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【前編】世界No.1ブロックチェーンゲーム「マイクリプトヒーローズ」開発者インタビュー|500ETH(800万円相当)のランド4種が完売

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「マイクリプトヒーローズ」開発者インタビュー(前編)
仮想通貨ETH使用した国産ブロックチェーンゲーム「マイクリプトヒーローズ」の開発者に対し、仮想通貨メディアCoinPostでインタビューを実施。最大の魅力である「士農工商エコシステム」の仕組みや、ついにクラウドセールを開始した「ランド」の裏話、国内外のブロックチェーンゲームの市場拡大について伺った。

「マイクリプトヒーローズ」開発者インタビュー(前編)

インタビュー後編は、近日中に公開予定。

マイクリ誕生のルーツと言いますか、ブロックチェーンゲーム領域に挑戦した理由をお聞かせ下さい

僕(上野CEO/CTO)は、もともと新卒で「野村総合研究所」というマジメなシステム会社にいて、前職はモブキャストいうソーシャルゲームを開発・配信する会社に勤めていました。

はじめにモブキャスにジョインした時は、ガラケーでブラウザソーシャルゲームを配信していて、色々なゲームを集めたプラットフォーム開発の責任者を担当していたんですけれども、その後スマホでネイティブアプリというものが出てきて、ネイティブアプリゲームの開発にシフトしていきました。

いわゆる(基本無料アイテム課金制の)ガチャをビジネスモデルの中核に添えて、ユーザーさんに時間やお金をたくさん使ってもらう仕組みのソーシャルゲームは、ゲームサービスが終了すると、今までかけてきた時間もお金も無に消えてしまいます。このような状況をたくさん見る中で、もう少しどうにかならないのかなという思いがありました。

ソーシャルゲームの時代にガチャ以外の、より面白く、運営的にも良いビジネスモデルを模索してもなかなか見つけられずにいた中で、ブロックチェーンに出会いました。

これをゲームに応用すれば、新しい遊びにもなるし、ビジネスモデル的にも新しい「資産性」というものができるので、ユーザーがそこに掛けた時間やお金が仮にサービスが終了してもユーザーの手元に残せるんじゃないかという思いから、「ブロックチェーンゲーム専業会社」であるdouble jump.tokyoを立ち上げました。

運営において、どのような点に注力されていますか。TVCMの反響についてもお聞かせください

2018年に先行したブロックチェーンゲームの大半が苦労していましたので、最初はもっと少ないユーザー数を想定していました。現在のユーザー数は、3万を超えまして、私たちが想定していたより随分多いなという感じです。おかげさまで、DAU(デイリー・アクティブ・ユーザー)も右肩上がりです。

最初から決めていたのは、「最初のヒーローのプレセール→クラウドセール→(ローンチ後の)一般セール」」と展開していく中で、プレセール、クラウドセールという一番最初の不確実な時期にゲームのプレーヤーになっていただいた方々を単なるユーザーではなく、ステークホルダーとして大事にしていこうということです。

彼らは、このゲームを支えるために一緒に考え、一緒に開発・運営にご支援いただいている仲間だと認識し、ソーシャルゲームとは根本的に異なるコミュニティドリブンな開発をしてきました。

従来のソーシャルゲームとは根本的に設計が異なりまして、代表的なのは「アセットの考え方」なんですけど、従来のソーシャルゲームではどんどんインフレしていくのがアセットの基本的な在り方です。

運営の時間経過とユーザー数に応じて、強さと数量が無限にインフレしていくのが従来のソーシャルゲームなんですけど、私たちはこれとは「真逆」に設計を行い、あえて一番最初に最強ランクのアセット(リミテッドレジェンダリ)が出てくるよう考案し、数量も有限に設定しました。

その価値は希少価値としてずっと保全されて、逆にどんどん価値が上がってく分、ユーザーが増えていくに従って、下位のものが出てくるという真逆の設計なんです。アセットの価値がしっかり保たれ、先行で獲得したものの、希少価値はずっと残っていくという設計になっています。

また、アクティブユーザの増加に関して言いますと、我々がまず最初にターゲットにしたのは、仮想通貨の取引経験があり、既にdAppsをやっているような(いわゆるITリテラシーの高い)人たちでした。

