9月の仮想通貨動向
9月第2週の暗号資産(仮想通貨)市場は、エルサルバドルでのビットコイン法(Ley Bitcoin)施行にもあり、週明けこそ約3ヶ月ぶりに51,000ドル(560万円)台に到達するも、7日深夜にかけ大幅反落。
大規模ロスカット(強制清算)で、一時前日比-10%程の急落に至った。
時価総額2位のイーサリアム(ETH)も4,000ドル(44万円)付近の高値圏から、8日時点で3,300ドル(36万円)台まで 下落。前週比-14%程下落した。
時価総額TOP20の騰落率
時価総額上位銘柄の週間騰落率は以下の通り。(12日時点:ステーブルコイン除く)
- アルゴランド(ALGO)+80.72%
- ソラナ(SOL)+22.86%
- テラ(LUNA)+13.75%
- アバランチ(AVAX)+23.00%
- ポルカドット(DOT)+3.97%
全般的に下落基調だった中、アルゴランド(ALGO)の上昇が特に目立った。先週まで時価総額順では34位だったが、15位まで浮上。テラ(LUNA)は7月下旬以降、上昇を継続しており、10日には過去最高値を更新した。
また、アバランチ(AVAX)やソラナ(SOL)などのFTX銘柄も好調を維持している。
関連:2015〜2020年、仮想通貨「時価総額TOP20」の顔ぶれと変化
ビットコインのオンチェーン・データ
ビットコイン(BTC)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。
BTC保有傾向は過去最高水準
オンチェーンアナリストで強気派のWill Clemente氏は13日、「ビットコイン供給量の93%が過去1ヶ月以内に動いていない」と指摘。過去1ヶ月以内に取引されたビットコインは全体の7%に留まっており、いずれもHODL(長期保有)傾向がこれまでにない水準で顕著になっているとした。
93% of Bitcoin's supply hasn't moved in at least a month.
— Will Clemente (@WClementeIII) September 12, 2021
This is an all-time high. Just another metric showing how bullish supply dynamics are. pic.twitter.com/Rx6TuVkdYW
需要と供給の関係上、より多くの投資家がビットコインを手放さない傾向が強まれば、供給面の不足が生じ、価格が上昇にプラスとなるシナリオ(供給ショック)に近づいていると予想した。
このような供給ショックを示すデータは、UTXOに基づいた保有日数以外のデータからも見受けられる。
取引所預入残高が減少
仮想通貨分析サイトCryptoQuantのKi Young Ju CEOは10日、「仮想通貨取引所のビットコイン残高が過去最低水準に達している」と指摘。流通するビットコインの供給量不足は、価格面にポジティブとの見方を示した。
$BTC supply on exchanges is about to break its previous low.
— Ki Young Ju 주기영 (@ki_young_ju) September 10, 2021
Hope to see another sell-side liquidity crisis on #Bitcoin.
Live Chart 👇https://t.co/blydpKpykt pic.twitter.com/zCrq9o5YFT
オンチェーン・アナリストのAlex Moskovski氏もこれに同調。取引所のBTC残高は、「過去3年間で最低水準にある」と述べ、マクロ的な要素と噛み合えば上昇の土壌は整いつつあると分析している。
stablecoin liquidity increasing
— Lex Moskovski (@mskvsk) September 12, 2021
bitcoin on exchanges hit a 3-year low
normies awaken
if macro doesn't shit the bed, the next leg up is programmed
取引所預入残高とは
取引所に預入られている仮想通貨の総量を示す指標。英語ではExchange Supply。
取引所にデポジットされていない場合、売り圧力の低下につながるとされるため、低下は前向き要因として捉えられている。
▶️仮想通貨用語集
glassnodeの分析
また、オンチェーン分析サイトGlassnodeはビットコインの保有傾向について考察した。
以下の2点を踏まえ、多くのビットコインが29000ドルから40,000ドルのレンジで取引されたと分析。さらに、2021年上半期にビットコインを購入した投資家は50%以上の急落があっても手堅く保有を続ける傾向があると評した。- BTC供給量の16.8%以上が過去5ヶ月間に利用され、52,800ドル以上の価格帯で利益に転じた点
- 長期保有者がBTC供給量の79.5%を保有している点(高騰前の2020年10月と同水準)
The relative supply held by LTH and STH tells us an interesting story about #Bitcoin:
— glassnode (@glassnode) September 12, 2021
1. Over 16.8% of the $BTC supply was spent in the last 5mths and returned to profit at the recent $52.8k high.
2. Long-term holders now own 79.5% of the $BTC supply, equivalent to Oct 2020. pic.twitter.com/lctIEtZVax
ただ、長期保有されているビットコインはグレースケールのビットコイン投資信託(GBTC)やカストディ下のビットコインである可能性もあると示唆した。
なお、オンチェーンアナリストのEcoinmetrics氏が8日に公開したレポートでは、企業や政府が保有するビットコインは全体の供給量の約7.9%に相当するというデータも出ている。
世界で初めて、国家としてビットコインを購入したエルサルバドルの他にも、数ヵ国の政府が犯罪捜査で押収した仮想通貨などを保有。
関連:ビットコインのHODL事情 政府や企業が全供給量の約8%を保有
イーサリアムのオンチェーン・データ
イーサリアム(ETH)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。
ETH2.0 ステーキング額
ステーキング額:763万ETH(前週比+23万ETH)
関連:仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み
DeFi(分散型金融)
DeFiプラットフォームのTVLは12日時点で1,656億ドル(18.1兆円)だった。
【前週比:-121億ドル(1.3兆円)】
TVL(Total Value Locked)は、DeFiプロトコルへ預入れされた仮想通貨資産の総ロック額を指す。
NFT取引量が減少
一方、NFTマーケットプレイスの取引量は過去最高だった8月から若干勢いを落としている。2ヶ月連続で10億ドル(1,100億円)のラインを突破はしているものの、現状のペースでは8月に突破した30億ドル(3,300億円)のライン突破は難しそうだ。
NFT市場の取引高は軒並み下がっており、直近1週間で50%以上減少。OpenSeaの人気上位プロジェクトのCryptoPunksやBored Ape Yacht Club、Art Blocksなども例外ではない。
一方、NFTデータ分析サイトCrypto Slamのデータでは、新プロジェクトのThe Sevensの売上高が急増し3位に浮上した。
画像ここ 出典:Crypto Slamクリプト指標
日程 | 指標 |
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9/14 |
PLT 公式ウォレット上でステーキング開始 |
9/14 |
サクラエクスチェンジ Symbol(XYM)上場 |
9/16 |
SBI VCトレード 新規2銘柄取り扱い発表 |
前回の週次レポートはこちら:ビットコインのトランザクション数が再びピーク水準、イーサリアム2.0のステーキング額は300億円相当に
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関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人