TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインETF申請企業、SECの却下理由に「仮想通貨テザー問題」を指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインETF非承認の真の理由とは
米SECが「ビットコインETF」を否決したことに伴い、申請企業のBitwise社が分析結果を公表、背景にテザー問題があると解説した。
           

ビットコインETF非承認の真の理由とは

本日、米SECは最後の単一指数に連動するビットコインETFの申請を非承認した。この申請が非承認となったことで、SEC申請中のビットコインETFに対する可能性は絶たれた。

申請企業のBitwise社は、SECの判断について、自社SNSアカウントで懸念点を自己分析した。

Bitwise社は、判断期限の前に、自主的に申請を取り下げたVanEck社と異なり、申請の取り下げを行わなかった。「我々は取り下げることもできたが、あえてしなかったのは、申請プロセスそのものが生産的であるからだ。」と説明した。

Bitwiseは、以下3つの反省点を顧みた。

非承認に至った問題点

以前より指摘されるように、却下された理由は、概ね市場操縦と監査問題にあるという。「我々は、過去2年間に仮想通貨市場の成長を楽観視してきたが、今後はより多くの工夫が求められる。」と述べ、SECの判断に対しては、「厳しい指摘だが、ありがたいフィードバックだ。」とその内容を認めている。

具体的にどの部分が「市場操縦と監査問題」に該当するか、SECの120ページ以上の判断文書を見ると、次のような発見があったという。

テザー(USDT)による市場操作疑惑

BitwiseのETFは、本来いわゆる「本物の出来高を記録する10の取引所」であるBinance、Bitfinex、Coinbase Pro、Kraken、Bitstamp, bitFlyer、Gemini、itBit、Bittrex、Poloniexから平均したBTC価格を連動指数の参考価格にする予定だったが、申請プロセスの途中、テザーUSDTをめぐる裁判でBitfinexを参考価格取引所リストから取り外した経緯がある。

しかしSECはの見立てでは、Bitfienxを外しただけでは、ビットコイン市場が価格操縦の影響を受けないという主張は十分ではないと見ていた節があり、「BitwiseがBitfinexをリストから除外したのは、その場凌ぎに過ぎず、価格操縦の防止策としては不十分だ。」と指摘。「Bitfinexが今後、不正にステーブルコインを発行する可能性が低い」というBitwiseの主張は説得力がないと不信感を示した。

さらには、「過去にステーブルコイン不正に対する裁判がもたらす抑止力が、将来の状況に適用するとは信じがたい」と説明。ETF商品でBitfinex価格を参照せずとも、USDTによるビットコイン市場への影響は払拭できないというのが、SECの現在の観点だ。

この文書では、Bitfinexの資金隠蔽疑惑裁判も取り上げており、テザーによる市場影響を含む相場操縦疑惑は、SECにとっての最大の懸念点となっている。

米仮想通貨弁護士Jake Chervinsky氏は、「SECが非承認判断を下すだけでなく、ビットコインの市場構造を告発するような文書を発表するのは非常に珍しい。」とコメントした。

そして今後ETFの道のりについて、「現在、Jay Clayton長官が率いるSECはビットコインETFを承認しない方針と考えるのは合理的だ。通常は非承認のあとにすぐ再申請するが、今回ばかりは1年ほどを開けるかもしれない。Clayton氏の任期は2021年の6月だが、さらに18ヶ月の任期が延長される可能性も考えられる。」と、ETFを期待しないことを勧めている格好だ。

SECのフィードバックは有意義

上述したように、SECはビットコイン市場を根本的に疑っている。しかしBitwiseはSECのフィードバックと批判が非常に有意義だと捉えている。

「SECが指摘した問題点は、我々が今後解決するべき点であり、SECが指摘したからこと、具体的な問題がはっきりと判明している。」と前向きな見解を示した。通常でも、ゴールドや債権のETF商品も数年ほどかかって漸く承認されたため、道のりは長いだろうとしている。

今後Bitwiseの取り組み

Bitwiseの非承認ですべての単一ビットコインETFの申請は消滅したが、Bitwiseは今後もSECとの対話を重ね、データ分析などの分野で業界の透明度を改善していく方針を示し、「タイミングを見て、再び申請を行う。」と明確にした。

現在残っているETF関連商品はWilshire Phoenix社のビットコインETFだ。このETFはVanEckやBitwiseが提案する単一指数に連動するものと異なり、米国債を含めたバスケット型ETFで、先日よりSECが審査を開始している。

