CoinPostで今最も読まれています

アップグレード「Dencun」がイーサリアムの供給量に与える影響を分析=CoinShares

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イーサリアムの供給量への影響

暗号資産(仮想通貨)投資企業CoinSharesでイーサリアム(ETH)のリサーチを行うLuke Nolan氏は、イーサリアムの次期アップグレード「Dencun」が供給量に与える影響を分析した。同氏から情報を得た「The Block」が22日に報じた。

Nolan氏は、Dencunで最も注目を集める「プロト・ダンクシャーディング(Proto-Danksharding)」を実装することで、イーサリアムをバーン(焼却)する数量が減少する可能性があると分析。一方で、イーサリアムで急激にトークンインフレが進む心配はないとの見方を示している。

関連イーサリアムの次期アップグレード「Dencun」、重要性とメリットとは?

プロト・ダンクシャーディングは、イーサリアムの供給に直接的に影響を与える機能ではない。この機能の実装は、L2からL1へのデータ転送にかかるトランザクションコストを削減することが主な目的だ。

この機能がバーンや供給に影響を与える可能性があるとNolan氏が分析している理由は、プロト・ダンクシャーディングの実装で取引手数料(ガス代)が下がることで、バーンの対象となる「ベースフィー(基本手数料)」も下がるからである。

同氏は、現在L2で支払われているガス代は、「コールデータ(Calldata)」というデータの使用に使われている額が90%を占めると指摘した。

プロト・ダンクシャーディングではコールデータではなく「ブロブ」というデータに置き換えてガス代を下げるため、L2の各ネットワークがプロト・ダンクシャーディングに対応していけば、ベースフィーが低い状態で安定し、バーンされる数量が減少する可能性があると述べている。

L2とは

「レイヤー2」の略で、「2層目」のネットワークのこと。全ての取引をメインチェーンで処理すると負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。取引の一部をL2で行うことで、メインチェーンの負荷軽減や処理速度の向上を期待できる。

▶️仮想通貨用語集

関連ブロックチェーンのレイヤー2とは|種類や注目点、代表的なネットワークを解説

メインネットでの実施時期は

一方、プロト・ダンクシャーディングでガス代が下がってバーンの数量が減少しても、イーサリアム自体の需要が増加するため、この機能が循環供給量に与える影響は限定的との見方を示した。

あくまでプロト・ダンクシャーディングのポイントはネットワークのコストを下げることであり、ガス代が下がればユーザーが増えるため、トランザクションの増加につながるとみている。

そして、短期的にガス代が変動しても、長期的にはDencunはイーサリアムのマーケットシェアの増加にもつながるだろうとの見解を示した。

関連「イーサリアム、ビットコインの上昇率を上回る見込み」JPモルガン来年予測

現在イーサリアムでは、テストネット「Goerli」でDencunの実験が行われており、今後は「Sepolia」と「Holesky」の2つのテストネットでもDencunを実験する計画。アップグレードの時期はSepoliaが1月30日、Holeskyが2月7日の予定だ。

Nolan氏は、イーサリアムの開発者はHoleskyの1カ月後にはメインネットでDencunを実施したいと考えているとし、メインネットでの実施時期は早ければ3月と予測。一方、バグなどの問題が見つかれば計画が変更される可能性があるため、正確な時期を予測するのは困難であると述べている。

関連イーサリアム、次期アップグレード「Dencun」のテストを開始

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/20 月曜日
17:07
コインチェック、ブリリアンクリプトトークン(BRIL)のIEO予定を発表
コインチェックは20日、「Coincheck IEO」において、暗号資産(仮想通貨)ブリリアンクリプトトークン(BRIL)のIEO予定を発表した。本IEOは国内における6例目で、上場企業100%子会社による初のIEO。
16:39
仮想通貨企業の資金調達、2024年第1四半期に急増=レポート
大手投資データプロバイダー「PitchBook」は、2024年第1四半期の仮想通貨市場レポートを発表。ビットコインETFの承認を背景にスタートアップ企業が518件の取引で総額3,741億円の資金調達に成功したことが明らかになった。
14:03
米国の経済制裁対象国ベネズエラ、仮想通貨マイニングファームへの電力供給停止へ
ベネズエラ政府は、電力需要への影響を避けるため国内すべての仮想通貨マイニングファームを電力システムから切り離すと発表した。
11:46
ビットコインの週末相場は高止まり、オンチェーンデータは「利確フェーズ」の終焉を示唆
FRBの利下げ期待を背景にNYダウが史上初の4万ドルに達するなど米国株指数が好調に推移する中、オンチェーンアナリストはSOPR指標を分析。2ヶ月間の利確フェーズが終わりつつあることを指摘した。
11:19
仮想通貨ウォレットのファントム、米国のApple Storeユーティリティランキング3位に浮上
ソラナ基盤の代表的な仮想通貨ウォレットとして普及した「Phantom Wallet (ファントムウォレット)」(現在はマルチチェーン対応)が、米Apple Storeのユーティリティ・アプリで3位にランクインした。
05/19 日曜日
12:00
ビットトレードのビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーン シバイヌなどが当たるチャンス
暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレードの特別企画。ビットコイン・ピザ・デーを記念して、シバイヌ(SHIB)やドージコイン(DOGE)も含む豪華景品が当たるラッキールーレットキャンペーンが開催される。2024年5月20日から24日までの期間限定。
11:30
オプション市場では6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中、翌週の展望は?|bitbankアナリスト寄稿
CPI発表後のテクニカル分析や6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中するオプション市場を踏まえ、bitbankのアナリスト長谷川氏がビットコインチャートを図解。今週の暗号資産(仮想通貨)相場考察と翌週の展望を探る。
11:00
週刊ニュース|金持ち父さん著者キヨサキ氏のBTC投資推奨に高い関心
今週は、金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏による仮想通貨ビットコイン・金・銀投資の推奨、ジャック・ドーシー氏のビットコインについての発言、GameStop株やミームコインの暴騰に関するニュースが最も関心を集めた。
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア