トレンド転換点の見分け方|寄稿:中島翔
相場というのは、1年間の内大きく上昇か下落する「トレンド相場」が3割、(上下どっちつかずで推移する)「レンジ相場」が7割と言われています。レンジ相場の方が基本的に長い期間滞在すると言われています。
しかし、3割のトレンド相場を見極めたり、また、トレンドがいつ終わるのか?という見極めは非常に困難です。ここではその見極め方の例としていくつかご紹介したいと思います。
シンプルな材料のみ解説したいと思いますので、一例として参考にして頂けると幸いです。
サポートライン、レジスタンスラインをチェック
最初はサポートライン(下値支持線)、レジスタンスライン(上値抵抗線)のチェックです。これはテクニカル分析でも基本中の基本であるため、必ず理解する必要があるでしょう。
上記は、BTC/USD(米ドル)の4時間足チャートです。水平線の赤いラインが、重要なレジスタンスラインであった水準です。
これまでのチャートは典型的な上昇トレンドでしたが、この12,000ドルラインで上値を抑えられており、マーケットの市場参加者の多くは「ここを超えることができれば、上昇トレンドがさらに続く」と考えていたと思われます。
しかし、その後レジスタンスラインを超え急騰したものの、結局レジスタンスライン割れの水準まで低下しており、このように重要な節目を突破した後に再度全て価格が戻った場合はトレンドが終了したのではないかと疑う必要があります。
ポジションの傾きが示すもの
「投資家の保有ポジションが、買いか売りかに大きく傾いていること」を把握することも重要です。このポジションの傾きは、仮想通貨では「ファンディングレート」というもので大まかに把握することができます。
ファンディングレートとは、ポジション保有コストのことを指しており、ポジションを保有し続ける限り掛かるコストです。
したがって、公開されているファンディングレートが「プラス」の場合は、ロングポジションを保有している人がショートポジションを保有している人に対して支払いが生じ、逆にファンディングレートが「マイナス」の場合は、ショートポジション保有している人が、ロングポジションを保有している人に対して支払いが生じます。
このファンディングレートの数字は、ポジションが傾けば傾くほど大きくなるため、レートサイズからポジションの傾きを把握することが可能です。そして、ポジションがどちらかに大きく傾いているということは、どこかでその偏ったポジションを解消する必要があるため、「トレンド転換する可能性がある」との予測を立てることが出来るということになります。
つまり、大幅にファンディングレートがプラスの時はロングポジションにマーケットが傾いており、大幅にマイナスの時はショートポジションに大きく傾いているということです。その時は傾いている方向への潜在的な圧力は弱くなることから、逆方向への動きが出始める可能性に注意しましょう。上昇トレンドなら下落トレンドに、下落トレンドなら上昇トレンドに変化する可能性があります。
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出来高からシグナルを察知する
トレンドの変化の見方として、「出来高急増」があります。
上記のチャートは、先ほどのチャートの中の出来高に○印を入れたものです。最初の○印の位置で下落しながら出来高が急増しているのが理解できると思います。
次の○印は、価格急騰の過程で出来高が急増していることが把握できます。
最初下落した際に出来高急増しているのは「売りたい人が狼狽して投げ売りを行っている可能性が高い」ということです。言い換えると、このタイミングで一旦売りたい人が売り切っており、売り圧力が減少したことから、そこから反発する可能性が高まるということです。
一方で、急騰のタイミングで出来高が伴っているのは、買いたい人が買い続けた結果このような動きになっているので、買い圧力はその後減少することが予想されます。その後チャートは出来高が示した通り下落基調となっており、「上昇トレンドが一旦終わった可能性がある」というヒントになります。
「トレンド転換」を見極める方法は他にも多数ありますが、初心者向けにわかりやすいポイントを解説しました。テクニカル分析に慣れていない方も、まずはこの3つを学んでからチャートをご覧頂ければ、相場への理解が深まってくるのではないかと思います。
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