
暗号資産(仮想通貨)市場は、大きな値上がりが期待できる一方で、ボラティリティ(価格変動)が激しいのが特徴です。こうした不確実な相場状況のなかで、投資リスクを抑えながら利益を狙うために必須となるのが「分散投資」です。また「複数の仮想通貨(暗号資産)取引所で口座開設する」ことは、投資チャンスを広げるだけでなく、相場急変やメンテナンス、ハッキングなどのリスクヘッジにもつながります。
本記事では、積立投資(時間分散)と複数口座を活用した銘柄分散という2つの視点から、具体的なリスクヘッジの方法を解説し、仮想通貨投資を始める上で押さえておきたい重要ポイントをまとめました。「これから仮想通貨投資を始めたい」「安全かつ効率的に資産を増やしたい」という方は、ぜひ最後までご覧いただき、複数の取引所口座を開設して分散投資をスタートしてみてください。
- 目次
仮想通貨の分散投資に
1.アセットアロケーション(分散投資)でリスク軽減

世界的な疫病流行や大地震、政治的・軍事的緊張など、マーケットには常に予測が難しい不確実性が付きまといます。こうした“自然災害・地政学リスク”が現実化したとき、大きなドローダウン(保有資産の大幅下落)につながる可能性は否定できません。
特に仮想通貨市場は、株式などの伝統的な金融市場に比べて値動きが激しく、短期間で大きく利益を狙える反面、その分損失も一気に拡大するリスクがあります。そこでおすすめなのが、複数の資産を組み合わせて運用する「アセットアロケーション(資産配分)」という考え方です。
一般的にアセットアロケーションとは、値動きの異なる複数の資産(アセット)に分散的に投資することを指し、ポートフォリオを構築するときの基本となる戦略です。リスクを抑えながらリターンを狙うためにも、ぜひ理解を深めておきましょう。
2.分散投資の重要性

分散投資と一口に言っても、大きく分けて2つの方法があります。
- 複数銘柄へ分散投資(銘柄分散)
- 一定期間ごとに少しずつ通貨を購入していく積立投資(時間分散)
この2つを組み合わせることで、相場の変動リスクをより効率的に抑えることが可能です。
2-1 複数銘柄へ分散投資
銘柄分散は、損失分を他の通貨の利益でカバーしたり、少しずつ投資することで一定の価格で購入できるのが主なメリットです。
ポートフォリオの組み方や運用戦略によっては、一つの資産に集中するよりも安全に利益を増やすことができるため、仮想通貨取引の第一ステップとして実践してみましょう。
複数銘柄への分散投資は金融庁も推奨しており、2021年2月に「基礎から学ぶ金融ガイド」の改訂版にて重要性を説明しています。
株式投資の項目で、投資には「1つのカゴに卵を盛るな」という格言があると紹介されました。ポートフォリオ(保有資産の組み合わせ)にて、複数の銘柄に分散化してリスクヘッジすることの重要性を訴えています。
しかし、アセットアロケーションにおいて、ただ資産を分散するだけではあまり効果は発揮しません。2つ以上の資産の相関関係を意識して分散することが、最大限効果を発揮させる重要です。
例えば、投資信託において日本株式と米国株式のみを組み込んだポートフォリオは、値動きの連動性が高く(同じような値動きをする)、分散投資による恩恵はあまり受けられないでしょう。しかし、日本株式と日本国債の組み合わせでは、株式と債権が逆に値動きする傾向にあるため分散効果は高いです。
分散投資の考え方:仮想通貨投資家向け
ビットコインやその他の暗号資産は、歴史的に高いリターンを提供し、一般株式との相関性が低いことが特徴です。このため、ポートフォリオのリターンと分散の両方に寄与する可能性があります。特に、暗号通貨はボラティリティが高い資産クラスであるため、少量の投資でも大きな効果をもたらすことがあります。
米投資会社GrayscaleやVanEckの分析によれば、伝統的な60/40ポートフォリオに対し、暗号通貨を約5%組み入れることで、リスク調整後リターンの最大化が期待できます。
60/40ポートフォリオとは
資産の60%を株式、40%を債券に配分する戦略。例えば、米国のS&P 500指数は平均7-10%の年率リターンを提供し、債券の年率リターンは一般的に2-5%程。このポートフォリオは歴史的に安定した成長を提供してきたが、近年のインフレ+低金利環境で、債券の期待リターンが低下し、オルタナティブ投資をポートフォリオに加える動きが加速している。

