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暗号資産ロックアップ解除の最新トレンドと市場影響 Token Unlocks

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ロックアップ解除イベントを分析

Token Unlocks社は、2月初旬に年次レポートを公表した。このレポートでは、同社が追跡する約100種類の暗号資産(仮想通貨)に関して、600件に及ぶトークンのロックアップ解除イベントに焦点を当て、それらが価格にどのような影響を与えたかを分析している。

このリサーチでは、トークンアロケーション(配分)を「コミュニティ&その他」「創業者/チーム」「プライベート投資家」「パブリックセール投資家」「リザーブ」の5つのカテゴリーに分けた。以下の表は、各カテゴリー内でのトークン配分の平均値を示している。

出典:Token Unlocks(以下全て)

結果、15のジャンル中12ジャンルで「コミュニティ&その他」カテゴリーにトークン配分が集中する傾向が見られた。また、どのジャンルも創業者やチーム、一般投資家への配分が最も低い傾向がある。

ロックアップ解除前後の値動き

このレポートはまた、ロックアップ解除の価格への影響を、ロック解除日の前後15日、7日、3日の期間で詳細に調査している。分析によると、ロックアップ解除はその規模によって大きく異なるため、トークン価格への影響度合は、流通供給量に対するアンロック量の比率に基づいて調整されている。

Token Unlocks社の分析によると、トークンのロック解除後の市場反応はカテゴリーによって異なります。要点を簡潔にまとめると以下の通りです。

  1. パブリックセール投資家: ロック解除後のパフォーマンスが最も悪く、15日後には平均で3.8%の価格下落を記録。
  2. コミュニティ & その他: 流通供給量に対するロック解除量の比率が高いものの、ロック解除後の価格上昇率が顕著、ロック解除前に比べて約2倍に。
  3. 創設者とチーム: ロック解除の影響が比較的穏やかで、ロック解除日の前後で価格が上昇する傾向に。
  4. プライベートセール投資家: ロック解除後の価格上昇率が最も大きく、解除から7日後には平均で34.5%の上昇を見せる。
  5. リザーブ: 分散型自律組織(DAO)やマルチシグウォレットに移管されるため、将来の受取人が未定であることから、ロック解除日の前後で価格の動きが不安定に。

なお、「プライベートセール投資家(ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家)」カテゴリーでは、ロック解除されるトークンの量が他のカテゴリーに比べて最も大きい。

この大量のロックアップ解除が原因で、一般投資家はこれらの投資家がトークンを大量に売りに出す可能性を懸念し、ロックアップ解除前にトークンの価格が下落する傾向があると考えられる。

関連:ビットコイン37000ドル台維持、弱含みのアルトコイン相場は大規模アンロック警戒も

市場環境とトークン初値への影響

さらに、市場環境と初期トークン付与時の価格動向についても言及されており、強気市場と弱気市場での初期トークン配布後の傾向が分析されている。

この分析は、プロジェクト開始時の初期フロート(市場に流通するトークン量)と、当時の市場環境(強気市場か弱気市場か)を考慮している。

強気市場の場合、最初の価格変動から3日間で価格が40%以上急騰する場合が多いが、その後15日間で価格は下落し、最初の価格変動日のレベルを下回る傾向にある。

対照的に、弱気市場では、初期の価格変動後、価格がさらに下落し続け、最初の価格変動日よりも低くなることが一般的で、弱気市場ではトークンの発行がより困難である。

ロックアップ価値(ドル)が大きいプロジェクト

また、ロックされたトークンの価値について、2023年末時点でのToken Unlocksが追跡する101のトークンの中から、無限の最大供給量を持つ17個(Aptos、Solana、Pokadot など)を除外し、残りの84個の固定供給トークンに焦点を当てた上位プロジェクトがリストアップされた。ワールドコイン(WLD)が327億1000万ドルでトップに立っている。

なお、いくつかのトークン、例えばイーサリアム・ネーム・サービス(ENS)、チェーンリンク(LINK)、アービトラム(ARB)、およびオプティミズム(OP)は、請求期限内にロック解除されなかったトークンも、含まれている可能性がある。

関連:7月の大型トークンアンロック Optimism、Aptos、ApeCoinの配布計画と影響は?

トークン別のロックアップ解除の進捗

以下の図は、84プロジェクトのトークンロック解除状況を積み上げ棒グラフで表している。2023年以前に解除されたトークンは赤色、2023年中に解除されたトークンは黄色、未だロックされているものは灰色で表示。

9種類のトークン(POOL、PEPE、GTC、SUSHI、JOE、LOOKS、FTM、X2Y2)は2023年中にロックアップ解除が全て完了した。これらは市場の安定性と予測可能性を向上させ、トークン配分に関する価格下落につながるリスクが低いとされている。

関連:トークンアンロックと仮想通貨価格への影響は? TokenUnlocks報告

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