CoinPostで今最も読まれています

週明けにかけビットコイン反発、ETF投資家の影響について有識者間で見解割れる

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

前週末22日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比305.4ドル(0.77%)安、ナスダック指数は26.9ポイント(0.16%)高で取引を終えた。

東京株式市場では、前場の日経平均株価は前日比259.4円(0.63%)安となった。

前週末のビットコイン(BTC)下落の影響を受け、米国株の暗号資産(仮想通貨)関連銘柄は軒並み下落した。

CoinPostアプリ(ヒートマップ機能)

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比3.6%高の1BTC=66,647ドルに。

BTC/USD日足

急落時の押し目買い意欲は旺盛であり、週足では2週にわたって上下に長い下髭を付けると、調整局面における60,000ドル割れ、および続落を否定した。

BTC/USD週足

CoinPostに寄稿するbitbankアナリストの長谷川氏が指摘するように、当面は高値圏にてレンジ内での揉み合いが続くか。

関連:底堅い推移のビットコイン、目先は高値圏の揉み合いを想定|bitbankアナリスト寄稿

一方DonAlt氏は、「ビットコイン(BTC)が月足陽線で閉じることができなければ、強力な売りシグナルとなり得る。月足の終値が56,000ドルを下回った場合はチャートが完全に崩れてしまうからだ」との見立てを示した。

ETF投資家の動向は

ETFアナリストのEric Balchunas氏は、オンチェーンアナリストのWilly Woo氏による「新たに参入したETF投資家は、押し目買いで自己保管(セルフカストディ)を行った大口よりもビットコイン相場について経験不足を露呈した」との見解に反論する形で、自身の見解を述べた。

Eric Balchunas氏によれば、ETF投資家は実際には強力なサポーターであり、GBTC(グレースケール・ビットコイン・トラスト)からの資金流出はなど直近の売り圧力は、破綻したジェネシスが保有していたGBTCの債務整理によるものだ。

ETF投資家らは、リーマン・ショックで株価が暴落した2008年には、1670億ドルを35%下落したS&P 500 ETFに投じたほか、2021年にSPYが18%下落した際にも6000億ドルもの巨額投資を行ったという。

Eric Balchunas氏はこのように述べ、「伝統金融市場を主戦場とする熟練のETF投資家らは、保守的な側面のみならず新たな金融商品にもいち早く適応し、一般に考えられているよりも遥かに強靭である」ことを強調した。

関連:グレイスケール「GBTC」のビットコイン売り圧力、現行ペースなら約3ヶ月後には消滅=Arkham

これに対し、Willy Woo氏は懐疑的な論調を貫いた。

だとしても、目先の底値で1.6億ドルの純流出がビットコインETFから発生している。相場の急変に動揺した結果、保有したばかりのBTCをいくらか手放したことは事実だろう。すなわち、市場心理としては“貪欲”よりも(握力の弱い)“恐怖”の感情が支配していたことを示唆している。

Willy Woo氏はこのように述べ、資金の動きよりも、相場の不確実性が強まった時期における投資家の行動の方が、真の強さを測る指標になるという考えを強調した。

関連:ビットコイン半減期とは?過去相場の価格変動から探る2024年の展望

関連:ビットコインの買い方|投資メリットやリスク、おすすめ取引所は?

Glassnodeのアナリスト分析によれば、市場供給量の減少するビットコイン半減期は相場にとって強気シグナルとして解釈されることが多いが、市場への直接的な影響は心理的要因に大きく影響される。

2016の半減期相場では、1BTC=760ドルから540ドルまで約30%調整する局面もあった。その一方で、2016年や2020年の市場よりも機関投資家の比率が増え、市場は遥かに成熟しつつある。半減期前に“過去最高値”を更新することは、これまでの歴史で前例のない新しいシナリオであり、ビットコインETF(上場投資信託)承認の影響も計り知れない。

