- 米テキサス州、「デジタル通貨」に関する法案を提出
- 仮想通貨のウォレットにおいて、KYC(身元確認)が必要とされる事が考えられる、この「デジタル通貨」は、「ソブリン通貨」となり得る、分散型台帳を使った電子通貨と定義されている。
米テキサス州、「デジタル通貨」に関する法案を提出
米テキサスの議会議員Phil Stephenson氏は、州内における「デジタル通貨」の定義および利用条件を定める法案を提出した。
この「デジタル通貨」は、ソブリン通貨となり得る、分散型台帳を使った電子通貨と定義されている。
なお、州内で利用可能なデジタル通貨を「個人認証の紐付けができるデジタル通貨」と限定し、デジタル通貨による送金決済を受けるユーザーが、送り手のIDをまず認証しなくてはならないとしているが、すでに個人認証されたデジタル通貨を使う場合は、個人間で認証を行う必要はないという。
法案によると、「個人認証が紐付けされるデジタル通貨」というのは、送り手の個人認証を確認でき、「デジタル・ウォレット」に送金前に、送金先の正体も知ることができるデジタル通貨と定義している。
つまり、ウォレットにおいて、KYC(身元確認)が必要とされることが考えられる。
この法案では、ワイオミング州のように「仮想通貨」という言葉を使ってはいないものの、「分散型台帳」を定義する際、「高度な暗号を利用すること」や「台帳を維持するために経済的インセンティブを与えること」などの表現から、仮想通貨を指す可能性は高いとされている。
ウォレット業者も法規制対象に
なお、金融庁は昨年11月、仮想通貨研究会の討議の中で、仮想通貨の保管場所「ウォレット」の提供事業者についても、法規制の対象とする案を示した。
日本国内ウォレット業者によるKYC義務化の事例では、SNS上で氾濫するモナコインなどの「TIPbot」が使用不可になるという。
「TIPbot」は、面識がない相手にも仮想通貨などを送金できるサービスだが、誰にでも送れることが問題になっている。
金融庁は、現行の資金決済法上、「仮想通貨の売買・交換やそれらの媒介・取次ぎ・代理に関して顧客の仮想通貨を管理することは、仮想通貨交換業に該当する」としており、仮想通貨の売買等は行わない場合は、これに該当しないと定義している。
しかし、仮想通貨カストディ業務については、サイバー攻撃による顧客の仮想通貨の流出リスク、業者の破綻リスク、マネーロンダリング・テロ資金供与のリスク等、仮想通貨交換業と共通のリスクがあると考えられると言及しており、ウォレット業務を行う業者について、仮想通貨カストディ業務の一種だと定義した。
先日発足した、金融庁認定の仮想通貨規制団体『JVCEA』の加盟基準でも、ウォレット関連企業などを「第三種会員」として対象に含み、仮想通貨交換業者以外にもルール整備の適用範囲を拡大していくことを示唆している。
一定の強制力を持った”業界自主規制ルール”の対象となれば、市場の不透明感が払拭され、安心感にも繋がることから、このような動きが今後加速する可能性も考えられる。