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金(ゴールド)価格に合わせて動く仮想通貨とは?市場の広がりとこれから

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近年、金(ゴールド)に裏付けられた暗号資産(RWAトークン)の市場が急拡大している。トークン化された金は、金庫に保管されている実際の物理的な金によって裏付けられ、毎月の証明報告書によって検証されています。

金トークン合計の時価総額推移 出典元:CoinGecko

2025年12月時点、トークン化された金市場の時価総額は41億ドルを突破し、デジタルゴールドとしての活用が進行。世界的な経済不安の中で安全資産としての需要が高まる中で、Paxos Gold(PAXG)やTether Gold(XAUt)などの主要トークンの取引量も増加しています。

目次

  1. 主要な金トークンの市場規模
  2. 主な取引市場
  3. 代表例
    3-1.Paxos Gold(PAXG)
    3-2.Tether Gold(XAUt)
  4. 注目トピック
  5. 国内で投資可能な金トークン
  6. まとめ
  7. 主要な金トークンの市場規模

    2025年12月2日時点で、主要な金トークンの市場規模と取引高は以下の通り(CoinGecko調べ)。

    トークン 時価総額 24時間取引量 価格
    Tether Gold (XAUt) 22億ドル 7.2億ドル 4,219ドル
    Paxos Gold (PAXG) 14.1億ドル 3億ドル 4,232ドル
    Kinesis Gold (KAU) 3.23億ドル 91万ドル 135.55ドル
    Matrixdock Gold(XAUM) 6510万ドル 50万ドル 4,227.62ドル

    時価総額・取引量ともにPAXGとXAUtが市場をリードしており、流動性の高さが際立つ。

    主要取引市場

    金トークンは中央集権型取引所(CEX)と分散型取引所(DEX)の両方で取引されています。CEXでは、USDTやBTCとのペアで活発に取引されており、流動性が高く、アービトラージ取引も盛ん。DEXでは、Uniswapを中心に取引が行われています。

    代表例

    ① Paxos Gold(PAXG)

    • 流通基盤:イーサリアム、ソラナ
    • 時価総額:14.1億ドル(24時間取引量:3億ドル)
    • 裏付け資産:ロンドンのグッド・デリバリー・バー(1トロイオンス)
    • 規制:ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の監督下
    • 主な取引所:Binance、KuCoin、Kraken
    • メリット:保管料ゼロ、最低購入額20ドル、即時決済可能
    • 流動性:市場で最も広く取引される金トークン。主要CEX・DEXでの取引が活発。
    • 公式サイト:Paxos Gold 公式サイト

    ② Tether Gold(XAUt)

    • トークン形式:ERC-20(イーサリアム)
    • 時価総額:22億ドル(24時間取引量:7.2億ドル)
    • 裏付け資産:スイスの金庫で保管(1トロイオンス)
    • 規制:透明性に関する懸念あり(監査情報が限定的)
    • 主な取引所:Bitfinex、OKX、Uniswap(DEX)
    • メリット:Uniswapで取引可能、アクセスが容易
    • 流動性:PAXGに次ぐ取引高だが、取引所の選択肢はやや限定的。
    • 公式サイト:Tether Gold 公式サイト

    金に裏付けられた仮想通貨の中でも、Paxos Gold(PAXG)とTether Gold(XAUt)は、 市場規模・取引量ともに圧倒的な存在感を誇ります。しかし、どちらも中央集権型取引所(CEX)での 取引が中心であり、分散型取引所(DEX)での出来高は比較的少ない状況です。

    なお、大手DeFi(分散型金融)レンディングプロトコルのAaveでは、XAUtの預け入れに対応しています。一方、PAXGについては2025年12月時点でAaveやCompoundでの対応は確認されていません。

    また、DEX(Uniswap)での取得自体は可能であり、PAXGやXAUtの取引ペアが存在する。 CEXを介さずに取引したい場合は、MetaMask(メタマスク)を取得し、Uniswapの利用方法を 確認するとよいでしょう。

    関連:メタマスクをDEXへ接続して交換(スワップ)する方法

    注目トピック

    金トークン市場は2024年から2025年にかけて30%以上の成長を遂げ、今後も拡大が続く見通し。政府主導の金トークンとして、キルギスのUSDKGのような国家支援型のデジタルゴールドが登場し、信頼性の高い選択肢として注目されています。特に、経済不安が続く新興国では、金に裏付けられたデジタル資産への関心が高まっています。

    また、金価格の高騰も市場の追い風に。2025年3月には史上初めて1トロイオンスあたり3,000ドルを突破し、その後も上昇を続け、2025年12月現在では4,200ドル(約65万円)を超える水準で推移しています。年初来で約60%の上昇となり、金トークン市場への資金流入がさらに加速しています。

    国内で投資可能な金トークン

    日本でも、ブロックチェーン技術を活用した金トークンが登場し、従来の金ETFや金現物投資よりも柔軟な資産運用手段として注目されています。

    ジパングコイン(ZPG)

    • 発行会社:三井物産デジタルコモディティーズ株式会社
    • 時価総額:17.8億円(2025年10月時点)
    • 特徴: 金1グラムと等価の価値。株式会社デジタルアセットマーケッツを介して各暗号資産取引所や投資家に販売。
    • 公式サイト:三井物産デジタルコモディティーズ プレスリリース

    PAXGやXAUtとは異なり、日本の金融機関が発行する金トークンは、国内の規制下で運用され、信頼性の高い選択肢として長期投資家にとって魅力的です。

    まとめ

    金価格の上昇を背景に、金トークン市場は今後も拡大を続ける見通しだ。政府主導型のトークン化が進む国も現れ、金のデジタル化は新たな投資手段として確立されつつあります。

    特に、インフレリスクや地政学リスクに対するヘッジ資産としての需要が高まっており、PAXGやXAUtのような流動性の高いグローバル市場向けトークンだけでなく、国内発行の金デジタル資産も注目されています。

    投資家は、価格上昇の恩恵を受けつつ、取引のしやすさや規制面での安全性を考慮した投資戦略が求められます。

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