今のソーシャルゲームに満足しているような方々の多くに、ブロックチェーンゲームは仕組み的にも理解しにくいところが沢山あるという状況の中、「無理に入れても、おそらく離脱が酷くなる上に、コミュニティが成立しないであろうな」と考えたからです。

dApps未経験の新しいユーザーさんに対し、僕らが一から教えるっていうのは現実的に難しいので、リテラシーの高い既存のdAppsユーザーさんを核に、メディアや、インフルエンサーさんや、コミュニティーで、みんなで新規ユーザーさんを助けながら広げていったというところが、アクティブユーザーの増加に繋がっているんじゃないかと思っています。

テレビCMの狙いと効果

テレビCMの効果なんですけれども、端的にいうと、ものすごくあったと思います。

ブロックチェーンゲームというものの認知があまりにも低すぎる上に、その間にあったゲームが胡散臭いものも多く、みなさん損されていましたし、中にはスキャムみたいなものにハマっちゃったケースもありました。

まずは、ブロックチェーンゲームというものがあり、胡散臭いものじゃなくて、ちゃんとしたものなんですよっていうのを認識していただくために、テレビCMを打ったのですが、その意図はしっかりとハマったなと思っています。

玉舎直人取締役、撮影:中村晋

今ブロックチェーンゲーム業界で何が不足していて、今後何が必要だと思いますか

ブロックチェーンゲームにおいては、イーサリアムに限らずとは思うんですが、ブロックチェーンを介して、様々な人とアセットのやりとりができるというのが魅力の一つだと思うんですけれども、肝心のやりとりする先がないっていうところですね。

ブロックチェーンゲームがいくつか出てきて、その間で色々なやりとりができると、より発展するんじゃないかという風に考えているので、我々以外のブロックチェーンゲームがもっと出てくると、いよいよ面白くなってくるんじゃないかなと思っています。

できれば、やはり日本発の「ブロックチェーンゲーム」が流行ってほしいですね

もう一つが、仮想通貨に不慣れなユーザーがイーサリアムを手に入れること自体のハードルが高く、さらにブロックチェーンゲームを使っていく上で、送金先のアドレスを打ち間違えて誤送信すると消えてしまいかねないみたいな「導入部分の怖さとか難しさ」があることです。そこがもっと簡単になれば、ユーザーは増えるんじゃないかなと思っていますね。

これまでは僕らだけで突破できることを全部やってみようという風に考えて、当初考えた「ここまでやりきってみよう」と決めたことは全部やりきった状態ですが、ここから先は、やはり僕らだけで突破できることとできないことがあります。

マイクリは、グローバルでもうけるように、「世界の歴史上の英雄」をモチーフに世界観を構築しました。そして、「古き良き日本のゲームの良さ」を追求するため、グラフィックやサウンドは、あえて(ファミコンなどの)8ビット時代を想起させるレトロでシンプルなものにしたんです。

(我々を含めた)30〜40代の方々が子供の頃に感じた、あのゲームの情熱をもう一回呼び起こすようなものをやりたくて、今の派手なソーシャルゲームとは異なる「ゲーム性」となっています。

ただやっぱり、ドット絵であるとか世界のヒーローっていうのが好きなのは主に男性だったりしますので、万人にこのゲームを薦めるわけにはいかないのが現実です。

ブロックチェーンゲームの中に、女性向けのタイトルが出てきたり、3DCGの高品質なグラフィックのものが出てきたり、あるいはゲーム性的にももっとカジュアルなものが出てきたり・・・。もう少しカテゴリーとしてのボリュームが出てこないと、本質的にユーザー拡大は厳しいかなと思っています。

ある意味でいうと、今は業界のボリュームアップ待ちといったところですね。マイクリで一旦”突破口”のようなものは作ったと考えておりますので、さらなる業界の発展のため、もっと多くのブロックチェーンゲームに出ていただいて、業界みんなで頑張っていきましょう!というのが、次のフェーズですね。

既存ゲーム業界の方が、アセットのみをブロックチェーンに保存させていく仕組みを取りたいと思わせるには何が不足していますか

今現在、既存ゲームで上手く売り上げが立っているものをブロックチェーンゲームにしても敷居が上がるだけで意味ないですし、かと言って売り上げが立っていないようなダメなゲームをブロックチェーンゲームにしたところで、上手くいくとは思えません。

