
アリゾナで議論再開
アリゾナ州で一度否決されたビットコイン準備金法案「HB2324」が再審議動議により復活し、19日に上院で16対14の僅差で可決された。同法案は現在下院での審議待ちとなっており、犯罪捜査で押収した仮想通貨による基金創設を目指している。
法案は犯罪資産没収により州が取得した仮想通貨を管理・保有する準備金制度の創設を規定している。押収した仮想通貨のうち30万ドル以上の分については、司法長官事務所に50%、州一般基金に25%、新設のビットコイン・デジタル資産準備基金に25%を配分する仕組みだ。
押収分のビットコインやその他の仮想通貨を準備金とする点は、トランプ大統領が3月に署名したビットコイン準備金の大統領令に似ている。
アリゾナ州では5月にケイティ・ホブズ知事が仮想通貨関連法案3件のうち2件に拒否権を行使した経緯がある。特に州準備金や年金基金でのビットコイン保有を可能にする「SB1373」は市場ボラティリティを理由に却下されていた。
今回の法案は州の直接投資ではなく、既に押収済みの仮想通貨を活用する点で従来案と異なる。仮想通貨は州承認の安全なデジタルウォレット・システムで管理され、権限のある職員が損失や盗難を防ぐ体制を整備するという。
また、法案では押収した仮想通貨の売却時期や保有形態に柔軟性を持たせており、州承認の取引所での売却により透明性を確保する。アリゾナ州は他の9州と同様に本格的なビットコイン準備金導入を見送ってきたが、今回の法案可決により新たな展開を迎える可能性がある。
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