はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

年末に向け、財務省が「仮想通貨の税金逃れ」に関する対策を強化|日経新聞が報道

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

財務省が仮想通貨課税漏れの対策強化へ
財務省が、ビットコインなど取引の損益で生じた仮想通貨の所得税の課税漏れを防ぐべく対策強化へ乗り出すことが日経新聞の報道で明らかになった。

仮想通貨課税漏れの対策強化へ

日経新聞の報道で、財務省が仮想通貨の所得税の課税漏れを防ぐべく対策強化へ乗り出すことが明らかになった。

今回報道された動きのなかで、特に注目される新たな申告漏れ対策強化案は、以下の3点だ。

1.情報照会制度

2.取引で得た所得にかかる税を仮想通貨交換業者などが源泉徴収する案

3.一定額を超える資産を持っていたり国外送金したりする際に提出が義務づけられる「法定調書」を新たに仮想通貨取引にも設ける案

出典:日経新聞

情報照会制度案としては、欧米がすでに導入しているシステムで、申告漏れの疑いがある人物に対して、取引の場を提供している取引所へ特定の人物の基本情報を請求できる仕組みをとる動きとなるようだ。

また、源泉徴収を仮想通貨取引所が担うシステムは、すでに株式の特定口座でも導入されているシステムだ。

基本的に売買損益が一定水準以上ある場合、株式でも確定申告が必要となるが、「源泉徴収ありの特定口座」で株や投信の売買する場合、取引所が投資家の代わりに自動で納税を行うシステムとなる。

「仮想通貨の納税」に関する最新資料も

これに先駆け、財務省は24日、第1回「納税環境整備に関する専門家会合」における、『納税実務等を巡る近年の環境変化への対応について』と題する会議資料を公開している。

資料の中で、「(仮想通貨など)新しい取引によるものも含め、適正な申告を行っていない納税者が一部におり、公正さを確保するため、諸外国の例も参考にしつつ、適正な申告を行っていない者に関する情報を把握するための仕組みについても検討を進める必要がある」などと指摘していた。

なお、一般社団法人 日本仮想通貨交換業協会による、「納税環境整備に関する専門家会合」関連資料では、以下のように記載しており、煩雑な手続きを簡略化することで、納税漏れの件数を極力減らすことを目指している。

• 国税庁が主催する「仮想通貨取引等に係る申告等の環境整備に関する研究会」において、仮想通貨取引に係る申告の利便性向上に向けた方策を協議中

• 2018年分の確定申告より、国税庁は、個人の納税者に対して“仮想通貨の計算書”を提供する予定

• 仮想通貨交換業者各社は、顧客(納税者)が“仮想通貨の計算書”を簡易に作成できるよう、“年間報告書”の提供を行う方針

(顧客から求めがあった場合には、取引履歴のデータも提供)

• 上記の仮想通貨交換業者の対応について、仮想通貨交換業者各社のウェブサイトにて公表する方針

仮想通貨の税金とその問題点

仮想通貨にかかる税金といえば、2016年に資金決済法が改正、2017年4月に施行された改正資金決済法で、仮想通貨が正式に「通貨」として定義されたことによって、仮想通貨を決済利用した際の消費税こそ非課税になったものの、仮想通貨トレードによる利益の所得区分は「雑所得」に振り分けられ、最大で所得税45%、住民税10%の55%という、損失も伴う取引マーケットの税率としては極めて高い状況にある。

また、他の所得との損益通算ができない点や、損失(マイナス)の繰越ができない点も、値動きの激しい仮想通貨市場に置かれる投資家を苦しませている点に挙げられている。

一方で、国策として投資活動を奨励することで、特別な累進課税制度が適応されている株式やFX同様に、仮想通貨に関連する税制改正の声も強まっている状況にあるが、仮想通貨特有の性質を理解する段階にあり、国の動きとしては投資家保護を優先とした取引所の管理体制見直しに力を入れていることから、資産保護に関する解決が先になるとの見方も強い。

税制改正に関する議論

日本維新の会 藤巻健史参議院議員は2018年6月14日、「仮想通貨市場はボラタイル(価格変動率が高い)で今年は大損している人も多い。最大55%の制度は国民にとって懲罰的な税制だ」と、財政金融委員会にて財務省主税局長に主張した。

この主張に対し、星野主税局長は「給与が55%であるのに、仮想通貨の売買を分離課税(最大20%)にすることで、国民の理解を得ることはできるか」など、否定的な見方を示している。

藤巻健史参議院議員は、「給与はゼロがあっても、マイナスはない」と主張し、仮想通貨やブロックチェーンを考えた上で、国の将来性を潰すことは得策ではないと指摘、税制改正の必要性を訴えている。

納税対象者は

条件としては、年末調整済みの給与所得を有する方で、2019年の納税であれば、2018年1月~12月までに仮想通貨取引や他の雑所得の利益合計20万円超の場合に「確定申告」が必要となり、課税対象となる取引は、以下の内容が国税庁から発表されている。