「ブロックチェーンで本当にゲームを作っていくんだ」というような胆力のある会社が飛び込んで、ようやく成り立つような世界だと思っています。

ブロックチェーンゲームは、まだ、きっちりした型も決まっていないですし、ユーザーさんの動向に合わせて、ちゃんとゲームを作っていくという意思がないとなかなか難しいかなと思います。ですので、大きな会社が資本力があるからと言ってパッと飛び込める世界かというと、そう簡単な話ではないかなと。

スマホが普及し始めてソシャゲが最初に出てきた時代(2012年頃)の状況に似ているように感じますね。そのときに大手で家庭用ゲームを作っていた人達は、なかなかその世界に飛び込まない、飛び込めない状況だったと思います。

彼らからしたら、従来のゲーム業界で十分ビジネスになっているのに、わざわざこんな過酷で小さな市場に飛び込む必要がないですし、本当に飛び込むとなると、従来のゲームの一部を「ERC721」にすれば良いという単純なものではなく、既存の概念を一旦捨てて”一から作る”必要がありますので、あまりにもリスク・リターンが釣り合わないですね。

ブロックチェーンゲームは、まずはエコシステム(生態系・経済圏)を基盤に考えて、その上でどのようなアセットであるべきか、どのようなゲームデザインであるべきか、というような設計をしていかなければならないのです。そうなると、既存のゲームの会社でいう”エース級”のチームをそこに割り当てるくらいに本気で取り組まないといけないのですが、現時点で上手くいっている大手にその意思決定は、ちょっと難しいのではないかなという気がします。

期待があるとすると、今ちょうどソーシャルゲームの世界が曲がり角に来ていますので。色々な記事にも出ていますけど、レッドオーシャンを通り越してブラックオーシャン化しているっていう中で、大手をスピンアウトして、「どうせやるんだったら新しい世界を」っていう風にやれるスタートアップ企業の方が成功確率高いんじゃないかなって気がしますね。

会社の仕組みも、意思決定の仕組みも、運営のあり方も、「一旦従来のやり方」を忘れてみて、ブロックチェーンゲームだったらどう在るべきかっていうことを純粋に考えてやれるほうが、成功のチャンスが高いんじゃないかなと。

とはいえ、既存のゲーム会社さんが抱えているIP(人気キャラクターなどの知的財産)とかは、そのまま活かせると思います。

新しく会社を立ち上げた僕らには、「強力なIP」がなかったので、タダで使用できる(人気&認知度が高いという意味で)強力なIPっていう意味で、「歴史上のヒーロー」を選択しました。

歴史のヒーローの名前があれば、そこの背景とかも自ずととキャラクターが決まっているし、スキルなんかのイメージもちゃんとできるので、ある意味無料で使わせていただけるIPとしては最強だなと。

色々な国で名前が通じるのも利点です。新規のオリジナルキャラクターがいきなり出てきて、「これがレジェンダリー(ゲーム中最高峰のキャラ)」って言われても、あまりピンと来ないですよね。

ドット絵だからこそ、広がる世界

マイクリの世界観にある「ドット絵」というのも良い点です。いわゆる家庭用ゲームやソーシャルゲームのような派手な演出は全くないんですけど、(逆にそのような派手な演出が)ない分だけみなさんの想像が膨らみます。

先日も、ゲーム内のイベントであるレイド戦で、ユーザーのみんなが「よしこ」って愛称で呼んでいるボスキャラクターが出てくるんですけど、そこに世界で9体しか存在しておらず、ほとんど表に出てくることがない「織田信長」が大暴れしたんですよ。

「天下布武」という強力なスキル攻撃を使うんですけど、信長が登場してきて、「天下布武やべぇ!」っていうだけで、みんな脳汁が出るっていうか、ロマンがあるというか。(ゲーム内とはいえ)本当に実在したんだみたいな。「天下布武」なら仕方ないよね、ぐらいの(笑)

これはやっぱり、日本の戦国時代を代表する英雄である「織田信長」だからこそなんですよね。

「天下布武」っていう言葉一つにも世界観があって、それは僕らが作った世界観ではなくて、みんな共通認識の世界観であるっていうところが、マイクリプトヒーローズのロマンなのかなって思いますね。