株式/債券 60/40 ポートフォリオにおける 10,000 ドルの初期投資資金の成長チャート 出典:PortfoliosLab
暗号資産は、ハイリスク・ハイリターンの可能性を秘めた投資です。例えば、ビットコインの年率リターンは約50%、年率ボラティリティは約75%です。イーサリアムも同様に高いリスク・リターンの特性を持っています。
暗号資産をポートフォリオに加えることで、ポートフォリオ全体のボラティリティも増加するため、シャープレシオが重要になります。分析によれば、暗号資産を5%程度配分することが最適とされています。

出典:Grayscale research『The Role of Crypto in a Portfolio』
シャープレシオとは、ウィリアム・F・シャープが提唱した、リスク調整後リターンを評価するための指標です。投資の超過リターンをリスク(標準偏差)で割ったもの。シャープレシオが高いほど、リスクに対して効率的にリターンを得ていることを示します。
例えば、近年の伝統的な60/40ポートフォリオのシャープレシオは0.40程であり、リスクに対してあまり効率的なリターンを得ていない状況となっています。しかし、暗号資産を小幅に配分することで、シャープレシオを大幅に改善することができます。
ソラナを含めたポートフォリオ戦略
ビットコインやイーサリアムに加えて、ソラナ(SOL)をポートフォリオに含めることで、リスク調整後リターン、すなわちシャープレシオの改善が期待できます。
ビットコイン、イーサリアム、ソラナは、それぞれ141%、152%、224%の年率リターン(2024年6月時点)を示しています。ソラナは、過去12ヶ月間のリスク調整後パフォーマンスにおいて、暗号通貨市場の上位3%に位置しています。
今後においても、ソラナは最も成長が期待されるネットワークの一つです。VanEckは、2030年までのソラナの価格評価を「基準、弱気、強気」の三つのシナリオで予想しています。ソラナが「1億人以上のユーザーを獲得するアプリをホストする最初のブロックチェーンとなる」という強気のケースでは、ソラナ(SOL)の価格目標は3,211ドル(約48万円)と予想されています。

