マクロ経済と金融市場
11日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比87ドル(0.25%)高、ナスダック指数は156ポイント(1.1%)高で取引を終えた。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比0.3%安の1BTC=25,798ドルに。
25,300ドルのサポートライン(下値支持線)の節目で推移しているが、割り込めば下げ足を強めるおそれもある。
主要アルトでは、イーサリアム(ETH)の前週比4.68%安、XRPの前週比6.46%安に対し、ソラナ(SOL)は前週比12.6%安と下落幅が大きい。
仮想通貨分析機関IntoTheBlockの分析によれば、暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの保有資産の内、30億ドル(5000億円)規模の仮想通貨の清算が近日中に発生する可能性がある。
この点について、海外のアナリストである hitesh.eth氏の解説によれば、FTXが資産清算の承認を得たとしてもすぐに全資産の売却を始められず、長期に渡り段階的に売却される可能性が高い。
Some clarification on FTX Crypto Liquidation.
— hitesh.eth (@hmalviya9) September 10, 2023
FTX is likely to get approval to liquidate assets on 13 Sept, It doesn't mean they would start selling assets immediately after they get approval. They are not allowed to sell anything as of now.
I cross checked with @sunil_trades… pic.twitter.com/nmGOZeD0zv
杜撰な経営や数々の不正が明るみとなり、債務超過に陥ったFTXは22年11月11日、米連邦破産法11条(チャプターイレブン)に基づき破産申請した。その後、FTXの新CEOに着任したジョン・レイ氏主導の元で事業再生の可能性を検討しており、債権者は10万人超に及ぶとされる中、保有資産の整理や回収を急いでいる。
FTXは多くのプロジェクトに積極投資していた経緯もあり、保有資産の中にはソラナ(SOL)やFTT、ビットコイン(BTC)などが大量に含まれているために市場の警戒が高まった。
米デラウェア州裁判所に対する資産売却の申し立ては、資産運用企業ギャラクシー・デジタルに委任されており、裁判所判断は13日に下りる見込み。条件付きながらも、毎週最大2億ドル相当の特定のトークン売却が提案にあるとされる。
FTXは11億ドル相当のソラナ(SOL)のほか、数億ドル相当のBTCとETH、アプトス(APT)やスターゲイト(STG)のポジションを保有しているが、裁判所承認が下りたとしても個別銘柄には、VCなど初期投資家に対する長期のロックアップが掛かっており、市場価格に影響を与える可能性のあるトークン量は700万SOL、1000WBTC、2500WETHなど、市場の警戒水準は大きく下回るとみる有識者もいる。
FTX Solana Holdings
— Ethan(Broken Logic Seeker) (@etiensyo) September 4, 2023
Some news is trending in CT in which the #FTX $Sol Addreses apparently started moving their Coins and Tokens. The purpose of this movement could be related to the fact that FTX is seeking court approval to monetize crypto assets, unlocking them to the users.… pic.twitter.com/cfCeclgCN7
直近では、大手トレーディング企業らがBTCやETHなどを仮想通貨取引所に大量送金した動きが確認され、市場心理の悪化を招いた。一方、マーケットメーカーによる流動性提供を目的としたものである可能性も指摘される。
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国内銘柄
暗号資産(仮想通貨)取引所coinbookでは、『IDOL3.0 PROJECT』のユーティリティトークンNippon Idol Token(NIDT)が、一時前日比50%高の88.8円台まで値上がりした。
NIDTは国内4例目のIEO銘柄としても個人投資家から注目を浴びた。
IEO(Initial Exchange Offering)とは
仮想通貨取引所が主催し、新規トークンを一般投資家に販売する方法。取引所がプロジェクトの審査やマーケティングを行い、トークンの流動性が確保されることが期待される。
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NIDTは上場直後こそ公募価格の5.0円をすぐに割り込み失望売りを誘ったものの、オーディション参加者のメンバーや次世代アイドルプロジェクトの全貌が明かされるにつれて右肩上がりに上昇。11日時点で公募価格の17.7倍まで高騰した。
ただ、急騰の反動で値下がり場面があるなど、ボラティリティ(価格変動性)には注意が必要だろう。
上昇の背景
秋元康プロデュースの次世代アイドル『IDOL3.0 PROJECT』のメンバーを決めるオーディションが8月上旬より始まり、現在はFinal Stageまで進んでおり、10月7日に最終発表が迫るなど佳境を迎えつつある。
惜しくも落選した候補生の復活投票「ホワイトナイトシステム」の稼働も、NIDT需要を大きく押し上げた。
ホワイトナイトシステムでは、NIDT保有数に応じて追加投票できる仕組みが用意されており、デビュー前からファン投票が過熱しているものと見られる。
NIDTの上場先はDMM Bitcoin(販売所)とcoinbook(取引所)の2つのみとなっており、販売所のスプレッドの広さや取引所の板の薄さなど出来高及び流動性の低さも足元ではプラスに働いた可能性がある。
『IDOL3.0 PROJECT』は、運営スタッフにAKB48や乃木坂46などの大手アイドルグループの育成経験を持つキングレコード株式会社をはじめとするプロフェッショナルが集結し、新しいアイドルブームを作り上げることを目指している。
さらに、これまでのアイドル活動にはなかった「ブロックチェーン技術とメタバース(仮想空間)を利用した活動領域の拡大」をミッションとし、日本だけでなくグローバル展開を目指すプロジェクトとして、web3.0業界からの関心も高い。
半年のオーディション期間を経て、最終合格者は10月7日(土)に発表される見込み。
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