- AIエージェントによる自律取引CLIの実務課題を整理
- x402など海外プロトコルの分析と国内規制の整合性を検討
共同研究の背景と課題
コインチェックは28日、ブロックチェーン・AIエージェント領域の技術会社Komlock lab株式会社と、「AIエージェント向けCLI(コマンドラインインターフェース=AIに直接指示を与える操作環境)」に関する共同研究を開始すると発表した。AIエージェントが自律的に仮想通貨取引を実行する時代を見据え、国内における実務・制度面の論点整理を進める。
Komlock labが開発するAIエージェント向けCLIプロダクト「Kova(β)」は、ユーザーが自然言語で取引意図を伝えるだけでAIエージェントが取引を実行する構造を想定したものだ。両社はコインチェックの仮想通貨取引における実務・規制対応の知見と、Komlock labの技術的知見を組み合わせて研究を進める。
関連記事:AIエージェントのマイクロ決済が急拡大、1年で1.7億件超処理 9割以上がUSDC利用=Keyrockレポート
Keyrockの最新レポートによると、AIエージェントによるM2M決済が急拡大しており、1年間で1億7600万件・7300万ドル超を処理した。その98.6%がUSDCで決済されており、仮想通貨決済システムの優位性が確立されている。
AIエージェントは秒単位で外部APIを呼び出し、1回あたり数セント未満のリクエストを連続的に発行する可能性がある。
従来の決済手段は人間が都度意思決定を行う前提で設計されており、決済頻度・権限委譲の粒度・即時性のいずれもエージェント主導のワークロードには最適化されていない。
数円規模の決済に対して数十円のオンチェーン手数料が生じるケースでは、手数料が決済金額を上回る状態となる。
こうした背景から仮想通貨・ステーブルコインへの関心が高まっている。プログラムから直接送受信できること、スマートコントラクトで条件付き決済を記述できること、オフチェーン取引で約定を積み上げ必要時のみオンチェーンで精算できることなど、柔軟なプログラマブル設計が可能な点が評価されている。
海外では米コインベースが提唱するx402やStripe・OpenAI共同のACP、GoogleらによるAP2など、エージェント間決済の標準化プロトコルの整備が進んでいる。
国内での取り組み内容
共同研究では、AIエージェントを用いた取引モデルの整理、既存規制との整合性検証、リスク管理体制のあり方の検討に加え、x402をはじめとした代表的なオープンソースソフトウェアの研究とユースケース創出を進める。金融領域における自律的な資産運用・最適執行の海外事例や、EC・デジタルコンテンツ・ゲームといった非金融領域での自動取引事例の分析も対象とする。
なお、同取り組みは現時点では研究段階であり、特定のサービス提供を目的とするものではないとしている。
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