出典:VanEck’s Base, Bear, Bull Case: Solana Valuation by 2030
- 基本ケース:2030年のSOL価格は$334.70、スマートコントラクト市場シェア30%、推定収益$8,271M
- 弱気シナリオ:2030年のSOL価格は$9.81、市場シェア5%、推定収益$410M
- 強気シナリオ:2030年のSOL価格は$3,211.28、市場シェア80%、推定収益$51,786M
■ソラナに投資するVanEckによるSOL評価シナリオ
ソラナを含めた分散投資は、仮想通貨ポートフォリオのリスク調整後リターンを向上させる効果が期待できます。ビットコイン、イーサリアム、ソラナのような多様な暗号資産を組み入れることで、投資のリスクを管理しつつ、高いリターンを追求することが可能となります。
ソラナは一例に過ぎないため、自分なりに有望な銘柄をリサーチし、組み入れることも良いでしょう。ただし、暗号資産は依然として高リスクな投資であるため、慎重に判断することが重要です。
仮想通貨の分散投資に
2-2 時間的な分散投資―積立投資
また、金融庁のガイドブックには、投資タイミングの分散についても記述されています。効率的な資産形成をするために、投資時期を分散させる「積立投資(ドル・コスト平均法)」が有効であり、投資するタイミングによる(急激な値上がり・値下がり)リスクを抑えられます。
出典:金融庁資料
例えば、為替相場にて1ドル100円のレート帯で、ドル円の通貨ペアに毎月1万円ずつ投資すると、一度に100口分のポジションを保有。このレートが1ドル110円になった場合90口分保有し、1ドル90円のレートになると111口分購入します。
このように、資産を購入するタイミングを分散することで、高値で摘み取ることを避け、安値で多くの資産を保有できます。つまり、高値と安値に関わらず、平均的な価格帯で資産を購入することができ、効率的な資産形成が可能になるのです。
この時間的分散は、長期的な上昇傾向のある投資信託や、急激な価格変化を急激に引き起こす仮想通貨取引にも適しています。一定期間に一定額投資するだけなので、相場で高値や安値を見分けるのが難しい初心者であっても簡単に実践できます。
複数の取引所で口座開設するメリットは?
暗号資産(仮想通貨)投資では、一つの取引所に頼るのは思わぬリスクを招きます。ここでは、複数口座を持つメリットを具体的に解説します。
1. リスク分散と資産保護
2025年以降、大手証券会社でハッキングや不正アクセス事件が発生し、暗号資産取引所も同様の事例を経験しています。日本の取引所は投資家保護制度が整備され安全性が高いですが、万が一の際に全資産が危険にさらされるのは避けたいものです。複数口座を持つことでリスク分散が図れます。
また、取引所は24時間365日稼働していますが、システム障害やメンテナンス、急激な価格変動時の取引集中によるアクセス障害が発生することも。複数口座があれば、こうした事態にも他の取引所で迅速に対応できます。
2. 多様な投資チャンスを活用
取引所ごとに取り扱う銘柄やサービス内容(IEO、ステーキング、レンディング、レバレッジ取引)が異なり、柔軟な戦略構築が可能です。ソラナ(SOL)など、将来性が期待される銘柄が限られた取引所でしか扱われないこともあり、複数口座を持つことがチャンス拡大につながります。
さらに、取引所ごとに同じ銘柄の価格が異なる場合があり、複数口座を持つことでその差を利用した裁定取引(アービトラージ)も行えます。これにより、利益を追求しつつ、より柔軟な投資戦略を立てることが可能です。
3. おすすめの取引所を活用
取引所ごとの特徴を活かし、以下を組み合わせて利用することで、取引の幅とリスク分散を両立できます。
- [取引所A]: セキュリティ重視、初心者に優しいUI、24時間対応サポート。
- [取引所B]: 取扱銘柄数豊富、業界最低水準の手数料、スマホアプリの操作性◎。
- [取引所C]: レバレッジ取引や法人口座対応、API連携可、分析ツール充実。
「卵を一つのカゴに盛るな」という投資の基本を心に留め、複数の取引所口座を備えておきましょう。口座開設は無料で、すぐに取引可能です。
4.分散投資におすすめの仮想通貨取引所
取引所を分散させることの重要性を解説しましたが、どの取引所で口座開設するべきかわからない人もいるでしょう。ここでは、抑えておきたい主要取引所を紹介します。

- エイダ(ADA)
- アルゴランド(ALGO)
- エイプコイン(APE)
- アプトス(APT)
- コスモス(ATOM)
- アバランチ(AVAX)
- アクシーインフィニティー(AXS)
- バット(BAT)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- ビットコイン(BTC)
- チリーズ(CHZ)
- ダイ(DAI)
- ドージコイン(DOGE)
- ポルカドット(DOT)
- エンジンコイン(ENJ)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- イーサリアム(ETH)
- FCR(FCR)
- フレア(FLR)
- ヘデラハッシュ(HBAR)
- リンク(LINK)
- ライトコイン(LTC)
- ポリゴン(MATIC)
- メイカー(MKR)
- モナコイン(MONA)
- ニアー(NEAR)
- ニッポンアイドルトークン(NIDT)
- オアシス(OAS)
- オミセゴー(OMG)
- サンド(SAND)
- シバコイン(SHIB)
- ソラナ(SOL)
- トロン(TRX)
- エックスディーシー(XDC)
- ステラ(XLM)
- リップル(XRP)
- テゾス(XTZ)
- ジパング(ZPG)
- ユーエスディーシー(USDC)
こんな人におすすめ
運営企業への信頼を重視し、投資を始めて徐々にその範囲を広げたい方、ストレスフリーでビットコインを購入し、レンディングや積立などの便利なサービスを活用したい方に理想的です。申込は最短5分で完了し、「最短当日」には口座開設が完了します。