撮影:中村晋

ゲームの要となる「士農工商」のエコシステムの魅力についてお聞かせください

ブロックチェーンゲームにおいて、エコシステム(生態系・経済圏)は必須のものです。アセットのトレーディングというか、みんなで自分が必要なものを獲得して、さらに必要な人に渡していくみたいな。アセットを流通させるトレーディングの仕組みがブロックチェーンゲームの魅力だと思うんです。

ただし、これは下手な作りをしてしまうと、ゲーム的にも経済的にも最適解っていうのが存在しちゃうんですよね。それだと、みんな、同じようなキャクターで同じようなパーティにすれば強いとなり、簡単にゲームクリアできてしまいます。

「はい、終わり」みたいになっちゃうと、そのまま固定化されて、トレーディング自体が淀んで流れていかなくなる。これではエコシステムとして成立しません。

「士農工商」のロールの中で、「自分がマイクリの世界で何をやりたいか」っていう目的が違うぺルソナの人を一つのところに集めると、みんな目的が違って、自分のやりたい最適解っていうのが違うので、みんなの最適解が良い意味でズレていく。

そのズレのなかで新たな潮流が生まれて「エコシステム」を形成するっていうところがあるので、色々な役割の人を一つのゲーム、エコシステムに集めるっていうのが重要だと考えております。

したがって、他の会社さんが「ブロックチェーンゲーム」を作る際にも、役割の違う人が集まれるようなゲームというか、エコシステムにしないとゲーム内経済が流れていかないのではにかなと思います。

江戸時代をモチーフに

「士農工商」とは、強さを追い求めてPvPの「バトル(デュエル)」に専念する「士」、ノードでエクステンションという装備品(レアアイテム)を採掘して集めていく「農」、「アートエディット」という機能を使ってドット絵のイラストを描いてヒーローの見た目を変えて価値を生み出す「工」、ゲーム内アセットのトレーディングを繰り返して稼いでいく「商」を基本ロールとした、江戸時代の職業システムを模したエコシステムです。

このような多様な「プレイスタイル」を許容する中で、自分のやりたいやり方でゲームをプレイ出来るっていうのが、マイクリの魅力になっているのではないかなと思います。

今までのゲームも、「士農工商」の中の士・農・工までは存在していました。バトル(対人戦要素)で勝ちに行く人たち。アクションゲームでも対戦ゲームでも何でもいいんですけど、バトルはけっこうゲームの中心にあります。

いわゆるファーミングといいますか、(昔ミクシィで流行ったサンシャイン牧場のような)農園系みたいなものから、「ハクスラ(ハック・アンド・スラッシュ) 」って言われる「アイテムを借りに行くゲーム」も一般的ですね。農に当たるゲームと言いますか、仮想通貨的だとマイニング(採掘)みたいな世界ですね。

これは、時間さえかければアイテムを獲得できたりして、PvPで勝てなくても地道にポチポチ作業していれば、ラッキーで手に入ることもあるという万人が楽しめるゲームですね。

「工」の部分っていうのは、いわゆるマインクラフトみたいな、クラフティングするゲームで、ここまでは、従来のゲームにあった要素ですね。

ブロックチェーンゲームで大きく広がったのは、ここに「商」という概念が訪れたことです。この商の部分が、士・農・工の部分を円滑に回して、エコシステムを構築するブロックチェーンゲームならではの大きな違いだと思っています。

この「商」が成立する仕組みをどのように作るかというところが、結局、士農工商を基盤にしたエコシステムの設計の基盤になっており、ちょうどブロックチェーンと仮想通貨の仕組みがマッチしたところです。

ですので、今はマイクリでも「商」をやっているのが、もしかすると一番面白いかもしれませんね。

多種多様な遊び方がある

たとえPvPのガチンコ勝負で勝てなかったとしても、そういう人達に向けてレアアイテムをトレードしてるだけで、獲得できる仮想通貨「イーサリアム(ETH)」とか、GUM(ゲーム内通貨)とかは、いわゆるゲームのポイントみたいなものなんです。

「士」をやりながら「商」をやるとか、「農」をやりながら他に何やる?っていう、二次職・三次職的なことをしながら複合的にヒーローを育てて強くしたり、あるいはアセットの購入資金捻出のためイーサリアムを稼いだりとか、このロールの複合性っていうのが、面白さの質を変えているのかなというような気がします。

