9/12(火)朝の相場動向(前日比)
仮想通貨関連銘柄 全面安
- コインベース|80.6ドル(-1.8%)
- マイクロストラテジー|342.6ドル(-3.8%)
- マラソン・デジタル|10ドル(-7.7%)
- ストロングホールド・デジタル・マイニング|4.1ドル(-9.1%)
仮想通貨関連株は、ビットコインやアルトコインの下落に連れ安。FTXによるアルトコイン大量売却が懸念されている。
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国内仮想通貨・ブロックチェーン関連銘柄
- SBIホールディングス|3,144円(+0.8%)
- マネックスグループ|556円(+1.6%)
- ドリコム|545円(-7%)
- コロプラ|645円(0%)
ドリコム
株式会社ドリコムはWeb3ゲーム領域を開拓すべく、保有する大型IPである「ウィザードリィ」を活用し放置系ブロックチェーン版ゲーム「Eternal Crypt -Wizardry BC-」を開発している。本プロジェクトは今年の5月に発表され、先週暗号資産取引所コインチェックにてゲーム内キャラクターNFTコレクションである「Eternal Crypt – Wizardry BC – Adventurer Genesis Collection」の「INO(Initial NFT Offering=IEOに類似)」を実施した。
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また、先週木曜日に、ドリコムはゲームのマーケティングやコミュニティ強化を図る狙いとしてWeb3ライフスタイルアプリ「STEPN」などの運営を手掛けるFind Satoshi Lab、及びWeb3専門のファンドEmooteとの戦略的パートナーシップを発表した。コインチェックINOの完売やFind Satoshi Labとの提携ニュースを受けてドリコムの株価は先週金曜日に前日+9%強となった。
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コロプラ
株式会社コロプラについては、7月末国内Web3業界最大のカンファレンス『WebX』(CoinPost協力)にて、100%子会社でブロックチェーンゲームを手掛ける「株式会社Brilliantcrypto(ブリリアンクリプト)」が新作ブロックチェーンゲーム『Brilliantcrypto』を披露した。
このゲームは現在開発中で、今四半期(7~9月)にクローズドベータ版をリリースする予定。また、正式なローンチは来年1Q(1~3月)で、コインチェックでのIEOも検討しているという。(ゲーム内容については下記記事参照)
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また、コロプラは先月23日、Brilliantcryptoへの25億円増資を10月に行う計画を発表した。今後、東証プライム上場企業であるコロプラの業績に影響する点で注目される。
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伝統金融
暗号資産
本日のNYダウ・ナスダック
本日の米国NYダウは+0.2%と3日小幅続伸。ナスダックとS&P500も続伸した。テスラ(約5%高)とクアルコム(約4%高)の上昇が市場を支えた。
テスラについては、米モルガン・スタンレーが昨夜テスラの自社開発スーパーコンピューター「Dojo(ドージョー)」の活用で、時価総額を最大6,000億ドル上乗せできると予測し、目標株価を従来の250ドルから400ドルに引き上げたことが好感された。
また、半導体大手クアルコムに関してはアップルが同社からモデムチップを調達する契約を3年延長することが発表された。アップルが米時間12日に発表する予定の次期モデル「iPhone15」が当初、クアルコム製モデムチップを搭載する最後の機種になるとされていたが、契約の延長によって今後3年間(2026年モデルまで)のiPhoneもクアルコム製チップを利用することになる。
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マクロ経済見通し
市場が今週最も注目するのは、「9/13(水)21:30 米8月消費者物価指数(CPI)」であろう。CPIは先日の8月雇用データなどとともに来週21日木曜日に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利決定を左右するデータとなる。
11日に米ニューヨーク連銀の発表した8月の消費者調査では、消費者からのインフレ期待は全体的にほぼ変わらなかった結果が得られた。1年先のインフレ期待は3.6%と前月の3.5%から微上昇した一方、3年先のインフレ期待は2.8%と前月の2.9%からやや低下した。一方、家賃や食料品、医療費などの物価上昇の加速を見込んでいるという。
本日の米国債利回りは2年債(4.99%)を除き全面高。10年債利回りは前日比で+0.65%(4.29%)で、30年債利回りは+0.87%(4.38%)。
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ソフトランディングの見方
今後の利上げ見通しについては来週FOMCでの金利据え置きの可能性(=92%)が非常に高いが、完全に利上げを終了する方向に向かっているわけではなさそうだ。CME金利先物観測では11月FOMCでの0.25%利上げの可能性は約40%で、1ヶ月前の33.9%から上昇してきた。経済の強靭さと利上げ継続におけるバランスを取ろうとするFRBがソフトランディング(軟着地)を成し遂げられるが決め手になる。
米国銀行協会(ABA)の経済諮問委員会委員長であるSimona Mocuta氏は、ソフトランディングに対する懐疑的な見方は歴史的な記録から十分に正当化されるが、経済の主要エンジンである個人消費を、米国の成長を維持するのに十分な程度に活性化させ続けるだろうとし、インフレ圧力は十分緩和されており、FRBは利上げを中止し来年までに最大1%ポイント利下げする余地さえあるとみているという。
重要経済指標(注目度:★★★★☆)
来週以降の重要経済指標
— CoinPost(仮想通貨メディア) (@coin_post) September 8, 2023
・9/13(水)21:30 米8月消費者物価指数(CPI)
・9/14(木)21:15 欧州中央銀行(ECB)政策金利
・9/14(木)21:30 8月卸売物価指数(PPI)
・9/14(木)21:30 米8月小売売上高
・9/21(木)3:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表
円上昇 日銀発言受け
円相場は11日、対ドルで1%超え上昇し一時1ドル=145円台後半まで売られた。また、長期金利は9年8カ月ぶりの水準に上昇した。
材料については、日本銀行の植田和男総裁が週末の読売新聞インタビューで「マイナス金利の解除後も物価目標の達成が可能と判断すれば、(解除を)やる」と言明したことが材料視された。一方、ブルームバーグによると、野村証券の松沢中チーフストラテジストは、植田総裁が「年末」と具体的な時期に言及したのは「市場にそれを織り込んで下さいと言っているようなもの」で、米国経済の急減速など不測の事態とならない限り年内にマイナス金利を解除するのではないかと分析した。
日銀は今年7月にイールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)の上限を事実上1%に引き上げた経緯がある。総裁は同インタビューで「経済・物価見通しが上振れした時に、日銀がYCCを意図しない形で放棄するようなことに追い込まれるリスクもゼロではなかった」と説明したという。市場はYCC解除が先行し次にマイナス金利が解除されるとの見方が多かったようだ。
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