*本レポートは、暗号資産取引所SBI VCトレードのクリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
ビットコインマーケットレポート(11月2日~8日)
日本時間11月3日AM3時にFOMCを控えているが、ビットコインはレンジ相場が続いており、執筆時点では2.05万ドル付近となっている。ポジション状況をみると、7月27日のFOMC直前と酷似している点が特徴的である。
(参考)今年のFOMC政策金利発表前日・当日におけるBTC騰落率
(日本時間基準・単位USD)
9月21日 ▲2.18% 9月22日 +5.07%
7月26日 ▲5.62% 7月27日 +8.04%
6月15日 +2.00% 6月16日 ▲9.71%
5月4日 +5.17% 5月5日 ▲7.90%
3月16日 +4.66% 3月17日 ▲0.57%
1月26日 ▲0.38% 1月27日 +0.94%
足もと
ビットコインのアクティブOIは150M程度と、絶対値として非常に少ない状況となっているため、デリバディブ市場の売りの連鎖による下落は起こりにくい状態であるといえる。
前々回(7/26)のFOMC前のOIも150M程度であり、同様の数値となっている。
外部環境
米株価指数、特にNasdaq100との相関が0.85となっており、依然として非常に高い相関を示している(下画像赤枠)。加えて米国10年債利回り、2年債利回りがともに上昇を続けており、かつ利回り差がマイナスとなる、不況の前兆といわれる「逆イールド」の状態が続いており、ビットコインには向かい風となっている。
現物市場
現物市場の成行売買状況は、売りと買いが拮抗した状態にある。
オプション市場
プットとコールの比率であるPCRレシオが急激に上昇しており(下画像黄枠)、現物渡しで取引される市場では取引の弱気が見て取れる。現物を多く持つマイナーが若干弱気となっている可能性があり、その場合も7月27日と同様の傾向である。
先物・デリバティブ市場
CMEでは、「Asset Manager」、および価格差益を狙う「Leveraged Funds」はロングポジションを増やしている状態にある(下画像赤枠)。
デリバティブ市場においては、現物を若干下回る価格(下画像赤枠)で取引されており、売られすぎの状態であるとみられる。また、民間取引所の先物市場においては一部現物価格と同等かやや下回る価格(下画像青枠)で取引されている取引所もあり、やや需要超過の状態であると考えられる。
ハッシュレート
ハッシュレートは史上最高値付近にあり、高水準にある。次回難易度予想は+2.21%の難化予想。
直近のクリプト指標
11月3日 FOMC政策金利発表
11月4日 米雇用統計
11月8日 米中間選挙
11月10日 米CPI(10月結果)
世界に存在しなかった、クリプト経済指標指標カレンダー。
— 仮想NISHI (@Nishi8maru) March 26, 2020
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総括
ビットコインは今年6月よりレンジ相場が継続しており、現状のビットコインのポジション動向も、日本時間7月27日のFOMC直前の状況と酷似している。米株価指数との相関も高い状況が続いており、11月3日AM3時のFOMCでサプライズ発表がない場合、ボラティリティが低い状況が続く可能性がある。
画像出典:BTC Status Alert
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