定申告に向けた取引履歴・経費の整理ポイントをまとめています。
08:50
米SEC、個人投資家向けの仮想通貨保管ガイドラインを提示 姿勢転換示すか
米証券取引委員会が個人投資家向けにビットコインなど仮想通貨を保管する方法に関して推奨事項を提示した。ウォレットの選び方やカストディアン選定の注意点を解説している。
12/14 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、トム・リーのイーサリアム相場分析やXRP現物ETFの連続純流入など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
来週の米雇用統計に注目、労働市場減速ならビットコイン相場に追い風か|bitbankアナリスト寄稿
BTC相場は1450万円周辺で推移。FOMCで利下げ決定、流動性供給再開で中期的な下支え期待。来週の米雇用統計で労働市場減速が示されれば、追加利下げ観測強まりBTCの追い風となるか。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|仮想通貨税制に関する国会質疑に高い関心
今週は、ストラテジーによるビットコイン押し目買い、仮想通貨税制に関する国会質疑、仮想通貨マーケットメーカー大手Wintermuteの市場分析レポートに関する記事が関心を集めた。
12/13 土曜日
14:05
米インタラクティブ・ブローカーズ、ステーブルコインでの口座入金を開始
ステーブルコイン入金を導入 ブルームバーグが報じたところによると、オンライン証券大手インタラクティブ・ブローカーズ・グループが、個人証券口座へのステーブルコインによる入金を可能…
13:35
仮想通貨業界団体ら、シタデルに反論 「DeFiは仲介事業者ではない」
DeFi教育基金など仮想通貨業界団体らが米SECに書簡を提出した。シタデル・セキュリティーズによるDeFi規制要求に反論し、自律的ソフトウェアは仲介者に該当しないと主張している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