
州知事署名待ち
アリゾナ州下院が25日、犯罪捜査で押収した仮想通貨による準備基金創設を定めるHB2324法案を34対22の賛成多数で可決した。同法案は先週上院を16対14の僅差で通過しており、ケイティ・ホブズ知事の署名を待つ状況となっている。
HB2324は州財務官に「ビットコイン・デジタル資産準備基金」創設権限を付与し、犯罪資産没収で取得した仮想通貨の管理・投資・売却を可能にする内容。押収仮想通貨の売却益のうち最初の30万ドルは反組織犯罪回転基金に充当し、超過分は同基金50%、州一般基金25%、新設準備基金25%に配分される。
同州では先月、放置された仮想通貨を対象とするHB2749法案が既に成立しており、今回可決されれば2件目の仮想通貨準備金関連法となる。HB2324は州の直接投資ではなく既存の押収資産活用という点で、5月に知事が拒否権を行使した年金基金でのビットコイン(BTC)保有法案とは性質が異なる。
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法案では押収仮想通貨を州承認の安全なデジタルウォレットシステムで管理し、権限職員による損失・盗難防止体制を整備すると規定。売却時期や保有形態に柔軟性を持たせ、州承認取引所での売却により透明性を確保するとしている。
アリゾナ州は他の9州同様に本格的なビットコイン準備金導入を見送ってきたが、押収分活用というアプローチで新たな展開を迎える可能性が高まっている。一方、近隣州であるテキサスでは戦略的ビットコイン(BTC)準備金法案が先週正式に成立した。
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