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金融相場リスクオフも、一部アルトの物色進み「ビットコインドミナンス」低下 ポリゴン(MATIC)前日比16.5%高

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

3日の米NY株式市場では、ダウは前日比146ドル(0.46%)安で取引を終えた。

日本時間3日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、FRB(米連邦準備制度)の姿勢が市場想定よりもタカ派だったことを受け、株やビットコイン(BTC)などリスク資産の売りが膨らんだ。

今年8月のジャクソンホール会議の時と同様、楽観気味に推移し始めた市場に釘を刺した格好で、金融引き締め”長期化”への懸念が再び強まった。

0.75%の大幅利上げは織り込み済みだったため、発表直後は急速に値を戻す場面も見られた。

しかし、パウエル議長の記者会見が始まり、「インフレ(物価高)の抑制が最優先であり、早期のピボット(政策転換)は時期尚早」と市場の思惑を完全否定すると一転。ダウやナスダックの急落につながった。

パウエル議長は、従来想定されていた「ターミナルレート(政策金利の終着点)」の引き上げ方針を示した一方、利上げペースの減速についても言及した。

関連:米金融政策決定会合「FOMC」とは|分かりやすく解説

このままの情勢だと欧米諸国のリセッション(景気後退)入りは不可避との観測が強まりつつあり、米債券市場では2年物国債の利回りが10年国債を上回る「逆イールド」が広がった。1980年代以来の水準とされる。

本日21時半には米雇用統計(10月度)の発表を控えており、世界経済の動向を占うことになりそうだ。

関連:4日朝の金融市場短観|NYダウ4日続落 コインベース3Q決算など

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比0.14%安の20,294ドルに。

BTC/USD日足

米主要株指数が続落したにもかかわらず、BTCやETHの価格は3日安値から下値を切り上げており、相対的な底堅さも伺える。

関連:11月FOMC直近、ビットコインのデリバティブ相場をプロが分析|仮想NISHI氏寄稿

アルトコイン相場

アルト市場では、一部個別銘柄に資金が集中するなどして時価総額4位のBNBが前日比4.6%/前週比13.3%高となったほか、11位のポリゴン(MATIC)が前日比16.5%の大幅高に。

BTC.Dの推移

先週は、イーロン・マスク氏のツイッター買収に関する思惑買いでドージコイン(DOGE)が高騰。Shiba Inu(SHIB)など犬系銘柄に波及した。「DOGE」のGoogleの検索件数もピーク時の21年5月に近い水準まで上昇している。

このような状況を受け、ビットコインの市場占有率を示すドミナンス(BTC.D)が再び低下傾向にある。

ドミナンス推移

過去のサイクルのような強気トレンドの最中ではなく”アルトシーズン”と言えるほどの出来高こそないものの、BTC.Dが40%台(赤丸ライン)を割り込み大きく下落した場合、横ばいで停滞するビットコインからの資金移動でアルトコインが買われてゆき、18年1月の過去最低値である35.4%の更新が視野に入る可能性もある。

発端に挙げられるのが、経済界を騒がせたイーロン・マスク氏による米ツイッター社の巨額買収だ。

GAFA(Google、Apple、旧Facebook、Amazon)に匹敵する大企業の一角であるツイッターはWeb2.0時代の象徴的存在のひとつであり、すでに搭載されているプロフィールのNFT(非代替性トークン)表示機能やビットコインやイーサリアムのTips(投げ銭)機能といったようなWeb3.0領域との統合の促進も期待される。

買収に際し、740億円規模の出資を行った暗号資産(仮想通貨)最大手取引所バイナンスは2日、ツイッターの青い鳥をオマージュしたと思しき「ブルーバード・インデックス」の永久先物取引サービスをローンチした。組成銘柄には、ネイティブトークンであるBNBのほか、ドージコイン(DOGE)やマスクネットワーク(MASK)が組み込まれる。

ポルトガルのリスボンで開催された国際テクノロジーカンファレンス「Web Summit 2022」に登壇したバイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOは、「可能な限りツイッター社を支援していく方針」を示した。

また、ツイッター上のAMAセッションでは、「マスク氏は、何らかの形でツイッターに仮想通貨領域を統合することを考えている」と言及している。

関連:バイナンス、DOGEやMASKで構成される「BLUEBIRD」指数を提供へ

Instagram

インスタグラムの親会社であるMeta(旧フェイスブック)は2日、クリエイターがNFT(非代替性トークン)を作成・販売できるようにするサービスの導入予定を明かした。

イーサリアム(ETH)、ポリゴン(MATIC)、フロウ(FLOW)といったブロックチェーンに加え、ソラナ(SOL)チェーンおよびPhantomウォレットも対象となる。まずはポリゴンチェーン上でのNFT mint(鋳造)に対応する模様だ。

関連:米インスタグラム、ポリゴンとソラナのNFTに対応

また、インスタグラム上のNFTサービスにおけるデジタル資産の保管機能に分散型のデータ・ストレージネットワークの「Arweave」プロトコルが採用されたことがわかり、関連銘柄のARトークンは、昨日時点で前日比60%以上急騰している。

今年7月には、米ウォルト・ディズニー・カンパニーのアクセラレータープログラム(支援企業)に、イーサリアム(ETH)のスケーリングソリューションを提供するポリゴン(MATIC)が選出されている。

関連:米ディズニー、ポリゴンら6社を事業開発プログラムに選出 

関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説

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