CoinPostで今最も読まれています

シンガポール中銀、ステーブルコインの規制枠組み発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコインに課せられる要件を発表

シンガポールの中央銀行にあたるシンガポール金融管理局(MAS)は15日、ステーブルコインの最終的な規制枠組みを発表した。

今回の枠組みは、シンガポールで発行される、シンガポールドルあるいはG10通貨の価値と紐づけられた、単一通貨ステーブルコインに適用されるものだ。

G10通貨とは

国際的な金融市場でのトレードや為替取引、国際取引の決済などに最も使用されている通貨のこと。米ドル(USD)、ユーロ(EUR)、英国ポンド(GBP)、日本円(JPY)、豪ドル(AUD)、ニュージーランドドル(NZD)、カナダドル(CAD)、スイスフラン(CHF)、ノルウェークローネ(NOK)、スウェーデンクローナ(SEK)が挙げられる。

▶️仮想通貨用語集

関連国内ステーブルコイン解禁の影響は?|WebXレポート&インタビュー

MASは、規制対象となるステーブルコインは次のような要件を満たす必要があるとしている。

  • 価値の安定性:裏付け資産には、構成・保管・監査などに関する必要事項が課せられる
  • 資本:発行者は、破産のリスクを軽減し、必要に応じて事業を適切に縮小できるように、最低限の資本金と流動資産を維持する必要がある
  • 額面での償還:発行者は、償還要求があってから5営業日以内に、ステーブルコインの額面通りの価値を保有者に返さなければいけない
  • 開示:発行者は、価値安定化メカニズムや保有者の権利、監査結果などの情報を開示する必要がある

こうした枠組みに従うステーブルコインのみが、「シンガポール金融管理局(MAS)が規制するステーブルコイン」だと名乗れるようMASに申請できる格好だ。

そうすることで、ユーザーの方でも、MASが規制するステーブルコインを、他のステーブルコインから区別することが可能となる。MASは、ユーザーが規制対象外のステーブルコインを使用する場合は、そのトークンのリスクについて十分に知った上で判断する必要があると述べた。

また、トークンを「MAS規制のステーブルコイン」であると偽る者は、罰則の対象となり、MASの発行する投資家への警告リストに掲載される可能性がある。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

米国とEUの状況

ステーブルコインの規制枠組みは、各国で検討されているところだ。米国議会でもステーブルコイン法案の審議が始まっているが、共和党と民主党の間で意見が対立し、成立の見通しが不透明になっている。

民主党は、連邦準備制度理事会(FRB)に徹底した監督権限を与えるべきとする一方で、共和党は州レベルの規制当局にある程度権限を付与するべきだと主張している格好だ。

決済大手PayPalが米ドル建てステーブルコイン「PYUSD」をローンチしたことを受けて、両陣営は改めてステーブルコイン規制の必要性を強調している。

関連米民主党議員、PayPalのステーブルコイン「PYUSD」に懸念の声

また、EUは6月、暗号資産(仮想通貨)に関する包括的な規制案「MiCA」を正式承認した。ステーブルコインに関する内容は2024年7月に発効する予定である。

顧客資金を裏付けるための十分な現金の保有、リスクや価格安定化メカニズムなどの開示、流動性確保、監査を実施すること、トークン保有者への償還を保証することなどを規定する内容だ。

関連EU、包括的な仮想通貨規制案MiCAを正式承認 段階的発効へ

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/19 日曜日
12:00
ビットトレードのビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーン シバイヌなどが当たるチャンス
暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレードの特別企画。ビットコイン・ピザ・デーを記念して、シバイヌ(SHIB)やドージコイン(DOGE)も含む豪華景品が当たるラッキールーレットキャンペーンが開催される。2024年5月20日から24日までの期間限定。
11:30
オプション市場では6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中、翌週の展望は?|bitbankアナリスト寄稿
CPI発表後のテクニカル分析や6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中するオプション市場を踏まえ、bitbankのアナリスト長谷川氏がビットコインチャートを図解。今週の暗号資産(仮想通貨)相場考察と翌週の展望を探る。
11:00
週刊ニュース|金持ち父さん著者キヨサキ氏のBTC投資推奨に高い関心
今週は、金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏による仮想通貨ビットコイン・金・銀投資の推奨、ジャック・ドーシー氏のビットコインについての発言、GameStop株やミームコインの暴騰に関するニュースが最も関心を集めた。
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア