ADGMより100億円以上の支援
暗号資産(仮想通貨)IOTAの研究・開発を行う非営利組織「IOTA財団」は27日、IOTAがアラブ首長国連邦(UAE)アブダビで、アブダビ・グローバルマーケット (ADGM)に登録された最初の分散型台帳(DLT)財団になると発表した。
機関投資家や多様な資産をエコシステムに流入させる上で大きな前進だとしている。
ADGMはアブダビ現地の金融センターであり、仮想通貨取引の規制も担当している機関だ。
今回の動きにより、IOTAエコシステムには、IOTAトークンの形で約147億円(1億ドル)を超える資金が4年間に渡って提供されることになる。この資金は、IOTAエコシステムの育成とIOTAプロトコルの成長を加速することに充当されていく。
IOTA財団は、今回の登録を受けて、地域内で重要なパートナーシップを構築していき、IOTAとそのステージング・ネットワークである「Shimmer」の導入をさまざまな分野で推進していく計画だ。
「Shimmer」は模擬的な環境として、開発者が分散型金融(DeFi)や非代替性トークン(NFT)のアプリケーションをテストできるレイヤー1ネットワークである。独自トークンとしてSMRを提供している。
アブダビを拠点とする主要な取り組みとしては、実物資産(RWA)トークン化のために機関投資家、政府、学術機関と協力していくことが挙げられた。世界の様々な資産をオンチェーンで提供することにより、UAEの仮想通貨セクターに数十億ドルをもたらすとしている。
RWAトークン化は、日本も含め世界各国で取り組みが行われている注目分野である。
さらに、ADGMのエコシステム内で仮想通貨コミュニティを育成することも目指しており、そのためのイベントを定期的に開催していく予定だ。
RWAとは
「Real World Asset(現実資産)」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債権等の有価証券などが含まれる。
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アブダビの良好な規制環境
IOTA財団のドミニク・シーナー共同創設者兼会長は、次のようにコメントした。
アブダビ・グローバルマーケット(ADGM)からIOTA財団が支援を受けることや、当財団とUAE当局とのパートナーシップは、単なるグローバルな事業拡大というだけではない。
これは、仮想通貨市場における、規制との相乗効果という新時代の到来を意味する。
IOTA財団は、ADGMは世界でも最も進歩的で柔軟な規制フレームワークの1つを備えていると評価している。
ADGMは2月、テック企業育成プロジェクトでHub71で、ブロックチェーンやメタバースなどWeb3の推進のため約2,700億円を投下するとも発表したところだ。
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Web3とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
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