税金が確定する年末まで約2ヶ月に迫る現在、もう一度取引における税金の見直しはしておく必要はあるだろう。

なお、詳しい税金の内容、申請への動きは、以下の記事をご参照ください。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

財務省が「仮想通貨の納税」に関する最新資料を公開
財務省の最新資料では、ビットコイン取引など適正な申告を行っていない者に関する対応に言及。日本仮想通貨交換業協会の関連資料では「仮想通貨交換業者各社は、納税者が仮想通貨の計算書を簡易に作成できるよう、年間報告書の提供を行う方針」としている。
1から学ぶ仮想通貨の税金の仕組み/確定申告ガイド
齋藤雄史公認会計士・税理士事務所 代表の齋藤雄史氏による、仮想通貨の税金の解説記事です。仮想通貨取引にかかる税金や確定申告の方法、考えられる節税方法などを掲載しています。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/05 土曜日
13:40
トランプ一族の「World Liberty Financial」、WLFIトークンの取引開始を提案
World Liberty Financialが仮想通貨WLFIトークンの譲渡可能化を提案。早期支援者のトークンがアンロックされる見込み。
13:00
リップル社、シンガポールでXRPLの起業家育成プログラム開催へ 最大20万ドル資金提供
リップル社がシンガポールでXRP台帳基盤の起業家育成プログラムを開始する。RWAトークン化・DeFi・AI分野などに焦点を置き、最大20万ドルの資金提供を予定している。
10:20
1兆円相当ビットコインが移動も、構造的売り圧力は限定的か=Bitcoin Vector分析
14年以上動かなかった8万ビットコイン(約1.2兆円)が8個のアドレスから移動。仮想通貨取引所への売却ではなくOTC取引との見方も。
09:45
ロシア国営ロステック、トロンでステーブルコインRUBx発行へ 制裁回避狙いも
ロシア国営企業ロステックがルーブル建てステーブルコインRUBxを年内に発行する予定だ。決済プラットフォームRT-Payも立ち上げる。経済制裁回避の意図もあるとみられる。
08:20
Mercado Bitcoin、XRPレジャーで約300億円の資産トークン化計画
ブラジルの仮想通貨取引所Mercado BitcoinがXRPLで実世界資産トークン化を拡大。南米機関による最大規模の取り組み。
07:10
英上場ゴールド探査会社Hamak Gold、ビットコイン財務戦略導入で247万ポンド調達
ロンドン上場のHamak Goldが仮想通貨戦略転換を発表。カタール王族系投資ファンドも参加し株価6%上昇。
06:55
14年以上動かなかったビットコイン、合計1兆円相当が移動 警戒感高まる
14年以上動かなかった合計1兆円相当の仮想通貨ビットコインが、8個のアドレスから移動したことがわかった。当時からどのくらい価値が増えているのかも明らかになっている。
06:30
Ondo Finance、米SEC登録のOasis Pro社買収でトークン化証券市場に本格参入
RWAトークン化プラットフォームOndoが規制準拠のOasis Proを買収。米国投資家向けトークン化証券サービス拡大へ。
06:21
初心者向け|仮想通貨取引所のKYC手続きとは?スマホでできるeKYCの流れと注意点
口座開設の必須手順 暗号資産(仮想通貨)取引所を利用し始めるには、口座開設時に「KYC(本人確認)」と呼ばれる手続きが必要です。これは、ユーザーの身分確認や、利用目的の確認を通…
06:10
スウェーデン、違法収益による仮想通貨の押収を強化
スウェーデンのストレマー司法相が警察や税務当局に仮想通貨を含む犯罪収益の押収強化を指示。昨年11月導入の欧州最厳格な没収法により840万ドル相当を押収済み。
05:40
2800分の1の確率を突破 個人マイナーがビットコイン採掘に成功、5000万円獲得
個人ビットコインマイナーが7月4日にブロック903,883を単独採掘し、3.173BTC(約5000万円)の報酬を獲得。ネットワーク全体の0.00026%のハッシュレートで成功。
07/04 金曜日
17:43
マックハウス、仮想通貨事業でゼロフィールドと基本契約
アパレル大手マックハウスが暗号資産事業に参入。国内マイニングシェア1位のゼロフィールドと基本契約を締結し、ビットコイン購入とマイニングの両輪戦略で収益多様化を目指す。
17:11
SMBCグループ、事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設 Web3や生成AIの活用を目指す
SMBCグループが事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設。Web3などを活用し、スタートアップから大企業まで多様なパートナーと新事業を創出。
15:08
みんなの銀行、ソラナ基盤のステーブルコイン事業化に向け共同検討を開始
みんなの銀行がソラナ(SOL)基盤のステーブルコインとweb3ウォレットの事業化に向け共同検討を開始。Solana Japan、Fireblocks、TISの3社と協業し、新たな金融体験の創出を目指す。
13:50
米上場アンバー・インターナショナル、約37億円調達で仮想通貨準備金戦略を加速
米上場のアンバー・インターナショナルが機関投資家から2550万ドルを調達し、1億ドルの仮想通貨リザーブ戦略を強化。パンテラ・キャピタルなど著名投資家が参加。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