- エイプコイン(APE)
- アバランチ(AVAX)
- アクシーインフィニティー(AXS)
- バット(BAT)
- ブラッドクリスタル(BC)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- ブリリアンクリプトトークン(BRIL)
- ビットコイン(BTC)
- チリーズ(CHZ)
- ダイ(DAI)
- ドージコイン(DOGE)
- ポルカドット(DOT)
- エンジンコイン(ENJ)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- イーサリアム(ETH)
- フィナンシェトークン(FNCT)
- ザグラフ(GRT)
- イミュターブル(IMX)
- アイオーエスティー(IOST)
- リンク(LINK)
- リスク(LSK)
- ライトコイン(LTC)
- ディセントラランド(MANA)
- マスクネットワーク(MASK)
- ポリゴン(MATIC)
- メイカー(MKR)
- モナコイン(MONA)
- ぺぺコイン(PEPE)
- クオンタム(QTUM)
- サンド(SAND)
- シバコイン(SHIB)
- ラップドビットコイン(WBTC)
- ネム(XEM)
- ステラ(XLM)
- リップル(XRP)
- シンボル(XYM)
こんな人におすすめ
ビットコイン投資をお得に、より簡単に始めたい方。IEOやINO(イニシャル・NFT・オファリング)などの投資機会にアクセスしたい方。マネックス証券やマクロミルのポイントシステムと連携し、1ポイントを1円として使用可能で、持ち出し資金ゼロから投資をスタートできます。

- エイダ(ADA)
- アスター(ASTR)
- コスモス(ATOM)
- アバランチ(AVAX)
- バット(BAT)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- ビットコイン(BTC)
- チリーズ(CHZ)
- ダイ(DAI)
- ドージコイン(DOGE)
- ポルカドット(DOT)
- エンジンコイン(ENJ)
- イーサリアム(ETH)
- FCR(FCR)
- ファイルコイン(FIL)
- リンク(LINK)
- ライトコイン(LTC)
- メイカー(MKR)
- モナコイン(MONA)
- NOT A HOTEL COIN(NAC)
- クオンタム(QTUM)
- サンド(SAND)
- ソラナ(SOL)
- ネム(XEM)
- ステラ(XLM)
- リップル(XRP)
- テゾス(XTZ)
- シンボル(XYM)
こんな人におすすめ
オリコン調査で「カスタマーサポート」評価項目において第一位を獲得、信頼性の高いサポートを求める方に適しています。検討段階であるNOT A HOTELのIEOは、不動産などリアルワールドアセット(RWA)を裏付けとしたトークンとして国内初の試み、注目を集めています。
5.分散投資の前の注意点

ただし、資産の管理面において、仮想通貨(デジタル通貨)ならではの注意点も十分に把握しておく必要があります。仮想通貨において懸念される点は主に、ハッキング被害とIPアドレスの管理についてです。
5-1 ハッキング被害
近年でも、大規模な犯罪集団による仮想通貨ハッキングは行われており、セキュリティの脆さを訴える方も少なくありません。ハッキング行為はいつどこで起きるか予測することができず、不特定多数の被害者が出ている事から、仮想通貨保有する方は常に警戒しておく必要があるのです。
このような被害を避けるには、自己資産をネットから遮断し管理するコールドウォレットと言われる管理方法があります。しかし、頻繁に資産を利用するユーザーには不向きなため、長期保有を前提に考えている方向けです。
5-2 IPアドレスの管理
アドレスを間違えて通貨を送金してしまうと、送金先が不明となり、資産を取り戻すことが難しいでしょう。アドレスはアルファベットと数字が連なっているため、一見しただけでは見落としてしまうこともあります。
誤送金を避けるためにはまず少額な資金で試験的に送金し、問題なく送金できたことを確認できた段階で必要な分の資金を送金するようにしましょう。銀行のような仲介機関がない、仮想通貨取引ではこのようなケースも念頭に置く必要があるのです。
6.まとめ:分散投資で安定した運用を
本稿では、初心者の方でもすぐに実践が可能な分散投資について解説してきました。複数銘柄への分散投資によりポートフォリオ全体のリスクを和らげ、時間的分散を用いて急な価格変動を対処する。2つの分散方法を実践することで、資産運用で相乗効果を発揮するでしょう。
また、複数の取引所で各資産を管理することで、集中投資による機会損失を防ぎ、不測の事態のリスクヘッジも行えます。ただし、仮想通貨ではハッキング被害や詐欺被害により資産流出も考えられるため、取引所で資産を管理する場合には十分に注意しましょう。
今まで集中投資で利益を出していた方も、分散投資を理解することで新しい切り口から投資と向き合うことができます。まずは、少額の資金からでも分散投資を始めてみてはいかがでしょうか。
この記事の監修
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