参考:Bitwiseの返答

参考:SECの判断

CoinPostの注目記事

【速報】米SEC、BitwiseのビットコインETFを非承認 最後の希望絶たれる
米証券取引委員会SECは、Bitwise社のビットコインETFの申請を「非承認」したことがわかった。これを受け、単一指数に連動するビットコインETFの申請は全て非承認となった。
仮想通貨市場に影響を及ぼす「重要ファンダ」一覧表|ビットコイン、リップルなど【3/7更新】
ビットコイン(BTC)やリップル(XRP)など、仮想通貨市場に影響を与え得る重要ファンダ一覧はこちら。あらかじめイベントをチェックしておくことで、トレードの投資判断に役立てることができる。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
08:20
マイクロストラテジー、ビットコイン追加購入のための30億ドル調達を完了
米マイクロストラテジーは21日に仮想通貨ビットコイン追加購入のための、2029年満期の無利息転換社債の募集を完了したと報告した。
07:50
金融庁、仮想通貨仲介業の新設を検討
仮想通貨のイノベーションと利用者保護の両立に向けて、金融庁が仲介業の新設を検討。この会議ではステーブルコインも議題に上がった。
06:45
トランプ氏のメディア企業、「TruthFi」仮想通貨決済サービスの商標出願
トランプ次期大統領が保有するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループは今週、デジタル資産取引やその他決済処理サービスのプラットフォーム「Truthfi」の商標出願を行った。
06:25
SECがソラナ現物ETFの審査開始、2025年承認へ期待高まる
米証券取引委員会はソラナ現物ETFの上場申請に関する審査を開始したようだ。SOLは本日8%上昇している。
06:08
トランプ次期政権の仮想通貨諮問委員会、ビットコイン準備金設立の可能性=報道
トランプ次期大統領が提案した仮想通貨諮問委員会は、米国のビットコイン準備金を設置する可能性があると報じられた。
05:45
SOLやXRPが上昇、ゲンスラーSEC委員長の退任確定を受け
仮想通貨のソラナやXRPなど、SECが規制の標的としている銘柄は22日、ゲンスラーSEC委員長の退任が確定したことを受けて大幅に上昇した。
11/21 木曜日
17:00
BitwiseがソラナETF準備開始 デラウェアで信託登録完了
暗号資産運用大手Bitwiseが、ソラナ(SOL)ETF組成に向けデラウェア州で信託登録を完了した。VanEck、21Sharesに続く参入となる。
16:59
バイナンス、5種類の仮想通貨取引ペアを11月22日に取扱い中止
大手取引所バイナンスが、THETA/ETHやRARE/BRLなど5種類の仮想通貨取引ペアの取扱い中止を発表。11月22日12時より取引停止へ。各トークンは他の取引ペアで継続取引可能で、価格への影響も限定的。スポット取引ボットサービスも同時終了。
15:27
ビットコイン1500万円突破 ETFオプション解禁で資金流入加速
ビットコインが史上初めて1500万円を突破した。米国でETFオプション取引が解禁され、機関投資家の参入が加速。IBITへの1日1000億円規模の資金流入が継続する中、トランプ政権への期待も相場を押し上げる。バーンスタインは3100万円到達の強気予想を見立てている。
13:10
ソラナPhantomウォレット、米AppStoreの無料ユーティリティアプリ部門でトップに
ソラナ基盤のPhantomウォレットが米AppStoreで無料ユーティリティアプリ部門1位を獲得。無料アプリの総合部門でも5位に躍進した。
11:25
半導体大手エヌビディア決算報告 過去最高の売上高
エヌビディアが8~10月期決算を発表。売上高は再び過去最高を記録した。AI需要拡大で業績好調も、成長率の鈍化予想で株価は下落している。
11:05
米SEC、仮想通貨指数ETFの上場判断を延期
ゲンスラー率いる米国証券取引委員会は、米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンの仮想通貨指数ETF「EZPZ」の承認判断を延期した。
09:40
「仮想通貨は申告分離課税で20%に」国民民主党の玉木代表が与党に要望
国民民主党の玉木代表が仮想通貨税制改正を与党に要望した。雑所得から申告分離課税にすることを提案している。
07:50
テザーUSDTが3000億円分新規発行、市場に流動性注入
今週仮想通貨ビットコインの上昇に際し、ステーブルコインのテザー(USDT)が大量に発行されたことが明らかになった。
06:50
米上場のバイオ企業、ビットコイン財務戦略を採用
米上場のバイオ医薬品企業のHoth Therapeuticsは、最大100万ドル相当の仮想通貨ビットコイン購入を取締役会で承認した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