もちろん狙って作ったものではあるんですけど、ここまでハマるとは思っていなくて、正直私たちも驚いています。想定していた以上に「エコシステム」が回っています。

仮想通貨を大量保有しているとか、ブロックチェーンゲームの世界に最初期から飛び込んでいる人って、やっぱりトレーダー色が強いのかなという先入観もあったのですが、いざやってみると、めちゃめちゃガチゲーマー気質でしたね。

通常、ここまで真剣にゲームを研究したりプレイしている濃度の高い人が、こんなに高い割合で存在するっていうのは中々従来のゲームのもないんですが、みんなめちゃくちゃ真剣にやるのでこちらがビックリさせられています。「そんな戦法があったのか!」みたいな(笑)

上野広伸CEO、撮影:中村晋

アートエディットなど、創意工夫された設計が魅力的だなと

僕らも実は仮想通貨が好きで、このプロジェクトが発足したベースっていうのは、仮想通貨の仲間内のコミュニティから生まれたんです。もともと僕(玉舎COO)が巻き込んだんですけども。

ただやっぱり仮想通貨は、我々が関与できる余地があまりにも低すぎて、上昇トレンドを読みながら売買するというだけでは、やっぱり面白くないなと。なんとか、アセットの価値を自分で高めるということが出来ないかなと思っていたんですが、それが今のマイクリプトヒーローズの「コンセプト」のベースになっていますね。

開発のキーマンの一人にクリエイティブディレクターの「高宮」がいるんですけど、彼はもともと「モンスターファーム(1999年に人気を博したプレイステーションのゲーム)」の生みの親で、あれを、現代でやるとどうなるかなといってやったのがアートエディットなのです。

ネットが発達した現代では、すぐ情報が流通しちゃうので、すぐに最適解が見つかってしまって、あんまり面白くならないんじゃないのかって話もあったんですけど。「投げ銭」要素を加えてみたり、アートエディットに対応するステータスにランダム要素をいれてみたり色々工夫しました。

まだ未実装ですけども、今後アートスキルもバリエーションが増えてくるので、さらに楽しくなってくかなと。実は裏でAIが動いているんですけど、AIにどう認識させるかっていうところがゲームになっているという感じで、それをやったことが、単に個のおもしろさじゃなくて、コミュニティのおもしろさであったり、あるいは、経済を回す面白さになっていったりというところが、マイクリの他にはない特徴だなと思っています。

コミュニティの中でマイクリをどう楽しむのかみたいな、密なコミュニケーションがなされているのも一つの現れなのかなと考えています。

すごいですよね、アート職人みたいな人もいますし

ほんとすごいですよね、びっくりです。僕らより全然レベルの高いのも出てきますからね(笑)

「Like数」獲得のため、展示用に(売れないよう)あえて高額でトレードに出しているのに、それが高額でも売れちゃうんですよね。ヒーロー性能は同じ、レベル(育成度合い)差はあるにしても、アートエディット一つで、価値が数倍になったような事例もありました。「時間と情熱」をかけたものが、ちゃんと資産になるということを証明しているなと思いましたね。

マイクリの世界では、毎日のように想像だにしなかったことが起きています。

ランドの魅力と反響については、いかがでしょうか

反響の話からいくと、もちろんマイクリのハイライトとなる位置付けてとして準備してきましたが、想定以上に反響が高くてビックリしています。

500ETHでプレセールを行うっていう企画を最初に出したときには、Teamのメンバーもみんなびっくりしてましたけど(笑)。それでも、そこに一定の価値を感じていただいて、すでにお申込みいただいている方たちが、(インタビューした2月15日時点で)全4ランドに対して12です。

現在すでに3倍の倍率で、これからもう少し増えるんじゃないかと思いますが、それが国内半分、海外半分っていうところで来ています。実は当初は、4ランド埋まらないんじゃないかなって思ってたんですよね。応募数未達で埋まらなかったときは(キャリーオーバーで)ランドクラウドセールの方に回すことを想定していたのですが、結果、抽選になって、正直驚いているところです。

