はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

7月FOMC直近、ビットコインのデリバティブ相場をプロが分析|仮想NISHI氏寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

*本レポートは、暗号資産取引所SBI VCトレードのクリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。

ビットコインマーケットレポート(7月27日~8月2日)

執筆時点においてビットコインは下落傾向にあり、2万1千ドル付近となっている。5月から6月中旬までの急落相場は先月のメジャーSQ(6月24日)でポジションが軽くなってからは一旦落ち着きを見せており、その後は概ね2万ドルを挟んだレンジ相場へと移行している。現在はFOMC(米中央銀行の金融政策決定会合)が日本時間28日3時に発表されることから市場全体に警戒ムードが出ており、ビットコインを含むリスク資産全体が下落している状況にある。

(参考)今年のFOMC政策金利発表前日・当日におけるBTC騰落率

(日本時間基準・単位USD)

7月26日 ▲5.62%

6月15日 +2.00% 6月16日 ▲9.71%

5月4日 +5.17% 5月5日 ▲7.90%

3月16日 +4.66% 3月17日 ▲0.57%

1月26日 ▲0.38% 1月27日 +0.94%

足もと

ビットコインのアクティブOIは150M程度と、絶対値として非常に少ない状況となっている。すなわち、デリバディブ市場の売りの連鎖による下落は起こりにくい状態となっているといえる。

現物市場

デリバティブ市場を上回る断続的な現物の売りが見られている(画像赤枠)。

オプション市場

プットとコールの比率であるPCRレシオが急激に上昇しており(画像黄枠)、現物渡しで取引される市場では取引の弱気が見て取れる。現物を多く持つマイナーは、かなり弱気となっている可能性がある。

先物・デリバティブ市場

CMEでは「Asset Manager」が、過去から見ても多い水準で売建玉を建てている(画像青枠)。一方、価格差益を狙う「Leveraged Funds」は買建玉を増やしている状態にある(画像緑枠)。

デリバティブ市場においては、現物を若干下回る価格(画像赤枠)で取引されており、売られすぎの状態であるとみられる。また、民間取引所の先物市場においては一部現物価格と同等かやや下回る価格(画像青枠)で取引されており、需要超過の状態であると考えられる。

外部要因

米株価指数、特にNasdaq100との相関が0.88となっており、先月からは弱くなっているものの、依然として非常に高い相関を示している(画像赤枠)。また、今まで相関性が低かったGOLD(0.63)、OIL(0.61)などのコモディティとの相関も高まっており、市場全体の投資商品からの撤退に連れ安となっている。加えて、米国10年債と2年債の利回りの差(画像青枠)も、足元の高い物価上昇率を受け▲0.21%とマイナスの状況に変化しており、逆風となっている。

ハッシュレート

ハッシュレートは一時弱まっていたものの回復傾向にある。次回難易度予想は+8.63%の難化予想。

直近のクリプト指標

7月28日 米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表

7月29日 CME・SQ

8月1日  Qtum Core v22.0 ハードフォーク 予定日

総括

ビットコインは先月のメジャーSQ(6月24日)等からポジションが解消されたことにより、下落相場から一転してレンジ相場となっている。ただし、足元では主にマイナー由来と推測される現物の売りがFOMCを前に若干強まっている。米国10年債と2年債の利回りの差が低下するとクリプト市場は弱気になる傾向にあるが、マイナス圏が定着して来ているため、相場反転の兆しは見えにくいといえる。

