CoinPostで今最も読まれています

Enjin(エンジン)の次世代NFTブロックチェーン「Efinity」とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Efinity関連情報が続々公開

現在、EnjinはNFT特化型の次世代ブロックチェーン「Efinity」を開発中だ。

Enjinは、現状のままではNFTのポテンシャルが全く活かしきれていないと感じている。その理由は、相互運用性のないエコシステム、ユーザーインセンティブの欠如、高い取引手数料、またネットワーク速度の遅さといった主にスケーラビリティの要因によるものだ。

スケーラビリティー問題

スケーラビリティー問題とは、取引処理が遅延してしまうような「拡張性」の問題を指す。

仮想通貨用語集

Enjin曰く、Efinityはこうした課題を解消するため、Polkadotを用いた次世代型NFTブロックチェーンとして開発中という。Polkadotを用いることで、スケーラブルなソリューションを構築し、誰もが新たなNFT経済圏に参加できるようにすることが狙い。

またEnjinは、世界中のユーザーが、生活のあらゆる場面で物理的・デジタル的な資産を所有し、それらを取引する方法をEfinityとそのネイティブトークンであるEfinity Token(EFI)で実現させることに取り組んでいる。

イーサリアムとは対照的に、すべてのシャード(Polkadotでは「Parachain」と呼ばれる)は完全にカスタマイズ可能であり、スケーラブルで拡張可能なブロックチェーンを構築するには、最適なプラットフォームになるという。

出典:Enjin

NFT特化型ブロックチェーンとしての特徴

Efinityはクロスチェーン・プラットフォームとして、人気の高いERC-20、ERC-721、ERC-1155といったEthereumトークン規格を含む、あらゆるブロックチェーンのFT(ファンジブルトークン)およびNFT(ノンファンジブルトークン)をサポートする。

Efinityはオープンプラットフォームになるように設計されている。高いガス代を心配することなく、異なるブロックチェーンが採用する様々なウォレットやマーケットプレイスを使用できるソリューションとなる。

また、従来のブロックチェーンでは、処理速度が遅いことが問題になるが、Efinityでは、1回の取引で数千万のデジタル資産を鋳造できる。ユーザーにとってはより快適な体験を、開発者にとってはより幅広いアプリケーションを提供することが可能になる。

出典:Enjin

Efinityの取引手数料に関しては、バックグラウンドで行われるように設計されている。また、Efinity には「Discrete Accounts」という機能が追加された。これは、開発者が秘密鍵のないウォレットを作成し、ユーザーがNFT を管理する準備が整うまで、「Discrete Account」でアイテムを使用することが可能になる機能だ。ユーザーが自身のウォレットを作成し、所定のボタンを押すと、アイテムは離散ウォレットから自分のウォレットに移される仕組みとなる。

そして「Fuel Tanks」と呼ばれる独自機能により、企業やクリエイターがユーザーのために取引手数料を補助することもでき、一般ユーザーが気軽にNFTの購入・取引に参加することができるようになるのも特徴の一つだ。

関連:EnjinがNFT特化型のスケーリングソリューションを発表、ガス代削減に尽力

Efinityで実現する新機能

従来のような、柔軟性に欠ける技術ではNFTの本格普及に対して歯止めがかかってしまう。企業や個人の持つそうした懸念を解消するのが、以下に挙げるEfinityの新しい機能だ。

1.オファー

どこでも、どんなNFTにもオファーを出し、報酬を得ることができる、グローバルなデジタル・トレーディング体験の提供を目的とするのが「オファー」メカニズムだ。

オファーは、Efinityが提供するNFTマーケットプレイスに取引されている資産だけでなく、Efinityが提供するゲームやアプリ、また一般のウェブサイトで見かけるような、販売されていないNFTに対しても行うことができるようになる。

ブロックチェーンベースのデジタルや物理的な資産を、どのチェーンやプロジェクトであるかを問わず、購入や取引できる力を与えてくれる。どのブロックチェーンのどのNFTであれ、簡単にEfinityへ転送できるため、他のネットワーク上に存在するNFTにもクロスチェーンでオファーを出すことができる。

また、どのアセットに対して出されたオファーでも、最も高い提示額のオファーは、インセンティブとしてネットワークリベートによる報酬を受ける仕組みをとっている。

2.レシピ

「レシピ」と呼ばれるEfinityの機能によって、ユーザーは報酬の形で企業からインセンティブを受けることが可能となる。

レシピでは、誰でも既存のNFTを用いて新しいNFTを作成することが可能。レシピのコピーを持つユーザーは、コーディングの経験がなくてもEfinity上でレシピを実行することができる。

3.ガバナンス

Efinityネットワークに参加してEFIを保有すると、コミュニティメンバーとしてネットワーク全体の運営方法について提案し、投票することができるようになる。

出典:Enjin

さらに、Efinityに組み込まれたメカニズムにより、すべてのユーザーがネットワークの運営に貢献するというインセンティブが働くことから、ネットワークが民主的かつ公平に機能するようになっている。

EFIトークンの特徴

EFI保有者は、将来的なネットワークのあり方に関し、上述のコミュニティガバナンスで提案および投票できる。

また、Enjinエコシステム内で利用されているEnjinコイン(ENJ)を、Efinityにステーキングすることによってトークン作成をしたユーザーに対し、EFIが報酬として付与される予定だ。Enjinは報酬用に、全供給量の15%に相当するEFIを確保しており、供給は約8~10年後までには完全に分配される計画となっている。

出典:Efinity

また、Efinityでは「NFT.io」というNFTマーケットプレイスが稼働する予定だ。NFT.ioでの入札者にEFIを提供することにより、アセット(資産)の流動性を向上させ、コレクターが所有しているNFTへの評価が可視化されると考えられている。

国外では、すでに流通が始まっているEFI。海外の主要取引所(OKEx, Blockchain.com Exchange, Crypto.com, CoinList)では上場済みだ。

関連:初心者でもわかるエンジンコイン(ENJ)とは|NFTゲーム業界との連携と将来性

潤沢な資金調達に成功

Enjinは今年7月、仮想通貨取引所でのパブリックセールを通じて、新たに発行されたEFIトークンを2,000万米ドル分(約22億円)販売したことを発表していた。それによると、6月24日に開催されたパブリックセールに40,089人の投資家が参加し、わずか2時間半で供給可能なEFIトークンが売り切れたという。

関連:Enjin(エンジン)が新たに20億円超調達、EfinityのEFIトークンで

また、今年3月にもEnjinはプライベートセールを実施しており、その際1,890万ドル(約21億円)を調達した実績がある。このことからもEnjinとEfinity、またNFT市場への期待度の高さが伺える。

関連:Enjin(エンジン)、PolkadotのNFT専用チェーン開発へ 約20億円を資金調達

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。
12:00
世界最大の証券清算機関DTCC、チェーンリンク活用した「Smart NAV」を実験
世界最大の証券清算・保管機関DTCCは、チェーンリンクを活用した「Smart NAV」の実証実験を行った。JPモルガンなど金融大手10社が参加している。
11:10
Slash Fintech、暗号資産決済でVプリカ販売サービス開始 NFT特典も実施中
Slash FintechがVプリカ販売サービスを開始。暗号資産(仮想通貨)決済でVプリカ購入可能。特典としてSlash Genesis NFTをプレゼント。利用方法から使い方まで解説。
10:00
ブラックロックのビットコインETF、アナリストが高評価
ブラックロックの仮想通貨ビットコインETFの購入者数は記録的な数字であると、ブルームバーグのシニアアナリストが高評価。レポートが提出され、ビットコインETFのパフォーマンスを分析した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア