- インド政府、今年12月に「仮想通貨の規制法案」を発表か
- インド準備銀行(RBI)が金融機関に発令した「仮想通貨取引禁止措置」は、ブロックチェーンや仮想通貨産業の発展を妨げるとして国民の猛反感を買い、4.5万人が「禁止撤回」を求める嘆願書に署名していた。
報告書の草案および法案を準備中
早ければ今年12月に、インド政府が「仮想通貨に関する規制法案」を発表する可能性があるとして、「QUARTZ INDIA」が報じた。
2018年4月、インド準備銀行(RBI)が金融機関に対して発令した「仮想通貨取引禁止措置」は、取引所を含む仮想通貨サポーターから猛反感を買い、瞬く間に法廷闘争に発展する事態となった。
同メディアは11月19日に最高裁に提出された、ナレンドラ・モディ政権による反対陳述書のコピーを入手。政府は仮想通貨を検討するために委員会を設置し、2018年12月と2019年1月に開催されるIMCの会合で、報告書の草案とバーチャル通貨に関する法案の審議が予定されていることを陳述書の中で明らかにした。
「現時点では、バーチャル通貨、金融システムにおける分散型元帳技術の利用、デジタル通貨のフレームワークに関する報告書の草案および法案の作成に向け、真剣な取り組みが進められている。
報告書と法案がIMC(内閣間の委員会)のメンバーに回付された後、次のIMCの会合が開催され、報告書の草案と法案について議論が行われる。報告書の草案は来月の会合までに提出される予定である」
4.5万人が嘆願書に署名
今回提出された反対陳述書は、最高裁の要求によるものだ。
RBIは4月、国内のすべての金融機関に、3か月以内に仮想通貨取引との取引関係を解消するよう圧力をかけた。この動きに深刻な打撃を受けた仮想通貨取引所は、即座に法の介入を求めた。
RBIの決定は、インドにおけるブロックチェーン技術や仮想通貨産業の発展を妨げるものとして「禁止撤回」を求める声が殺到し、嘆願書サイト「Change.org」には、2018年11月20日の時点で目標の5万人にあと一歩となる4.5万人もの署名が集まっている。
こうした経過から最高裁は10月25日、ようやく訴えの審理を行い、政府に陳述書を提出し、バーチャルコインに関する方針を説明するよう要求した。
仮想通貨取引禁止の発令以来、政府の独断的な措置をめぐる論争は激化する一方だったが、報告書および法案発表の目途が明らかになったことで、少なくとも政府の方針がより明確になるなど、進展の兆しが見え始めたのではないだろうか。
政府が絶対的な権限を握っている中国とは異なり、民主主義のインドでは法定と政府が争うことも可能である。最高裁による最終的な決定が、政府の仮想通貨に対する規制に大きな影響をおよぼす可能性も考えられる。
仮想通貨コミュニティーは慎重かつ楽観的
金融機関を対象とする仮想通貨取引禁止措置がとられた当初、推定500万人以上の投資家が12カ国の仮想通貨取引所を介し、毎日2〜3億インドルピー(INR)相当の取引を行っていた。
皮肉なことにインド政府が「ネズミ講」と称したビットコインの価格は、禁止発令を機に約35万INRから61.8万INRへと約1.8倍上昇。インドにおける仮想通貨コミュニティーには、慎重かつ楽観的な空気が広がっていると報じられていた。
当初、仮想通貨取引所BuyUcoinのShivam Thakral CEOは、政府による圧力が金融機関に限定されており、仮想通貨取引自体は禁じられていない点にポジティブな要素を見出していた。
政府の介入後もBuyUcoinには新たな投資家が集まり、既存の投資家も仮想通貨の価格再上昇によって利益を得たため、仮想通貨投資への関心が再熱していたという。
政府の圧力が仮想通貨産業にダメージをあたえた事実に変わりはないが、インドの仮想通貨取引所は銀行経由の取引を行えなくなった対応策として、BuyerとSellerが直接決済を行うP2P形式などを利用して取引を継続している。
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