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金融庁「国内で仮想通貨ETF(上場投資信託)は販売できない」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金融庁は27日、2020年の金商法改正を前に、今年9月に募集していた「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」に関するパブリックコメントに対して回答を行なった。

改正案では「今後、暗号資産(仮想通貨)等を投資対象とする金融商品が組成されることも予想される」と言及しており、米SECで審査・議論されている「ビットコインETF(上場投資信託)」も視野に検討したものと思われるが、今回、仮想通貨ETFの組成・販売について、「国内で組成・販売することはできなくなるものと考えられる」との見解を示した。

仮想通貨ETFに対する公式見解

金融庁は、パブリックコメントの『仮想通貨(暗号資産)ETFは、実質的に非特定資産と同等の性格を有する特定資産に該当するとの理解でよいか。』との質問に対し、以下のように回答した。

暗号資産ETFについては、ETF自体が投資信託等である場合、本監督指針改正を踏まえると、国内で組成・販売することはできなくなるものと考えられます。

また、海外で組成された暗号資産ETFに対して投資する投資信託等を組成・販売する場合についても、一般的には「実質的に非特定資産と同等の性格を有する特定資産」に該当すると考えられます。

同庁は、暗号資産への投資について「投機を助長している」との見解を示しており、仮想通貨(暗号資産)に対して、「特定資産のリスクに比べて価格変動や流動性等のリスクが高い非特定資産等」と位置付けている。

また、投資信託の投資対象は、国内外の株式のほか、為替や債券なども含まれるが、海外で組成された仮想通貨ETFに対して投資する投資信託等を販売する場合、一般的には「非特定資産と同等の性格を有する特定資産」と整理している。

非特定資産とは、公益法人の貸借対照表で用いられる固定資産の区分の一つで、預金や有価証券(株や債券)等の金融資産のみならず、土地や建物等が含まれるものを指すものだ。したがって、ここで言う”非特定資産と同等の性格”とは、金融商品取引法に適用される、ブロックチェーンを用いて有価証券をデジタル化したセキュリティトークンなどを踏まえた定義と考えられる。

なお、『暗号資産(仮想通貨)等を念頭においた改正なのであれば、非特定資産を「特定資産以外の資産」と定義するのではなく、「暗号資産(仮想通貨)等のように価格変動リスクが高く、流動性の低い特定資産以外の資産」といったような枠組みにより規定できるのではないか。』という問いに対しては、「今回の監督指針改正は、これまで行われてきた非特定資産を含む投資信託等のスキームの組成全般を一律規制する趣旨ではない」と弁明。

「実質的には非特定資産への投資を目的としているにもかかわらず、形式的には特定資産への投資が目的となっている投資信託等を適切でないもの」だと言及した。

今後機関投資家への販売が適切になる可能性も

さらに、「今後、暗号資産の取引レコードが蓄積され、またブロックチェーン技術の成熟によって、資産としての安全性が高まったと考えられる状況が生じた場合においては、機関投資家に対する暗号資産投信の組成・販売が適切となる可能性はあると考えられる」とした一方、「現時点においては、適格機関投資家についても、年金基金や地域金融機関等のように、一般国民の資金の運用を担っている面もあることを踏まえると、適格機関投資家私募・公募といった募集方法や投資家属性にかかわらず、投資家に過度な価格変動リスク等を負わせる可能性が高いと考えられる非特定資産等に投資する投資信託等、投資信託・投資法人制度としての信頼性を損ねかねない商品の組成や販売は適切ではないと考えられる。」と慎重な言い回しに終始した。

金融庁は、仮想通貨などの非特定資産への投資は、株や債券といった伝統金融資産への投資とは異なり、国民の長期・安定的な資産形成手段として適切でない資 産との認識を示し、”国民経済の健全な発展に資するもの”とは規定していない。

今回の回答で、現時点では機関投資家および適格投資家(プロ)であったとしても、金融庁としては許容できないというスタンスを明確にした格好だ。

過去数年間の仮想通貨業界における実情を踏まえた上、十分な利用者・投資者保護と監督責任を念頭にやや過剰とも言える規制を敷く金融庁であるが、将来的に、機関投資家に対する規制緩和については含みを持たせている。

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