全ランドのエクステンション全部魅力的だなと

僕が純プレイヤーとして見ても、基本全「ランド」の(希少価値の極めて高い)アイテム集めるでしょ、って思います。

あと、ランドの仕様は発表している通りですけど、「クリプタイド」っていうとんでもないものがあるので、ランドって土地かと思ったら実は「幻獣」でしたみたいな(笑) 従来のよくあるブロックチェーンゲームの土地とは異なる、ランドを所有することであったりとか、ランドに所属することが、単に「不労所得」を生むとかそういうことだけではなく、それ自体に価値があるという風になってほしいなと思っています。

リアルな土地が、まさにそうだと思うんですけど、もちろん流通性があって商品となっていると思うんですけど、土地って”人の魂”が宿るものではないかと。

それを代々受け継いでいくとか、今もすでにアセットがそういう状態になっているんですけど、誰が使ったヒーローなのかどこから流れてきたエクステンションなのか、イーサリアムのアドレスみればすぐにわかりますし、アートエディットの履歴見ればわかりますし、「二つ名」を見ればわかります。

「ランド」もそういうものとして、将来に渡って保有していることが単に仮想通貨をガチホで持ってますっていうことではなく、所有そのものが誇りになるようなものになっていくと良いなと思っています。

もちろん、そういうつもりでエコシステム設計しているのですが、これも上手いこと回るかどうかは、やってみないとわからないですね。

”国王”を擬似体験できる

ランドの仕組みは、ランドごとに所属している人たちの「GUM(ゲーム内通貨)」を購入した内、30%バックっていう還元システムなんですけど、それがためにランドの所有者は、より魅力的なランドになるよう強豪プレイヤーや有名プレイヤーを呼び込んだりすると、より国が栄えやすくなるというか、ランドに所属している人(シティズン)が多くなって、その結果「自分の利」にもなるみたいな、それ自体がゲームになっているっていう面白みがあるのと考えています。

先日、ランドの説明会を社内で実施しまして、プレセールに興味ある方たちが会議室いっぱいになるくらいまでお越し頂いたんですけれども、今までのマイクリプトヒーローズの売り上げがどうだったみたいなグラフとかも一応出してはいたのですが、そんなことより、ゲームのルールとしてどうなるんだ?みたいな質問ばっかり来るという(笑)

本当ありがたいことに、ゲームとして実際に楽しんでいただいているユーザーさんが多くて、だからこそ「ランドは強い」と感じましたね。

ランドというものに対して、物凄くロマンを感じていただいていると言いますか、ゲームとして楽しむこと、運営権の一部が自分たちのところに来るみたいな、そういうことに対して高いモチベーションを持ってらっしゃる方がいらして頂いて、一つの驚きでもありますね。

撮影:中村晋

ユーザーとしても、新しいゲームの在り方に自ら参加できる体験はワクワクするでしょうね

そうですね。僕らはもちろんシステムやアセットそのものを作るっていう作業がありますけど、それに本当に価値をつけていくのは、ユーザーさん自身というか、人間が作っていくものですよね。我々の目指した世界を理解いただけている方が、こんなにもたくさんいらっしゃるのかと感動しました。

ランドにおける幻獣のシステムに「贄(NIE)」という新しい仕組みがあり、色んなものを捧げないと成長してくれないのですが、その中に「EMA(絵馬)」っていうのがあってですね。要は、(ERC721に紐づき稀にしかドロップしない)オリジナルエクステンションなんですけど、レプリカと異なり、これだけはずっと幻獣の中に残っていきます。

他のものは、ゲーム内の次のタームが来るとリセットされるんですけど、「絵馬」だけはずっと残る(ブロックチェーン上に永遠に刻まれる)、だからきっと、みんな二つ名に”願い”を書いていくんじゃないかなと思うんですよ。

人の価値って金銭価値だけじゃなくて、人の想いとかの蓄積だと思っていて、ランドはそういうものが蓄積していく場所なんじゃないかと思います。

先日も、2人で熱海(静岡県)の来宮神社にお参り行ってきたんですけど、その時も(神社の)絵馬に人々の願いがたくさん書いてあって、ああ、こういうものが本当の価値なんじゃないかって。改めて、「ランド」ってそういうものにしていきたいなと思いました。

