地方創生でWeb3活用を提案
自民党の新総裁に選出された石破茂氏は、ブロックチェーンやNFT(非代替性トークン)の活用も政策の一つに掲げている。
自民党総裁選挙に際して作成された政策集で、ブロックチェーンとNFTは「地方創生2.0」という項目に登場した。次のように書かれている。
・ ブロックチェーン技術・NFT等を活用し、食や観光体験等地域の持つ多様なアナログの価値を世界価格に引き直し最大化します。
また、関連項目としては「ネット環境の整備とデジタル化によって情報格差ゼロの地方を創出し、遠隔教育や医療、ビジネスなどの分野における地方の人材確保」などを進めると述べている。
こうした基盤をもとにして、「東京一極集中を是正して地方の持つ潜在力を最大化」することを目標に、地方への企業進出やスタートアップ企業を後押しするインセンティブを整えると続ける格好だ。
NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。
▶️仮想通貨用語集
地方創生とWeb3の組み合わせについては、日本暗号資産ビジネス協会が2023年12月、NFTやDAO(自律分散型組織)によって地域の強固なコミュニティを形成し、地方創生活動を活性化させるためのガイドラインを発表している。
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2022年には、株式会社手塚プロダクションが地方創生をテーマとしたNFTゲームカードを発行した事例もあった。
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自民党デジタル社会推進本部web3プロジェクトチームの平将明議員も、8月に開催されたWebXで「一周回ってNFTに注目している」と発言。様々な体験や日本のIP(知的財産)にNFTを紐付けてグローバルに提供するという構想を示した。
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経済政策や安全保障に関して
石破氏は、安全保障に関しては、日本の地位強化を主とする日米同盟の対称化や、日米地位協定の改定の検討を始めるとしている。
その上では、他国の改定事例も調査することが必要で、「米国に自衛隊の訓練基地を作ることは有効」との見解も示した。アジア版NATOも提案している。
経済政策については、半導体など輸出企業を中心としたサプライチェーンを国内で整備することや、中小企業を含めた高付加価値化・賃上げ、スタートアップ企業の支援などを提唱した。
エネルギーについては、安全を大前提とした原発の利活用、国内資源の探査・実用化、地熱など採算性のある再生可能エネルギーの最適なミックスを進めるとしている。
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