現在の市況は、過去のトレンドから憶測不可能な未知の局面に突入しているとも言えそうだ。

関連:おすすめの仮想通貨取引所のメリットを比較 イラスト解説付き

関連:ステーキングや積み立てサービスに優位性、仮想通貨取引所「SBI VCトレード」のメリットを解説

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/27 日曜日
13:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、アバランチのVisaカード発行やAI系ミームコインGOATの高騰など
仮想通貨市場の1週間の動きをまとめ、ビットコイン、イーサリアム、XRP、アバランチなど時価総額上位の仮想通貨の最新の材料を紹介。米国著名投資家の発言やマイクロソフトのビットコイン投資検討など、重要なトピックスも取り上げた。
11:30
心理的節目の上抜けに成功すれば、ショートカバー伴い最高値を試しにいく展開も視野|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが1000万円台前半で底堅い推移となるビットコイン(BTC)相場を分析。今週の相場失速で失望するのは時期尚早だと言及し、今後の展望を解説した。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|DOGE時価総額3兆円突破に高い関心
今週は、ドージコインの時価総額3兆円突破、米政府のウォレットから30億円相当の仮想通貨が不正流出した可能性、マイクロソフトのビットコインへの投資評価に関するニュースが最も関心を集めた。
10/26 土曜日
14:00
「ビットコイン現物ETF、個人投資家が需要の8割を占める」バイナンスが報告
バイナンスがビットコインの流通量4.5%を現物ETFが保有していると指摘。個人投資家主導の需要拡大と機関投資家の緩やかな参入を分析している。
11:55
リップル社、仮想通貨XRPめぐる対SEC控訴裁判で4つの論点を提出
リップル社がSECとの裁判で控訴審に向けた陳述書を提出。ハウィーテストの適用など4つの重要論点を提示している。
07:20
マイクロストラテジー、24年ぶりの高値 ビットコイン強制売却の可能性は「極めて低い」 BitMEXが分析
BitMEX Researchのアナリストは、マイクロストラテジーが現在の債務構造に基づいて保有しているビットコインを強制的に売却する可能性は「極めて低い」と主張した。
06:35
ハッカー、米政府の仮想通貨ウォレットに大部分の流出資金を返還
米政府の仮想通貨ウォレットから流出した約30億円相当の資金のほとんどが、24時間以内に返還されたことが観測された。
06:15
テザーCEO、米政府捜査の報道を否定
ステーブルコイン発行企業テザーのパオロ・アルドイーノCEOは26日、米国の連邦検察当局が同社を調査しているとのWSJ報道内容を否定した。
10/25 金曜日
18:05
AIエージェントと仮想通貨の融合 コインベースが描く未来像
米コインベース・ベンチャーズは、人工知能(AI)とブロックチェーン技術の新たな融合がデジタル経済を変革すると主張。Web3上で、自律型AIエージェントが人間と自由にやりとりする世界「エージェントWeb」が誕生する未来のビジョンを描いた。
13:28
国内における「暗号資産ETF」実現に向け、 ビットバンクが勉強会の総意として提言公表
暗号資産(仮想通貨)bitbankを運営するビットバンクは、証券会社や資産運用業者、信託銀行等と共同で行う「国内暗号資産ETF」勉強会への参加とともに、参加メンバー一同として日本における暗号資産ETFの実現に向けた提言を発表した。
11:40
個人マイナーが再びビットコインブロック採掘に成功、3200万円相当の報酬獲得
仮想通貨ビットコインのソロ個人マイナーが再び大きな報酬を獲得したことが判明した。9月に続く事例である。
10:45
1995年公開「攻殻機動隊」のNFT、アニモカブランズジャパンから発売へ
今回は第一弾で、1995年に公開された押井守監督作品『攻殻機動隊』をフィーチャーしている。このNFTコレクションでは、作中に登場するキャラクターのパーツを、Mocaverse、CoolCats、San FranTokyoのPFP専用Traitsとしてそれぞれ描き下ろした世界に1つだけの作品となっている。
09:35
米国ビットコイン現物ETF、約100万BTCの保有でサトシ・ナカモトに迫る
米国ビットコイン現物ETFの保有BTCが98.5万枚を突破。サトシ・ナカモトの推定110万枚に接近している。
07:50
マイクロソフト、12月株主総会で「ビットコインへの投資評価」を議決権行使項目に設定
米IT大手マイクロソフトは12月上旬に予定されている2024年の年次株主総会に向けて、「仮想通貨ビットコインへの投資の評価」を議決項目の1つとして設定した。マイクロストラテジーのようにビットコイン保有企業になるか。
07:20
取引所らの企業、日本の仮想通貨ETF誕生に向け提言作成
日本で仮想通貨ETFが承認されることを目指し、取引所や法律事務所らが税制改正などを含め提言を作成した。対象銘柄をビットコインとイーサリアムに絞ることも提案している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