ランド購入希望者の海外勢とは、どの辺りの国なのでしょうか

中国、台湾とか、中華圏の方が多いですね。それとシンガポールなどの東南アジア。

世界的に見ると、ユーザーには東南アジアの方が意外に多くて、中国の方って「VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)」を使っているせいもあり、中国と認識されないケースもあります。最近はそれ以外にも、アメリカとかオーストラリアとか英語圏の方も少しづつ増えているような感じですね。

みなさん、ランカーなどのガチプレイヤーはみんな日本人だと思われているかもしれないですが、海外勢にもすごいガチなプレイヤーがいまして。「あの強豪は、日本人じゃなかったんだ」って僕らがびっくりするぐらいなんですよね。今回、ランドが高額契約のために「KYC(身分確認)」を行う中で、初めて判明しました。

ランドごとの特産品を購入して自分のランド内で売るとか、ランド特有の商店みたいなのはありますか

そういった仕組みは、今のところはないですね。

マイクリのいつもの作り方なんですけど、最初は割とミニマムかつシンプルに作って実装し、実際にやってみないとエコシステム的にどういう行動を取るのかわからないので、それを見ながら、みんなに求められるような機能を徐々に追加して行くといった形で実装していきます。

もしかしたら、将来的にそういった形になるということもあり得るかもしれませんね。

本当はランドには、「Open Sea」など外部取引されたものもバックしたいんですけれども、残念ながら、まだそういったところは仕組みとして整備されていなくて難しいですね。我々がやりたくても、「Open Sea」側ができなかったりっていう部分があるので。こういったところも、パートナーさんとの仕組みをうまく作って行く中で、実現できるといいなと思っています。

「Open Sea」は、何やっても凄く優秀だなと思うんですけれども、とはいえ細かいところに関して、我々のやりたいことに合わせて「Open Sea」側にやってもらうのってやはり難しいので、その点は今後国内でも、デジタルアセットの取引所が出てくる中で、そういったところを一緒に作っていけるといいなと思っています。

特にアートエディットの「印税」なんかは、今GUM(ゲーム内通貨)でしか戻らないんですけど、できれば仮想通貨イーサリアムでも分配したいですし、それをコントラクトで透明性の高い形で自動でやりたいですね。ちょっと短期的には難しいですが、いずれは。

「Open Sea」は、良くも悪くも汎用的なアセット取引所なので、よりゲームフレンドリーなアセット取引所の登場に期待しています。

(近日公開予定の「インタビュー後編」に続く)

ランドのクラウドセールとは

2月19日(火)、数多くのプレイヤーが存在する「マイクリプトヒーローズ」の目玉コンテンツとなる「ランド(ゲーム内の国)」のクラウドセールが、ついにスタートした。

クラウドセールでは、5つのランド(国)が販売対象となり、ゲーム内のマーケットにてゲーム内通貨の「GUM」で販売されるため、入手するためには、まずは仮想通貨取引所などで購入した仮想通貨イーサリアム(ETH)をGUMに交換(1ETH=10,000GUM)する必要がある。

クラウドセールは、プレセール価格の2倍スタートで、徐々に価格が落ちていき、投資家の買いが入る度に、在庫数に応じて値上がりする「在庫連動型ダッチオークションシステム」を採用。

販売は、1つのランドを複数に区切った「ランドセクタ」単位で行われ、最大サイズの「Legendaryセクタ」は100万GUM(100ETH)。最小サイズの「Commonセクタ」は10,000GUM(1ETH)からオークションが始まっている。

クラウドセールの販売期間は、2/19(火)16:00~3/3(日)15:00となるため、見逃さないようにしたい。

ランドセクタは、稀にしかドロップしない希少価値の高いゲームアイテム(オリジナルエクステンション)同様、「ERC721」規格のNFTとして扱われ、プレイヤーはランドセクタ単位でランドの所有権を保有することになる。敷地面積であるセクタの保有率に応じて、中・長期的に相応の利益を享受することができるほか、デジタルアセットの一種なので、ゲーム外に持ち出し「OpenSea」などでトレードを行うことで利益を狙うことも可能だ。

ランドに関する収益化のポイントは多数あり、詳しい解説は、CoinPostと提携するブロックチェーンアプリ総合メディア「dApps market」のランド解説記事をご覧いただきたい。

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