寄稿者:仮想NISHI仮想NISHI
「暗号資産もSBI」を掲げる、暗号資産取引所SBI VCトレードのクリプトアナリスト。BTC Status Alert制作協力者、DECOCHARTの企画・監修者としても、日本の業界に必要な投資関連情報の配信に携わっている。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11:00
米トランプ政権の仮想通貨特命官サックス氏、利益相反報道を否定
米トランプ政権のAI・仮想通貨特命官デビッド・サックス氏がNYタイムズの利益相反報道を否定した。名誉毀損専門の法律事務所に対応を依頼し、倫理規定遵守を主張している。
10:40
ゴールドマンがイノベーター買収、ビットコイン連動ETFも取得で仮想通貨事業拡大
ゴールドマン・サックスがETF大手イノベーターを20億ドルで買収すると発表した。買収にはビットコイン連動ファンドQBFも含まれ、ゴールドマンの仮想通貨関連商品ラインアップが拡大。
10:14
リップル、シンガポールでライセンス範囲拡大 XRPとRLUSDによる決済事業を強化
リップルがシンガポール金融管理局から主要決済機関ライセンスの拡大承認を取得。XRPとRLUSDを活用した決済サービスを強化。アジア太平洋地域のオンチェーン活動は前年比70%増で、同地域での事業拡大を加速。
10:02
ビットコイン100万円幅急落、yETH流出事故で大規模清算|仮想NISHI
ビットコインは軟調な推移が続いている。1日には一時8万5,000ドルを割り込み、日本円ベースでも24時間比で100万円超の下落となった。背景には、イーサリアムが「フサカ・アップデート」を目前に控えロングポジションが積み上がる一方、Yearn FinanceでyETHの流出事故が発生し、ロングポジションの清算が連鎖したことがある。
09:20
リミックスポイント、12億円規模のWeb3関連事業投資を中止へ
リミックスポイントは、事前に予定していた12億円規模のWeb3関連事業投資の中止を決定。仮想通貨ビットコイン購入以外の調達資金使途を変更した。
08:40
ハッキング被害から3.7億円相当回収、ヤーン・ファイナンス
ヤーン・ファイナンスがyETH関連のハッキングで盗まれた資産のうち約240万ドル相当を回収した。回収作業は継続中で被害者への返還を予定している。
07:35
mNAV1倍割れでも「最後の手段」に、ストラテジーがビットコイン清算条件を明示
ストラテジー社のフォンレCEOがビットコイン売却の具体的条件を初めて明言した。株価が保有資産を下回り資金調達が不可能になれば売却も選択肢の1つとなる。
07:05
ストラテジー、約2240億円の米ドル準備金を確保
ストラテジー社は、優先株の配当と負債の利子の支払いのために約2,240億円の米ドル準備金を確保したことを発表。目的を説明し、仮想通貨ビットコインの買い増しも報告した。
07:00
チェーンリンク初のETF、NY証券取引所に上場予定
仮想通貨チェーンリンク(LINK)に投資する上場投資信託(ETF)が12月3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始予定。NYSEアーカがグレースケール・チェーンリンク・トラストETFの上場を認証した。
06:45
米バンガードが仮想通貨ETF取引を解禁、5000万人超の顧客にアクセス提供へ
ブルームバーグが報じたところによると、世界第2位の資産運用会社バンガードは12月3日から仮想通貨を主に保有するETFとミューチュアルファンドの取引を許可。遂に長年の保守的姿勢から転換。
06:25
米下院共和党が仮想通貨の「ディバンキング問題」を追及、チョークポイント2.0報告書を公開
下院金融サービス委員会の共和党議員が12月2日、バイデン前政権による仮想通貨業界への組織的な銀行サービス拒否を批判する53ページの報告書を公表した。ストライクCEOの口座閉鎖事例なども議論を呼んでいる。
05:55
ビットコイン8.5万ドル割れ、個人買い増しとクジラ失速が鮮明に=アナリスト指摘
ビットコインは12月1日深夜8.4万台まで続落した。大口保有者の購入鈍化と日銀の植田総裁によるタカ派発言が圧力となり、4億ドル以上の清算が発生。
12/01 月曜日
18:34
日経グループQUICK、ビットコイン指数の算出開始
QUICKは12月1日、円建てビットコイン指数の本格公表を開始した。試験運用から更新頻度を毎日に引き上げ、12月22日からはリアルタイム指数も提供する。暗号資産ETFなどでの利用を想定。
17:07
イーロン・マスク氏「エネルギーこそ真の通貨」、ビットコインは基づくと主張
テスラCEOのイーロン・マスク氏が「エネルギーこそ真の通貨」と主張し、ビットコインはエネルギーに基づいていると説明。一方、著名経済学者やピーター・シフ氏は「本質的価値がない」と批判を続けている。
17:01
政府・与党、暗号資産の分離課税導入を検討へ 調整開始─NHKなど報道
政府・与党が暗号資産投資の分離課税化を巡り調整に入ったとNHKが報道。現行は最大55%の総合課税で、制度見直し議論が年末の税制大綱へ進む見通し。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