CoinPostで今最も読まれています

米司法省、FTXを調査する独立審査官の任命を要請

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「不正行為疑惑などを独立して調査する必要」

米国司法省の連邦管財官事務所は1日、暗号資産(仮想通貨)取引所FTX破綻に関して独立した審査官を任命することを申し立てた。独立した立場から、FTXの不正行為疑惑などを調査する必要があるとしている。

連邦管財官事務所のAndrew R. Vara氏が、破産裁判所に申立書を提出した形だ。Vara氏は、次のように指摘している。

審査官は、債務者(FTX)による詐欺、不正直、不正行為、管理不行き届きに関する疑惑、破綻を取り巻く状況、取引所ユーザー資産の流用などの疑惑を調査する必要がある。

また、FTXの損失を救済するための正当な理由や動機があるかについても調べるべきだ。

現在、FTX破綻については、暫定CEOおよびCRO(最高事業再構築責任者)に就任したJohn Ray氏が内部調査を進めているところだ。一方で、管財官事務所は、事件の重大性にかんがみて、内部調査だけでは足りないとみなしている。

Vara氏は申立書で、FTXの新経営陣も、問題の一部を解明するために事前作業を行ってきたが「問題になっていることは、内部調査に任せておくにはあまりにも重大」だと述べた。

「管財官事務所は、Ray氏の能力や誠実さを疑っていない」が、Ray氏の役割は、「他のすべての利害関係者の目的とは必ずしも一致しない可能性がある」とも続けている。

その上で、独立した審査官は、全ての関係者に対して中立的な立場をとることが可能であり、審査官が調査を担当することにより、Ray氏もFTXの事業安定化という本来の職務に専念することができると主張した。

関連FTX Japan「日本の顧客資産は米破産法の対象外」 出金再開可能か

様々な疑惑

FTXは11月、米国でチャプターイレブンにより破産申請を行った。その後、暫定CEO Ray氏が率いる内部調査が行われている。Ray氏はFTXの調査にあたって「企業統制の完全な失敗と、信頼できる財務情報の完全な欠如」を目にしていると語っていた。

これまでに、顧客資産の流用や、不適切な帳簿管理、子会社を通じた不動産投資がFTX幹部の別荘購入に充てられていたことなどが指摘されている。

関連仮想通貨市場に激震、アラメダショックとFTX騒動の動向まとめ

米連邦破産法11条(チャプターイレブン)とは

日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。

▶️仮想通貨用語集

「政治的側面に対応か」

今回の管財官事務所の要請について、米商品先物取引委員会(CFTC)で以前にシニア弁護士を務めていたBraden Perry氏は、政治的な側面を指摘した。「この事件には政治的な含みがあった」と述べた。

FTXが活発に政治家に献金していたことに触れて、独立審査官を要請する理由は「慎重を期して、何が起こっても独立したレベルで行われるようにという配慮からだと思う」と意見している。

11月には、米証券取引委員会(SEC)に対して、企業への過度な調査を批判する書簡を提出した議員らが、FTXから寄付金を受けていたことも報じられたところだ。書簡により、FTXに対する調査を遅らせた可能性があると一部で問題視されている。

関連米SECに書簡提出した議員ら、FTXから寄付金受け取り

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/16 木曜日
15:14
アークとフィデリティが牽引するビットコインETFの資金流入
米国のビットコイン現物ETFに巨額の資金流入が2日間続いている。直近ではブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)への資金流入が一服した一方、ARKBとFBTCが注目され、累積純流入額は121億ドルに達した。暗号資産(仮想通貨)投資信託に対する直近の流入動向を分析。
14:30
メタマスク、ボット対策の取引機能を提供開始
米Web3ソフトウェア企業Consensysは、 仮想通貨ウォレットのMetaMaskで同社が開発した新技術「スマート・トランザクション」が利用可能になったと発表した。
14:10
米デリバティブ大手CME、ビットコイン現物取引の提供を計画
現物の仮想通貨ビットコインへの直接アクセスは、規制された最大のデリバティブプラットフォームを通じて、金融商品として本格的な普及につながる見込みだ。
13:04
SBI VCトレード、ジパングコインの貸暗号資産で特別年率を提供
暗号資産(仮想通貨)取引所SBI VCトレードがジパングコイン取扱いを開始し、貸コインで年率99%の特別キャンペーンを実施中。デジタルゴールドでインカムゲインを得る機会が期間限定で提供される。
13:00
米資産運用大手Vanguard、ビットコインETFに前向きな新CEO就任へ
バンガードは、ブラックロックでIBITの立ち上げを主導したラムジ氏を新CEOに指名。ビットコインETFに対する同社の姿勢が変化する可能性が注目される。
11:10
米ミレニアム、3000億円近くのビットコインETFを保有
米ヘッジファンド大手のミレニアム・マネジメントが第1四半期の時点で、20億ドル相当の仮想通貨ビットコイン現物ETFを保有していたことが確認された。他の複数のヘッジファンドも投資していたことがわかった。
10:45
「FTXの返済が仮想通貨相場の上昇につながる可能性」K33
FTXの顧客への返済は、仮想通貨相場の強気要因になる可能性があるとK33リサーチは分析。その根拠や影響を書いたレポートを公開している。
10:10
NFTカードゲーム「Cross the Ages」350万ドル調達 アニモカら出資
Web3ゲーム「Cross the Ages」はアニモカブランズ主導で約5.4億円を資金調達した。同時にCTAトークンを様々な仮想通貨取引所へ上場させている。
08:15
株式取引アプリのロビンフッド、欧州でSolanaステーキング提供開始
仮想通貨ソラナのステーキングはロビンフッドが提供する最初のステーキング商品だ。ローンチ時に提供するステーキング年利は5%前後となる。
07:20
ソラナのSuperteam、日本で発足
仮想通貨ソラナの技術の日本での普及を推進するSuperteam Japanが発足。今後の活動内容が明らかになった。
06:30
エルサルバドル政府、過去3年間で48億円相当のビットコインを採掘
エルサルバドル政府は2021年以来、火山の地熱エネルギーを活用した300台のプロセッサを導入し環境に優しい方法で仮想通貨ビットコインの採掘を進めてきた。
06:05
ビットコイン66000ドル台まで反発、米CPI結果受け利下げ期待高まる
主要株価指数だけでなく、コインベースやマイクロストラテジーなどの仮想通貨関連株銘柄もCPI結果に反応し大きく反発した。
05/15 水曜日
18:00
仮想通貨ウォレット「メタマスク」の使い方、送金、セキュリティ対策
MetaMaskのインストール方法から送金手順、暗号資産(仮想通貨)取引所への送金や取引所からの出庫方法、セキュリティ対策までを初心者向けに詳しく解説。自己管理型ウォレットの基本知識を身に付けましょう。
14:45
「SusHi Tech Tokyo 2024」でSUDACHI TechとEchoXがWeb3プラットフォームを技術協賛
「SusHi Tech Tokyo 2024」では、SUDACHI TechとEchoXがNFT活用のWeb3プラットフォームを技術協賛。NFTデジタルスタンプラリーを展開する。CoinPostがアンバサダーを務めるグローバルスタートアッププログラムも開催される。
13:10
自由な取引ツールとしてのビットコインは実現しないのか、開発者が憂慮
仮想通貨ビットコイン開発の貢献者であるマット・コラロ氏は、現在「自由のためのツール」というビットコインのビジョンが実現できるかどうかが危ぶまれているとの考えを明らかにした。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア