- ブロックチェーン領域に取り組むデロイト
- デロイトトーマツは、早期からブロックチェーンの研究に取り組んできた企業の一つであり、設立から2年が経過したアイルランド拠点のラボは世界に誇るものとなっている。同社は現在、コマースにおける取引間信用創出のため、ブロックチェーンの利用を進めようとしている。
ブロックチェーン領域に取り組むデロイト
世界最大の会計事務所である「デロイトトーマツ」は、ブロックチェーン開発サービスに迅速に参入してきた。
多くのICOとブロックチェーンは、実世界に適応して発展していくには少々時間がかかる野心的なプロジェクトを多く生み出してきており、今後こうしたプロジェクトは、ユーザーやビジネスをこの新しいブロックチェーンの領域に適応させていく必要に直面することになるだろう。
デロイトトーマツは、幅広いクライアントを持ち、自社のブロックチェーン開発チームを抱える多国籍企業として、ブロックチェーンを現実で利用できるように取り組んでいる。
デロイトのEMEAブロックチェーンラボは、アイルランドに2016年に開かれており、現在ではさらに香港とニューヨークの2つの拠点を増やしている。
アイルランドの研究ラボには、デザインや開発系の技術者や、クライアントのブロックチェーンの採用や実装をサポートする実務担当も含まれており、企画からテストや技術的構築、デザイン、開発、デプロイまで手がけることができる。
EMEAでも中心となり、今やデロイトは”世界に誇る研究施設”となっている。
ブロックチェーン上で、現実世界のソリューションを
デロイトのコンサルティングパートナーであり、金融サービス部門のリーダーを務めるDavid Dalton氏は、以下のよう述べた。
このラボは、一般に研究機関に求められる機能は全て取り揃えている。
R&Dも保有し、一貫したリーダーシップも発揮でき、さらに多くのアドバイスや議論を行う。しかし我々の仕事の核心となるのは、クライアントと共に現実世界のソリューションをブロックチェーン上で構築することだ。
最高技術責任者のAntonio Senatore氏は、同社が取引に信用をもたらすため、トランザクションの新たなレイヤーとしてブロックチェーンを組み込むことを検討していると述べた。
これは開発者が何年も取り組んできたテーマであるが、最終的にブロックチェーンの利用に落ち着いたようだ。
ペイメントや送金、サプライチェーンの領域において、ブロックチェーンはまず取引やトレードに関連した情報のシェアや確認において安全性を高めるための利用が試されてきており、こうした概念はデロイトのブロックチェーンへの志向と一致しているようだ。
こうしたタイプのネットワーク技術を用いた挑戦は、「各産業のステークホルダーも共に戦う」ことを意味するのだと同社は気づいたという。
CEOのAnthony Day氏は以下のように述べている。
ブロックチェーン技術それ自体は、現在我々が直面している課題の20%ほどにすぎない。
問題は、これに際して多様な分野の学問に携わるグループと提携していかねばならないことだ。ブロックチェーンは単なる技術以上の意味を持つ存在だ。だれもが実際の取引を作り出し、完全に新しいエコシステムやプロセスを作り出すことができる。